Top Page 心霊現象の小部屋 No.29 No.27
アメリカのジョージア州で、ウォルシンガム氏は、ある家を買った。入居前に家の中を調べているうちに、彼は古いガイコツを一つ見つけたが、大して気にも止めずにそれをレンガを焼く窯の中に捨てたのだった。 異変はその日の夜中から始まった。真夜中だというのに家中に響き渡るような鐘の音が聞こえ、イスが突然ひっくり返ったりドアが勝手に開いたりし始めたのだ。 びっくりしてウォルシンガムは風でも吹き込んでいるのではないかとあちこち調べたが、そんな気配はない。そして更に別の日には、飼っている犬が突然壁に向かってほえ始めた。何度も何度も壁に向かってほえ続け、ついにはその犬は壁に向かって突進を始め、頭から壁に突っ込んで首の骨が折れ、犬は即死した。 突進したというより、誰かに身体をつかまれて壁に向かって投げつけられたような感じであった。 また、家の中からすさまじいうめき声や笑い声が聞こえてくることもあった。更に空中から腕の部分だけが出現し、その腕がウォルシンガムの娘の肩をつかんだこともあった。娘が恐怖で悲鳴を上げると、その腕はスッと消えてしまった。 こういった奇怪な現象は家の中だけでなく、外でも起こり始めた。ある雨の日、ウォルシンガムが道を歩いていると、裸足の足跡が彼の横にぴったりと並んでくっついてきたのだ。横に誰もいないのに足跡だけが自分の横に点々と並んでいる。 さすがにかなり気味が悪くなってきたが、ウォルシンガムは気をとりなおしてパーティでも開いてみることにした。近所の人や友達を集めて、ある晩パーティを開いた。だがそこで決定的なことが起こってしまった。 まずパーティの最中に二階の方から唸り声が聞こえてきた。その声は誰も聞かないふりをしていたのだが、次に真っ白なテーブルクロスに赤いしみが広がり始めた。 人々が天井に目をやると天井から赤い液体がしたたり落ちている。招かれた男たちはこの正体を突き止めようと、すぐに二階に駆け上がっていった。二階の部屋の床板を剥がしてみたが、そこには何もない。 だがまだ赤い液体はしたたり落ちている。後の化学分析で分かったことだが、この液体は人間の血液であることが判明した。もはや幽霊屋敷だと認めざるを得ないウォルシンガム一家はなすすべもなく、早々に荷物をまとめて引っ越していったのだった。 |