『人民の星』 5711号2面 2012年8月22日付

「韓国」経済の実態 米日独占が実質的に支配

 日本の電機産業では大規模な首切り「合理化」の嵐がふきあれ、「サムスンなど韓国の企業にまけたのだから仕方ない」といった宣伝がやられている。また、「韓国」大統領・李明博が竹島を訪問するなど日「韓」の領土問題をめぐる矛盾が激化している。これらの問題にただしい態度をとるうえで「韓国」経済がどうなっているのかをつかむことが重要である。

サムスン電子は株主49%が外人
 薄型テレビや半導体DRAMの売上で世界第一位であり、〇九年の営業利益が約一〇兆九二〇〇億T(約八七〇〇億円)で日本の電機独占資本がたばになってもかなわない、と評されるサムスン電子もその実態を見ていくと、米日欧の企業とはちがった側面がある。
 たとえばサムスン電子の株主は四九%が外国人である。外国人株主のなかではシティバンク(アメリカ)が六・一%の大株主となっている。生産構造の面から見ると、海外から四割の工業資材や原料を輸入しないと製品をつくれない。これはサムスンだけでなく、「韓国」のすべての大企業に共通する特徴である。
 「韓国」は政治的軍事的にはアメリカの支配下にあり、経済面では日本資本をつかって資本主義経済を発展させてきた経緯がある。植民地支配への賠償として日本資金が投入され、鉄鋼、造船などの基幹産業が発展し、財閥を中心にした企業グループが形成された。
 ところが一九九七年におこったアジア通貨危機で「韓国」経済は破たんし、IMF(国際通貨基金)の管理下で経済の大再編がおこなわれたが、この過程でアメリカを先頭とする海外の資本がいっきに浸透した。

主要銀行はほぼ全て米銀傘下に
 もっとも典型的なのが銀行である。主要銀行で「韓国」の銀行といえるのはウリ銀行(資産規模第二位)だけで、あとはほぼアメリカの銀行になってしまった。「韓国」最大の国民銀行は外資比率が八五%をこえアメリカのニューヨーク銀行が筆頭株主となり、三位のハナ銀行の外資比率は七二%で筆頭株主はゴールドマンサックスとなっている。韓美銀行は完全にシティグループの傘下となり、いまは韓国シティ銀行となっている。
 製造業の主要な企業も外資の支配のもとにおかれている。製鉄会社のポスコは株主の半分が外国法人で筆頭株主は新日鉄である。現代自動車も四〇%が外資系、韓国最大の通信会社のSKテレコムも半分が外資系だ。毎年、四月前後に配当が海外に大量におくられ、一〇年四月には二八億六〇〇〇万j(二三八〇億円)が海外の資本家のもとにおくられた。

非正規労働者が急増し低賃金に
 IMF管理以降、緊縮政策により労働者への搾取、収奪はつよまった。日本とおなじように非正規労働者がふえている。〇一年に七三七万人だった非正規労働者は、〇七年には八六一万人にふえ、労働者の五四・二%をしめている。非正規労働者の賃金は正規労働者の半分以下である。
 こうしてサムスン電子などの財閥企業は利潤をあげるが、「韓国」労働者の低賃金によってうまれたものである。その果実は、財閥オーナー一族にもいくが、まずアメリカに、そして日本の独占資本のもとにいく構造がつくられているのである。サムスンなどがもうかればもうかるほど、自動的に米日独占資本がうるおう関係である。

「韓国」企業利益は米日に流れる
 とりわけアメリカ資本は利益を得ている。たとえばサムスン電子やLG電子は携帯電話でも世界の市場を二分するほどの売上を得ている。ところがこの携帯電話でもっとも利益を得ているのは、アメリカの半導体企業のクアルコムである。クアルコムは携帯電話につかう半導体の特許をもっており、携帯電話が一台売れるたびに五%の特許料がはいる。「韓国」の二企業がこれまでに支払った特許料は五兆T(三四五〇億円)と推算されている。
 まさに今日的な帝国主義と植民地との関係がここにある。金融、技術、原材料などあらゆる面で「韓国」経済はアメリカに搾取されている。
 「韓国」の対日貿易は〇五年から現在まで毎年二〇〇億〜三〇〇億j台の赤字になっている。日本から半導体などを製造するための機械や材料を輸入しなければならないからである。さらに日本独占資本による韓国への投資も一二年にはいって激増しており、上半期だけで二六億j(前年同期比一九五・五%増)にのぼっている。金属や化学関係の投資がふえている。日本独占資本も、「韓国」の大企業の売上がのびることで利益を得る関係にある。
 「韓国」大統領の李明博は「七四七公約」をかかげて当選した。七%成長、国民所得四万j、経済規模世界七位という公約だったが、成長率は三・七%、国民所得は二万三〇〇〇j、経済規模は一五位にとどまる。緊縮政策とインフレで人民の生活は悪化の一方のため、この二カ月間でもトラック運転手、建設労組、タクシー運転手、医者などがストライキにたちあがっている。
 支持率が二〇%台にまでさがるなかで李明博は、日本の反動派もたまげた「竹島訪問」をやり、「天皇訪韓」発言をおこなったのである。盟主のアメリカ帝国主義もにがりきった李明博の行動の背景には、「韓国」経済の危機、階級矛盾の激化、米「韓」FTA(自由貿易協定)を強行するなど李明博の売国政治への批判がある。