何日出ないのが便秘か
便秘に明確な定義はなく、何日出ないから便秘という基準はありません。毎日出るのが理想ですが、3日に1回でも本人がそれですっきりしていれば便秘とは言えないのです。逆に1日出なかっただけで不快感を感じて便秘だと思う人もいます。
便秘かどうかを判断するのは自覚症状です。
排便してもお腹に張りや違和感があったり、排便に違和感がある、出ないせいで食欲がない、便が出ないけどオナラが異常に多く出るなど、腸に便が溜まっているせいで何らかの不快感を感じるようになった時が便秘なのです。
今日はまだ出てないとか、2日出てないとか、くよくよと考えているとそれが自律神経を刺激し、ますます出にくくなってしまいます。そういえば出てないな、くらいの気楽な気持ちに切り換えることが大事です。
3日出ないくらいでしたら心配はいりません。
ですが、世間一般的な感覚として、4日出ないことを便秘と考える人が多いようです。
ひどい便秘と判断する基準
便秘は、何日出ないから便秘、という日数が基準になっているのではなく、便が出ないことによって自分に不快感が表れるような状態が便秘と言えます。
このような症状が出始めたら、ひどい便秘と言えます。
朝食を食べても便意が起こらない。
胃に食べ物が入ると、胃・結腸反射によって腸が動き出し、通常は便秘が起こります。便意がないということは重症です。
下剤を使って数日に一度出している、あるいは下剤なしでは出せない。
出せばよいというものではなく、下剤を使用していると徐々に回数が増えてきます。下剤依存症になると腸の機能が低下し、ますます便秘を悪化させます。
下腹が出ている。お腹が張っている感じがする。
腸の動きが悪いとこういった症状が出てきます。腸本来の機能が低下しています。
胸焼けがして食欲がない。
腸内に溜まった便からガスが発生し、横行結腸に溜まって胃を圧迫することがあります。古い便が多く残っているとこうした症状が出ることがあります。
便秘の人って何人ぐらいいるの?
2010年の厚生労働省による、国民生活基礎調査によると、便秘に悩んでいる人は全国で約479万人という統計結果が出ています。
調査に上がってこない、便秘であることを隠している人や、自覚していない人を含めると、推定で1千万人を超えているのではないかと言われています。
男女の比率でいえば、多いのは圧倒的に女性の方です。それも特に多い年代が10代後半から30代前半にかけての層です。この年代の40~50%が便秘ということで、2人に1人は便秘ということになります。
また、別の資料「カゴメ株式会社 現代女性の腸内環境に関するアンケート」(412人が回答)によりますと、排便の回数は
1日に2回以上 11.9%
1日1回 49.3%
2~3日に1回 29.6%
4~6日に1回 8.5%
7日以上で1回未満 0.7%
となっています。ただ、2~3日に1回という人の中にも下剤を使ってこの数字、という人も含まれており、周期が短めでも下剤依存症の人も含まれているようです。
7日以上で1回未満という人も0.7%おり、重度の便秘といえます。
女性の部位別がん死亡数でも、大腸がんが1位になっており、便秘を始めとする腸の異常に関して世間では注目が集まっており、腸内環境を正常にしようとする動きが高まっています。
便秘になりやすい性格
腸のぜん動運動は、自律神経という神経によって支配されています。脳が活発に動いている状態やストレスを感じている状態などは自律神経に影響を及ぼし、それが腸に影響を与えます。
心と腸は、かなり密接な関係にあるのです。
便秘になりやすい人の傾向として、心配性、神経質、真面目過ぎる、努力家、ストレスに弱い人などが代表的です。
全般的にいえば、心にダメージを受けやすい人ということになります。
逆にのんびりして楽天家の人は便秘になりにくい傾向にあります。
また、これは性格ではありませんが、その人のいる環境で、イライラすることが多い、腹の立つことが多い、悩みが多い、一つのものごとをいつまでも引きずっているなど、心に悪いことが多い環境にいる人も便秘になりやすい傾向にあります。
性格はそうそう変えられるものではありませんが、極力気楽に考えていくことが大切です。
便秘を改善する呼吸法
便秘治療のお医者さんが、患者さんに対して推奨している呼吸法です。これだけで便秘が改善された人が結構いるといいます。
お腹に手を当てて、5秒かけて鼻から息を吸い込みます。
10秒かけて、口から息を吐き出します。
特に、息を吐き出すことが良い作用を生み、吸う時間の倍の時間をかけて吐き出す1:2の呼吸を行うことが重要です。
この呼吸法を、最初は一日1分、慣れてきたら一日3分実行してみましょう。
呼吸には、交感神経と副交感神経の活発の度合いを切り替えるスイッチのような役割があります。
会社で頭にきた時など、興奮した時は交感神経が活発になり、寝る前の時のようにリラックスした状態の時には副交感神経が活発になっています。
特に一回、腹の立つことがあると、3時間は交感神経が活発になって、自分では意識していなくても、その間はずっと興奮しっぱなしになるといわれています。
そんな時も、この呼吸法で、副交感神経を優位に持っていき、興奮を静め、リラックスした状態になるようにしてみましょう。
便秘のためだけではなく、腹の立つこと、嫌なことがあった時にも有効な呼吸方法です。
腸が活発に動くゴールデンタイム
ほとんど人の生活パターンは、昼に活動して夜に寝るパターンです。
もちろん、三交代の人や、夜の仕事の人も多くいますから、全ての人に当てはまるわけではありませんが、一般的に昼の生活をしている人であれば、腸のゴールデンタイムは深夜0時以降だといわれています。
この時間帯に最も腸が活発に動き、翌朝の準備をしてくれます。ですから、0時には眠っていることが理想的な生活なのです。
とはいえ、忙しい現代人、なかなか毎日0時前に寝るのも難しいです。夜はなるべくだらだら引っ張らず、寝られる時には早めに寝ることが大切です。
そして寝る前には、今日あった腹の立つことなどは思い出さないようにしましょう。興奮状態になってなかなか寝つけなくなってしまいます。
子供の便秘、赤ちゃんの便秘
小さな子供は肛門が狭いために、排便の時に痛みを感じることがあり、それが怖くて我慢したりすると便秘になる場合があります。症状がひどい場合は、麻酔を使って肛門を広げたりする治療が必要になる場合もあります。
一週間以上出ないようであれば、小児科に連れていって診てもらいましょう。
この時、特に肛門に異常がないようであれば、腸の神経が完成されてくる2歳から4歳くらいの間に自然に良くなってくるのが普通です。
赤ちゃんで便秘気味だと感じたら、お腹を丁寧にマッサージしたり、肛門にスポイトでピュッピュッと水をかけたりすれば反射で便が出やすくなります。
便秘のまま成長すると、怒りっぽくなったり落ち着きのない子になってしまう場合もあり、親としても注意が必要です。
食物繊維を含んだ食事を心がけ、乳酸菌、ビフィズス菌の入ったデザートや発酵食品を取り入れて食事に気をつけてあげることが大事です。
便秘解消サプリメント
便秘解消サプリメントは、大きく分けて乳酸菌系と食物繊維系の二つに分類されます。
それぞれの人の体質によって、効果のある・なしは、どうしても出てきます。
乳酸菌で効果が感じられなかった人は食物繊維を、逆に食物繊維が効かなかった人は乳酸菌を試してみましょう。
カイテキオリゴ
こちらは乳酸菌ではなく「オリゴ糖」のサプリメントです。
オリゴ糖は、乳酸菌のエサになる物質で、腸内の乳酸菌を活性化させ、増殖させます。
乳酸菌そのものを体内に入れるのではなく、元から住んでいる腸内の乳酸菌を増殖させるためのサプリです。
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