Top Page 心霊現象の小部屋 No.23 No.21
平尾由美子さん(仮名)は、アメリカのロサンゼルスのあるアパートで、一人暮らしをしていた。彼女の左隣の部屋にはデッカーさんという一家が住んでいた。一家といっても父親はいない。母親と息子2人の3人暮らしだ。 ある晩、夜中の12時くらいだったが、平尾さんはベランダに出て何気なく夜景を見ていた。ふと隣を見てみると隣の部屋のカーテンは開けっ放しになっていて部屋の中が見えてしまった。 そこにはリビングルームでテレビゲームに熱中している一人の子供の姿があった。 「どの国の子供も同じね。」そんなことを考えながら平尾さんは再びベッドに入った。だが寝つかれず、それから3時間後、平尾さんはまたベランダへとふらっと出てきた。 またちらっと隣へ目をやると、さっきの子供がまだゲームをしている。もう夜中の3時だというのに。 「まだやってる・・。寝なくていいいのかしら・・?」 ちょっと変な子供という印象を持った平尾さんは、それからなぜか隣のことが気にかかるようになり、ちょくちょくベランダから隣の部屋を見るようになってしまった。 隣の部屋の子供はちょっとおかしい。いつもカーテン開けっ放しで24時間いつ見てもゲームをやっている。食事をしているところも見たことがないし、トイレにも行ってないのではないか。いや、それよりも学校にも行ってないようなのだ。 隣の一家とは特に親しいということはなかったが、さすがに気になって母親に事情を聞いてみようと隣の部屋を訪れてみた。だが部屋にはカギがかかっている。 アパートの管理人にこのことを喋ってみると、「そういえばあの家のお母さんは何日も帰ってきてないみたいだよ。」と言うので部屋の子供が気にかかり、管理人と一緒にその子供の様子を見に行こう、ということになった。 管理人にカギを開けてもらって部屋を開けた途端、うっとくる悪臭が二人を襲った。呼吸が出来ないほどの異常な匂い・・。この悪臭の中で部屋の中には子供が一人で、相変わらずテレビゲームをやっている。管理人によると、この子は2人兄弟のうち、長男の方だそうだ。 「冷蔵庫の中のものが腐っているのだろうか?」平尾さんがそう思った途端、台所の方から「うわぁーっ!!」という管理人の悲鳴が聞こえてきた。びっくりして平尾さんも駆けつけると、そこにはテーブルの上にバラバラにされた死体が置かれてあった。 手や足、生首などがテープルの上に積み上げられている。そしてところどころ肉片が削り取られている。 「は、早く警察を・・!」と管理人が叫ぶ。平尾さんは事情を聞こうと、ゲームをしている長男の元へ駆け寄った。だがその長男の顔をみた瞬間、「あっ」と声をあげた。顔も身体もげっそり痩せ細り、目玉も落ちかけているような表情に変わり果てていたのだ。 「やっと終わったぞ・・!」と長男は低い声を発した。どうやらゲームを全部クリアしたらしい。 警察が来て一通り処理を済ませ、後日真相が明らかになった。 母親は恋人のところに入りびたりで、子供たちにも生活費は渡さず、子供たちは何日も何も食べてない状態が続いていたというのだ。飢餓状態に追い込まれた長男は、先に弱っていた次男を殺してその肉を食って飢えをしのいだ。 そこへふらっと母親も帰ってきて、その時母親も殺してしまったという。食べやすいようにそれぞれの死体はバラバラにして台所に置いておくことにした。 長男が熱中していたゲームは、「次男」の方が生前熱中していたゲームだったらしい。殺された次男の霊が長男に憑依し、長男の身体を借りてゲームやっていたのではないか、という見解が発表された。 |