広島巡礼・みすず

柳井港駅 遺族代表が花輪を奉げている 8時15分から1分間の黙祷
秋葉市長の平和宣言 子供代表の平和の誓い 河野議長のメッセージ
最高裁長官のメッセージ 冷たいおしぼりの提供 平和を願い千羽鶴を折る
平和公園内の慰霊碑 学徒動員慰霊祭 原爆ドーム

 今回私の連れ合いが、5〜7日と家を空けるというので、久し振りに青春切符を使った旅に出ることにした。
 当初は、以前やったことがある京都から高知の旅を企画していたのだが、生憎とムーンライト山陽が今年は運転していないというので断念した。
 それではということで丁度「8・6」にひっかけて、民間の平和集会には行ったことがあるものの、これまで一度も行ったことがない広島の平和記念式典に参加してみることにした。ただそれに参加してそれで終わりというのでは青春切符を使う価値がないので、以前「8・15」にひっかけて行ったことがある、呉と大久野島を再訪することにした。
 8時15分からの黙祷の時間に間に合うよう朝家を出て、いつものように柳井港に車を止め、電車に乗った。
 西広島で降りて広電に乗り換え、土橋で下車し、平和公園へと急いだ。もう式典は始まっていたが、参加者は引きもきらず埼玉、大阪という腕章をつけた人が続々と詰め掛けていた。
 程なく、黙祷が始まり、秋葉市長の平和宣言に続き、子供の代表のメッセージ、三権の長のメッセージと続いた。
 暑い最中なので、ボランティア(?)による冷たい水や冷たいおしぼりは有り難かった。また、参加者が折り紙を作るコーナーもあり、老若男女が立ったまま作っている姿が彼方此方に見られた。私も折ってみたが、小さくて金紙だったのでなかなか折りにくかった。
 次の呉への電車の関係で9時にお暇をし、原爆ドームの側を歩いていると、丁度学徒動員犠牲者の原爆追悼式をしているところだった。彼らの冥福を祈り、今後こんなことが無いよう新たな誓いを立ててそこを後にした。

大和ミュージアム 企画展「呉と原爆」 軍都呉の歴史
呉で建造した軍艦等の資料 戦艦大和の10分の1模型 ゼロ戦と潜水艦

 次に向かったのは呉。駅のすぐ近くに「大和ミュージアム」ができており、ここも参観者が多く、私と同じように広島の平和記念集会から流れてきたと思しき人が多く見られたようだった。
 今回は、企画展で「呉と原爆」をやっており、それが一つの目玉となっていたようであった。
 呉で造った戦艦大和の10分の1模型をはじめとして、他の戦艦や飛行機のゼロ戦、潜水艦などの模型が所狭しと展示してあった。
 また、軍都呉の歴史や大和に関する資料も展示してあり、その技術が今に生かされ、世界最大のタンカーを造ったと結んであった。
 未来のコーナーに漫画に登場した宇宙戦艦大和があったには首を傾げてしまった。
 昼は呉駅にある和食の店で「にぎり定食」800円をかきこんだ。これは安くてボリュームもあった。

忠海桟橋と渡船 毒ガス資料館 毒ガス施設
国民休暇村と遊ぶウサギ 大久野島桟橋 尾道駅

 そして次に向かったのが大久野島の毒ガス資料館。
 戦前・戦中と毒ガスを作っていたということで、戦争中は戦略上島が地図から消されてたというところだが、今は島内に国民休暇村の施設があり、沢山のウサギが住む島に様変わりしている。
 資料館に訪れる学校が全国からあるようで、色紙などが展示してあった。また、こういったことを風化させてはいけないという思いから、ボランティアの語り部による講演も度々行われているようだった。しかし、市内の学校の参加が少なくなっていることが心配の種のようだった。
 資料館を見学した後は、休暇村の温泉に浸かり疲れを癒した。
 これで一応は巡礼の旅の部分は終えたので、締めくくりは私の好きな街である尾道に行くことにした。
 以前行って気に入った「みち草」という居酒屋に行き、地魚料理に舌鼓を打ち、酒をしこたま飲んで尾道の夜を堪能した。ここ「みち草」は兎に角安くて新しい地魚を出してくれるところがいい。因みに値段を記すと、刺身盛が840円、穴子天が630円、魚の煮つけ(当日の魚)が520円、・・・という按配だ。丁度カウンター席で同席した老夫婦と意気投合して話したが、その夫婦もここがお気に入りの店で、週に2回は来るという話だった。常連さんが多く、月から金曜日は座れないで待つことが多いとも言っていた。そういえば、こちらが入ったときも、ご主人が「お帰りなさい」と言っていたことからもそのことが伺えそうだ。気に入ったので、焼酎をキープしてしまったのはチョット行き過ぎだったかな。また、それを呑む口実で尾道に行くとするか。
 旅館は駅近くの、これまた以前泊まったことがある商人宿風の「芝田旅館」に泊まった。

仙崎駅 昼食をとった浜屋 七夕飾りの余韻の残る駅前
金子みすずの壁画 金子みすず記念館 金子みすず記念館の館内
金子みすずの人形 金子みすずの墓 長門湯本温泉「礼湯」

 前日しこたま呑んだせいか、少々頭の痛い中5時40分に起こしてもらった。すぐに着替えて駅に急ぎ、始発に飛び乗った。青春切符だから始発に飛び乗ると安く1日旅が楽しめる。
 朝食は、広島での乗り継ぎの間が40分弱あったので地下のウィーンという喫茶店でモーニングを頼んだ。ここもグーで、飛び込みの店ではあったが大変気に入った。
 乗り換えて電車に乗ると、偶然と言うか尾道で乗り合わせた人と一緒だった。新山口での乗り換えも一緒だったので厚狭で降りるのかと思ったら、その人はそのまま乗っていってしまった。
 長門市行きは多いものの仙崎行きは余りなく、繋ぎの面から丁度いい按配の列車に乗り合わせた。
 仙崎に着くと駅前通りには前日の七夕祭りの余韻(飾り)が残っていた。いい時間帯だったのですぐ昼食にと美味しい魚料理を食べさせると名高い浜屋に急いだ。「るるぶ」などで紹介されているからか、客が多く、30分程度待たされた。日本海の魚料理を満喫した後は土産物を買うために仙崎港の店で酒の肴になるものを物色した。
 この後は金子みすず記念館に行ったが、そこで思いがけない人(職場の上司)に出会う羽目になった。向こうも驚いただろうが、こんなことってあるのだろかと思った。お互いにいい場所で、しかも忍びの旅でなくって良かったとは後から話すこと。
 記念館の後は墓に参り、後は疲れを癒すために温泉に浸るだけ。湯本温泉で途中下車し、前回「恩湯」に入ったので、今回は「礼湯」の方に入ることにした。湯もいいが、140円で入れるというのが尚いい。


1.目 的


@ 戦後60年の節目に、反戦の思いを新たにするために広島巡礼の旅をする。

A 金子みすずの生誕地を訪れ、彼女の生き方にふれる。

B 温泉に浸り、1日の疲れを癒す。

C 地魚を堪能する。

D
 青春切符を使って、今では失われつつある鈍行列車のよさを堪能する。


E 「旅は道連れ、世は情け」の精神で、旅の一期一会を大切にする。

2.旅 程

 2005年8月6日

 起床(5:45)− 出発(6:00)朝食は途中のコンビニで調達する。

 山陽本線 柳井港(6:36)− 西広島(7:43)−平和公園

 呉線 広島(9:39)− 呉(10:26)−大和ミュージアム(昼食含む)

 呉線 呉(13:00)−広(13:10)(13:18)−忠海(14:19) 

 忠海港(14:53)− 大久野島(15:05)−毒ガス資料館・休暇村

 大久野島(17:20)−忠海港(17:32)

 呉線 忠海(17:53)−三原(18:14)

 山陽本線 三原(18:17)−尾道(18:28)

宿泊  芝田旅館

 8月7日

 起床(5:40)

 山陽本線 尾道(6:03)− 広島(7:22)朝食(8:00)−

      新山口(10:28)(10:31)−厚狭(11:05)

 美祢線 厚狭(11:15)−仙崎(12:27)−金子みすず記念館

 美祢線 仙崎(16:01)−長門湯本(16:20)−湯本温泉

 美祢線 長門湯本(18:00)−厚狭(18:57)

 山陽本線 厚狭(19:00)−新山口(19:33)(19:36)−

     柳井港(21:00)