水を飲むと太る?
全く太りません。太るということは体脂肪が増えることです。肥満とは、単に体重が多いということを指すのではなく、体脂肪が過剰に蓄積した状態、つまり脂肪太りのことを言います。
水はノンカロリーですから、水を飲むことによって脂肪が増えてしまうようなことはありません。心臓や腎臓に重大な病気がない限り、水はいくら飲んでも不必要な水分は尿や汗によって体外に排出されてしまいますから、水を飲むことによって肥満になるということはありません。
しかし世の中には「水太り」という言葉もあります。いかにも水を飲み過ぎたために太ったような印象を受けますが、実際には水分よりも塩分の取り過ぎが問題のようです。
体内での水分移動にはナトリウムイオン(塩分)が大きな影響を与えていますが、普段から味の強いものや醤油などを多く摂取していると、体内に不必要に残ったナトリウムイオンが、余分な水分まで身体の中に溜めこんでしまうようになります。
つまり、身体の外に出るべき水分が出にくくなってしまい、その結果として体重が増える、ということになります。
また、ダイエット中に飲む水の量まで極端に制限している人もいますが、これは健康にとっては大変に危険なことです。
やり過ぎると身体が脱水症状となり、その結果血液が濃くなって固まりやすくなり、脳梗塞や心筋梗塞といった深刻な病気の原因になることもあります。ダイエット中でも毎日、最低コップ4杯の水は必要だということです。
昔、毎日コップ8杯の水を飲むというダイエット法がありました。つまり大量に水を飲んでやせるというダイエット法が流行した時代もあるのです。
人間の身体は常に新陳代謝を繰り返しています。すなわち、食べたものが脂肪になったり筋肉になったり、骨や内臓の古い細胞が分解されて排出されて、それを新しく身体に入れた食物から細胞を作ったりして細胞レベルで入れ替わっています。
水はその新陳代謝、つまり身体の細胞の入れ替わりに欠かせないものです。水を飲むと確かに体重は増えます。腹の中に何かを入れたのですから当たり前です。ですが、水には大量に飲むほどその新陳代謝のスピードをアップしくれるという機能もあります。
ダイエットによって身体に変化を加えている最中であれば、そのスピードアップの手助けをしてくれるのが水です。ただしノンカロリーである純粋な水だけです。水分としてジュースやゼリー飲料を飲めば、それはカロリーとして身体の中に入っていきます。
ボディビルダーであれば、新陳代謝の速度を上げるために毎日大量の水(2リットル以上)を意識して飲んでる人も多くいます。水を飲むことによってその日の体重測定で上がった数字を見るのが嫌な人は、体重を測った後に多くの水を飲んでまた24時間後に測りましょう。飲んだ水の影響はその頃には消えています。
水の制限までして減量するのは、体重別の大きな大会に出る人の最後の手段です。