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全ての機械が狂った。 スイッチとコンピューターを結ぶ回路が狂い、世界はデタラメになった。 このままではテレビゲームもできない。 この異常事態を正常に戻すためのゲームソフト「スイッチ」が開発された。 |
ゲームに出てくるスイッチを押し、すべての機械をコントロールしている、マザーコンピューターにアタック。 世界を正常に戻すためのスイッチを押す。それが君の使命だ。 さぁ、スイッチを選んで出発!! |
システム
画面に現れるスイッチを押していき、マザーコンピューターのスイッチを押せば、クリア。 違ったボタンを押すと、とんでもない現象(ギャグ)が起こる。それだけでなく、重要な建造物が破壊されることもあり、破壊しすぎるとゲームオーバーになる。 |
今まで通った場所や、見たギャグなどを割合を%で表示してくれるので、コンプリートを目指すのもいい。 |
声の出演
レビュー
早すぎたクリック・ギャグゲーとでも言いましょうか? 一部の人にはウケがいいのですが、わからない人には、ぜんぜん面白くないゲームのようです。
ストーリー的には、マザーコンピューターのスイッチを押すなどとありますが、そんなことは、実際どうでも良いのです。
このゲームのキモは、スイッチを押して起こるギャグや現象を楽しむ事にあります。
まぁ、中には、つまらないものがありますが、ツボにハマれば、大ウケです。
お約束ギャグから、不条理ギャグ、うんこネタ、ゲロネタ、オッパイネタ、果ては電波系ギャグまで、何が起こるかわかりません。
ここまでギャグを詰めこんだゲームが、他にあったでしょうか?
これらのギャグを考え出したというだけでも、感心します。
イメージはだいぶ違いますが、「ウゴウゴルーガ」が好きだった方なら、このゲームの面白さがわかると思います。
やる気なさげなグラフィックと不条理ギャグという点で、通じるところがあります。
ギャグだけでなく出演者のみなさんも、豪華な面々です。
コンテ担当は、アニメーション作家の木下蓮三さん。
構成、企画は、放送作で「ワハハ本舗」を主宰する喰始さん。
音楽は、谷啓さんが作曲していますが、それよりなにより、「がちょ〜ん」や「びろ〜ん」などといったギャグのが収録されているのも見逃せません。
効果音は、当時、人間効果音として有名だったケント・フリック氏が担当。ただ、ゲーム中では、簡単な機械の作動音などでしか使われていないのが残念です。
そして、声の出演として、白石冬美さん。
「ワハハ本舗」から、梅垣義昭さん、佐藤正宏さん、吹越満さん、柴田理恵さん、久本雅美さんが出演。音質が悪いので、イマイチ誰だかわからないんですけどね。
ただ、ひとつ思うのは、このゲームを作っていた当時、これらの方々が、このゲームのことをどう思っていたのか考えると、気になって夜も寝られません。
また、このゲームには、違った楽しみ方も出来て、世界的に重要な建造物――自由の女神から、ベルサイユ宮殿、ピサの斜塔、ポチの小屋まで――を破壊できるのです。
実際、そのスイッチが何のスイッチだったのかは不明ですが、核実験場のパロディもあることから、なかなか意味深ではあります。
ともあれ、有名な建造物が、ビルの爆破解体よろしく崩れ去って行く姿は、爽快でもあります。
でも考えてみると、これってかなりの暴挙ですよね?
全て壊してしまうとゲームオーバーになってしまいますが、それまで30回はありますので、それを探すだけでも充分に楽しめると思います。
さらにこのゲームの深いところは、バカばっかりやっているわけではなく、虹が出たり、動物や魚のシャボン玉が出てきたり、星や電球が様々に輝いたりして、とてもメルヘンチックなところもあるのです。
こういうところは、癒し系でもありますね。
また、それとは対照的に、得体の知れない不気味な生き物が現れたりすることもありますが、この不気味なイっちゃってる生き物たちの姿は、一見の価値ありです。
クリーチャー好きの方は、ぜひご覧あれ。
ともあれ、このゲームをやる機会に恵まれた方は、ギャグを楽しんでやろうなどとは思わずに、息抜き程度でプレイすると、意外な面白さが見つかると思います。