No.22部下を怒る時の五つの原則


部下が何ミスをした場合・あるいは怠慢なことをした場合、上司としては当然、叱責(しっせき = 怒る)ということになりますが、その叱責を効果的にするための五原則というものがあります。

1.迅速性
怒る時にはなるべくその場で素早く、ということです。部下が何かをやらかした場合でも、そのことを一週間後に怒ったとしても効果は極めて薄いものとなってしまいます。

2.怒る時には強く怒る
あまりやんわりと言っても、相手はさほどこたえません。ある程度強く叱るということも重要です。ただし、言葉が強すぎると部下も萎縮してしまい、その上司に今後近づかなくなる可能性もありますし、反抗心をいだいて、ますますやる気をなくす、ということにもなってしまいますから、その辺のレベルコントロールが重要になってきます。

3.一貫性
何について怒っているのかをはっきりさせるということ。説教が長引くあまり。全然関係ないこととか、昔のことまで持ち出すのはよいことではありません。ポイントを抑えて説教の内容を絞るということが大切です。

4.急激性
最初に強く怒り、除々に弱めていくというパターンです。説教の出だしが弱く、段々とテンションを上げていっても、相手もそれに慣れてしまい、効果は薄いものとなってしまいます。

5.短時間
説教は短時間で終わらせるということです。長々と怒っていても、相手はその間に立ち直ってしまい、ただ漠然と「はい」と「すいません」を繰り返すだけで、まともに聞かなくなります。

重要なのは、相手に恐怖をいだかせるような罰を与えたり、不安や敵意を起こさせるような怒り方はしてはならない、ということです。また、自分が機嫌が悪いからといって八つ当たり的に怒ったり、感情の起伏が激しく普段見過ごしているようなことを急に激しく怒りだす、というのもよいことではありません。

部下に敵意をいだかれるようになると、最終的にその部下は転職のことばかりを考えるようになり、やる気も減少し、そしてそのような部下が大多数を占めるようになると会社の業績も悪化の一途をたどるようになります。