WASA
スウェーデン王室の戦列艦

1300総トン、全長61メートル,
大砲64門を搭載するガレオン形の1級戦艦。



ビクトリー」が8割がた完成したころから、次に作る船が気になり始めていた。そんな折、下関のH氏が製作中の「ワサ」を見る機会を得た。イタリアのパナルト社製の大型モデルで、全長が1.2メートル近くもあり、思わず作って見たくなるような作品に仕上がっていた。「ワサ」の姿がちらつき始めたのは、下関のプレイバック(モデルショップ)に飾ってあるコーレル社の「ワサ」を見つけた時からである。当時は、特定の位置に座らないと見えないショウウインドウに展示してあった。船は難破船の状態だが、
私にとって店の中で一番気になる作品である。
(難破船とは、私たち模型仲間で言う未完成模型船のことです。)
そんな出会いが、
「ワサ」を次の作品に選ぶきっかけとなったようです。

ワサの紹介
この船は、スエーデン王室海の軍力増強の目的で作られた大型戦闘艦。スエーデン海軍の主力艦として活躍するはずだったが、完成と初航海を祝う大群衆の目前で、突風にあおられてあっけなく沈没。
沈没した場所の水深が、35メートル程度の比較的浅い海域であったことから、後年(沈没から330後)引き上げられ、船体がほぼ完全な姿を保った状態で、ストックホルム海事博物館の展示されている。


それでは、「ワサ」の製作過程を、製作工程毎に発表していきます。
作りながらの発表のため、完成までかなり長いあいだ、
お相手頂くことになりそうです。
ちなみに、完成までに約1年を要するものとみていま
す。

トップページへ戻る

キットの紹介
長さ73センチ、幅29センチ、厚さ9センチ
の厚紙の箱 
イタリア・・コーレル社のキット
 スケール: 1/75
部品はカット済みのキールとフレーム、外板、構造物、マスト等の素材となる角材、丸棒、板材及び滑車、大砲、飾り金物等の小物部品からなる。部品点数は約2000点、このうち加工前の素材が300点以上ある。これらの部品はそのまま使えるものはほとんど無く、何らかの加工処理が必要である。
写真の一番下の部品は組み立て用の船台。キールの下端をはさみこみ、組立て加工を行う。この方式だと加工中の船を抱きかかえての作業が可能となり、作業がしやすい。
キールとフレーム

このモデルのキールとフレームは糸鋸による手切り加工がしてある。左右対称に仕上がっていない上、図面どおりにもカットされていない。図面そのものも左右対称では無い。フレームの溝(キール差込用)もそのままではキールが差し込めず幅を広げる必要がある。
このままでは組み立てられないので修正にかかったが
基準をどこに持ってきたらいいのかがわからない。
結局は複数の資料をもとに、自分だけの「ワサ」を作らざるを得なくなった。
同じモデルを製作中の仲間は、糸鋸盤を手に入れ、図面を基にフレーム全部を作り直したそうである。
図面の左右が対称でないため、片側の形状をオフセットして左右対称形状をつくったとのこと。この方法にしても、正確なフレームが出来るとは思えない。
恐ろしいキットだが、前のビクトリーの時と同じこと。
・・・・どうにかなるだろう・・・・。

この写真のキールとフレームはまだ接着していない。
この段階でのミスは最後まで尾を引く。
少なくとも3,4工程先までを読んで手をつける
つもりである。

船   体















外板の下張りを終わったところ。
船尾の船底部分に、削ぎ落とした様な面が現れた。キットそのものラインであるが、詳細資料を見る限りやはりおかしい。覚悟をきめて、資料に近いラインに修正した。






船底の修正部分
修正したい部分の外板をはがしたところ。






外板の下張りを張り終え、大砲の穴を開けた状態。







化粧外板を貼り付け、甲板に甲板材を接着したところ。まだ大砲の穴は加工していない。











大砲の穴を加工した船体。
船体に角穴54個所と、ブルーワ−クに丸穴を14個を加工。
船首のギャラリー部分は資料をもとに作り直した。




船尾楼と船首衡角を取り付け、水線下を塗装(白色)した状態。
外板には資料を参考にして釘を打つことにした。この段階で約2000本の釘が打ったが、今ひとつ釘の効果に納得出来ない。現在対策を思案中。




マスト、バウスプリット、ヤードの完成品
これらの部品は、船体の取り付け穴に差込み索具(リギング)で固定する。
そのため索具を取り外せば、簡単に船体から
抜き取ることが可能である。
搭載ボート
ワサの搭載ボートは、オランダタイプのボートだったらしいが、資料不足のため製作出来なかった。しかたなくイギリス艦の搭載ボートの図面をもとにそれらしく模造した。
オス型を製作し、これに添って0.8ミリ厚の板を貼り付け船殻を作る。型から外した船殻はたまごの殻のように頼りない。この船体に、リブ、ガンネル、スノコ、座板等を取り付け、ボートの体裁を整え、最後に船底の塗装を行う。オス型製作から塗装まで約7日を要した。

船体(完成)


ほぼ完成した船体。
但し、ガンポートの蓋は取り付け部品の中で構造的に一番脆弱な部分となるため、現時点では取り付けていない。
この画面のバウスプリットと3本のマストは、撮影のため仮に組み込んだもので、船体への固定はしていない。

ここまで、約10ケ月を要した。
完成までの予想を大きくオーバーしそうな気配がする。
(懸案の釘の件、まだ結論が出ていない。
今の状況だとまだ手が打てるため、結論を先送りしているが、そろそろ決めないと手遅れになりそう。)

     2004年10月初旬
リギング(索具)
帆船の索具は、
静索(スタンディング・リギング)と、
動索(ランニング・ギリング)の2種類に大別される。
静索は、マスト等を支えるためのロープ類で、増締め、補修時以外は
固定されたままである。このため風雨に対する補強の
意味でタールが塗られていた。
動索は帆の操作をするために動かすロープ類で、おおくは滑車を通して
スムーズなロープワークを確保している。
ロープの端はしっかりと固定すると同時に、すばやく解ける必要が
あるため、いろいろな結索具が工夫がされている。


前部、中央部、後部のマストをそれぞれ、
フォアマスト、メインマスト、ミズンマストと呼ぶ。
この時代の大型帆船のマストは、上下に三本を繋いだ構造をしている。
一番下をロアマスト、次をトップマスト、一番上をトップギャラントマストと呼ぶ。船首に斜めに突き出たマストはバウスプリットと称す。
この写真は、バウスプリットと各マストのロア部分を組み込み、
フォアステイ(前方向の支索)バックステイ(後方の支索)を仮組みした状態。
サイドステイの役目をするショラウドはまだ完成していない。
このシュラウドにはステップ用のロープを渡して縄梯子とする。
マストの頭部近くにぶら下がった輪は、
各マストのシュラウド用の索で、まだ船体と繋いでいない状態。
このようにマストは前、横、後から支えられマスト本来の役目を果たす。
2004年12月

トップページへ戻る

WASA完成 (2005年5月)

5月の展示会に間に合わせるためかなり無理をした。
思い当たる妥協点が気になり、完成時に体験できる達成感が
得られない。追っ付け、完成後の必要な処置をズルズル
のばして今日に至る。
やっとホームページの更新をおこなう!

船尾からの俯瞰写真
模型ならではのアングルである。
この写真では胴体が太くみえるが背景への影の映りこみが影響したためで、
実際には案外と細作りの船体である。
この模型を見た限りでは船尾側の喫水下の形状に違和感を覚える
船である。

船首バウスプリット


この模型は下関の模型ショップ
「プレイバック」に展示して貰うつもりです。
お近くのかたは覗いて見てください。