便秘を悪化させる原因
現在、ひどい便秘で、下剤を使わなければ出ないような人でも、最初からこのような状態だったわけではありません。
最初は1日2日出ないという軽い症状から始まり、それが徐々に悪化していったのです。
悪化した原因は様々ありますが、どれも日常生活でつい、やっていることばかりです。腸が正常な人ならまだとも、便秘気味の人がこういった習慣を持っていると便秘を更に悪化させます。
我慢する
出したくなってもしょっちゅう我慢していると、段々便意そのものが起こらなくなります。
ダイエットや水分の不足
体の中に入ってくる食べ物も水分も少ないと、腸もあまり動かず、機能が低下していきます。
不規則な生活
不規則な生活は自律神経に影響を及ぼし、腸のぜん動運動が弱まってきます。
運動不足
排便に関わる腹筋などの筋力が低下すると出にくくなります。
ストレス
強いストレスを感じていると自律神経が乱れ、腸の動きが悪くなってきます。
治療、手術
お腹の手術を受けた人で、腸管の癒着(ゆちゃく)が起こって便秘の原因になる場合があります。
加齢
高齢になると腸の動きや排便に関する機能が低下します。
我慢しないことが大事
便意を感じる、つまり「出したい」という気になるのは、脳からの指令によるものです。
直腸に便が溜まってくると直腸が拡張し、肛門括約筋が反応して、そのサインが脳に送られます。
しかし、直腸や肛門括約筋の反応が鈍くなってくると、このサインが脳に送られなくなり、便が溜まっているのに、自分ではそれに気づかない、という状態になってしまいます。
この、サインが弱くなってくる原因には、加齢や出産による腹筋や肛門括約筋の筋力の低下、痔による痛みなどがあげられます。
また、大事なこととして、出したいのに日常的にそれを我慢していると、だんだんと脳が「出せ」という指令を送らなくなって、溜まっているのに自分でそれに気づかなくなってしまいます。
出したくなったらすぐに、が鉄則です。
ですが、会社や公共のトイレでは、小便は出せても大便をするのが嫌、という人は多くいます。ですが出したい衝動はいつ襲ってくるか分かりません。
なるべく家のトイレでしたいのなら、極力規則正しい生活を送るしかありません。決まった時間に食べて、決まった時間にトイレという習慣をつけていきましょう。
睡眠不足は便秘の一因
腸のぜん動運動が活発に働くのは、副交感神経がよく働いている時間帯です。
すなわち、身体も心もリラックスしている状態の時や、寝ている状態の時に、腸は活発に働いてくれているのです。
睡眠時間が短いと、腸が活発に動く時間も少なくなります。つまり、便秘を招く一つの原因にもなってしまいます。
理想は毎日6時間以上は寝ることです。腸のぜん動運動が活発に働くのは、副交感神経がよく働いている時間帯です。
すなわち、身体も心もリラックスしている状態の時や、寝ている状態の時に、腸は活発に働いてくれているのです。
睡眠時間が短いと、腸が活発に動く時間も少なくなります。つまり、便秘を招く一つの原因にもなってしまいます。
睡眠には、浅い眠りのレム睡眠と、深い眠りのノンレム睡眠があり、この2つはセットになって大体1時間半の周期で訪れると言われています。
すっきり目覚めるためには1時間半の倍数寝るのが良いらしく、4時間半、6時間、7時間半、9時間の睡眠時間だとわりとすんなり起きれるようです。
深い眠りの時に無理やり起きると、当分どろどろとして猛烈に眠い状態が続きます。すっきり起きれることは、腸の環境にも良い影響を与えます。
自律神経と便秘の関係
一昔前までは、「便秘なんて病気のうちに入らない、便秘ぐらいで病院へ行くなんて。」という風潮がありました。
ですが女性を中心に便秘の人は非常に多く、中には深刻な状態になっている人もおり、研究も進んだこともあって、たかが便秘ということでは片付けられない問題となってきました。
腸が収縮を繰り返して内容物を移動させることを、ぜん動運動といいますが、便秘の人はこの機能がうまく働いていません。
この腸の動きをコントロールしているのが自律神経であり、この自律神経の乱れが便秘の大きな原因です。
自律神経は、「交感神経」と「副交感神経」の二つを合わせた名称ですが、交感神経が高まれば、活動的な興奮モードになります。
副交感神経はその逆で、こちらが大きく作用するとリラックスしたゆったりとした気分になります。
この両者がバランスよく働いている状態が、心にも体にも良い状態なのです。
腸のぜん動運動は、副交感神経が優位になっている時に活発になります。
「交感神経」と「副交感神経」の、どちらが過剰に働いているかで便秘の種類は分かれてきます。
「交感神経」の活動が過剰になると、腸が動かなくなるタイプの便秘になり、「副交感神経」の活動が過剰になると、腸が収縮するタイプの便秘になります。
便秘と自律神経は深い関わりがあり、切り離して考えることが出来ない仲なのです。
すでに下剤なしでは便が出なくなっている状態の人でも、自律神経のバランスが整えば便秘は解消されるはずです。
現代ではイライラすることや腹の立つことも多く、どうしても交感神経の方が多く働いてしまいます。
その結果、自律神経のバランスが崩れ、腸にも影響し、便秘の一つの要因となります。つまりは、普段のストレスが便秘の大きな原因の一つとも言えるのです。
便秘は原因によって2種類に分類
便秘は、その原因によって2種類に分類されます。「常習性便秘」と「症候性便秘」です。
常習性便秘
生活習慣が主な原因となって起こる便秘で、一般的に便秘といえば、こちらのことを指します。全国で800万人から1千万人の人がこのタイプの便秘と言われています。医療機関では十分な対応をしてもらえないことが多いです。
症候性便秘
病気が原因となって起こる便秘で、腸や肛門のポリープ、がんなどによって生じる場合が多くあります。
旅行に行った時など、環境が変化した時に一時的に便秘になることがありますが、これは自然に治る場合がほとんどで、こうした便秘は心配には及びません。
便秘は遺伝するのか
親が便秘だと子供も便秘という親子は非常に多いようです。遺伝するのかどうかということについては、科学的根拠はありません。
ですが、まだ子供が独立する前までは、子供は親と同居していますから、親の好みや生活パターン、食生活について、子供は親の影響を多大に受けることになります。
野菜が少ない、ヨーグルトは食べない、納豆は食べない、肉は大好きなので毎食食べる、など、親が便秘となった生活習慣の中で暮らすことになりますから、そういった意味では、親が便秘なら子供も便秘になるという可能性は高いといえます。
遺伝に関しては不確定ですが、親の生活パターンの影響を多大に受ける、ということは大いにあります。
便秘のタイプは3つ
一口に便秘といっても、3つのタイプに分けられます。
(1)腸のぜん動運動が弱いタイプ
腸が収縮することによって内容物を移動させることをぜん動運動といいますが、この働きが弱くなっているタイプです。
便が腸内のあちこちに溜まり、それがさらに腸の動きを悪くします。溜まった便が異常発酵をおこして悪玉菌を発生させ、ガスが溜まってお腹が張ってきます。
また、水分も吸収されるため便が硬くなり、ますます出にくくなってしまいます。
(2)便が直腸と肛門の手前で止まっているタイプ
便が直腸まで行くと、脳にサインが送られ、便意をもよおして出したくなるのが普通の人ですが、自宅以外では出来ないとか、恥ずかしいとか、仕事の関係ですぐトイレに行ける状況ではないとかいう理由で我慢していると、段々便意そのものを感じなくなってしまいます。
我慢は特に女性に多く、便があっても脳が指令を出さなくなるために「出したくならない」という感覚になるのです。
(3)ストレスが原因のタイプ
ストレスとは、腹の立つことや嫌なこと、心配事など、心に悪い影響のあることを言いますが、これが自律神経に多大な影響を与えます。
自律神経には、交感神経と副交感神経の二つがありますが、腸のぜん動運動を支配しているのは副交感神経の方です。
ストレスが多いと副交感神経の働きが弱まり、腸の働きが弱って便秘になります。
便秘と下痢を繰り返すという人もストレスによることが多いのです。
下剤を飲まないと出ない人
下剤はいったん使い始めると、段々とそれに頼るようになってしまい、回数が増えていくのが一般的です。
下剤は強力な刺激を腸に与えるため、継続して使っていると腸に炎症をおこしたり、腸本来が持っている機能が弱まったりしてきます。
病院では、基本的になるべく下剤を使用しない方向で治療していくところが多いようです。薬の力で一時的に出しても、それは便秘が治ったとは言えないからです。
便秘の治療とは、あくまでも腸が持っている力で自然に出せるようになることです。腸内環境を整え、腸のぜん動運動が正常に行われるようになることが大事なのです。
下剤は出すためのもので、治療とは根本的に意味が違うのです。
便秘解消サプリメント
便秘解消サプリメントは、大きく分けて乳酸菌系と食物繊維系の二つに分類されます。
それぞれの人の体質によって、効果のある・なしは、どうしても出てきます。
乳酸菌で効果が感じられなかった人は食物繊維を、逆に食物繊維が効かなかった人は乳酸菌を試してみましょう。
カイテキオリゴ
こちらは乳酸菌ではなく「オリゴ糖」のサプリメントです。
オリゴ糖は、乳酸菌のエサになる物質で、腸内の乳酸菌を活性化させ、増殖させます。
乳酸菌そのものを体内に入れるのではなく、元から住んでいる腸内の乳酸菌を増殖させるためのサプリです。
オリゴ糖サプリの中で、日本で一番売れている商品で、高純度・高品質のサプリメントです。