ヘラクレスの栄光III

神々の沈黙


 発売   データイースト
 発売機種 スーパーファミコン
 ジャンル ロールプレイング

  ストーリー
 ――古のギリシア。
 天界に住まう神々と、その神々に見守られ、地上の楽園の中で穏やかに暮らす人間たち・・・。
 しかし、そのような安穏とした日々が、ふいに終える時を迎えようとは、誰に考えることができただろう!?
 欲望のままに暮らした人間たちは、いつか母なる大地を傷つけ、そして“死の世界”より這い上がってきた魔物たちに襲われることになる…。
 神々より見放され、魔物の恐怖に怯える人間たち!!
 そんな時、ある村のはずれに倒れていた一人の若者が、村人たちの手厚い看護の末に息をふきかえした。
 しかし、彼には、自分が誰なのか、どうしてそこにいるのか、思い出すことができなかった!?
 記憶をなくした若者、彼はいったい・・・!?

  システム
 典型的なフィールド型ファンタジーRPG。
 最高5人パーティー。
 何種類かある武器は、その特技を憶えていないと、うまく使いこなせない。
 戦闘で掛け声や、会話が表示されるのが特徴。

  レビュー

 その昔、ファンタジーといえば神話でした。
 その中でも、最も有名だったのがギリシア神話。
 実に人間臭い神々と、魅力的な数々の英雄や、異形の怪物たち。
 それらを題材に、全く新しい物語を創り出したのが、このシリーズです。

 マップのグラフィックだけを見ると、あまりとしませんが、RPGのキモは、感情移入シナリオです。

 主人公は、記憶を失った不死の身体を持つ男。
 主人公は、自分の記憶を探す旅に出て、主人公と同じように記憶を無くし、不死の身体を持つ2人の仲間と出会う。

 旅を続けるうち、どうやら自分たちが、神から重要な使命を負っていることを知らされるのだが――と、あとは、やってのお楽しみ。

 序盤中盤は、それなりに楽しいとはいえ、はっきり言って、ごく普通のRPGです。
 が、終盤急転直下ストーリー展開は、衝撃的!

 特に、主人公が何者なのかは、最後までわからないのですが、それを知った時自分が成さねばならない事こと、そしてエンディングでの主人公のありさまは、そんじょそこいらの「悪者倒してハッピーエンド」的なRPGとは、全く違ったものになっています。
 主人公への感情移入が強かった人には、愕然として、やりきれない思い捕らわれるのではないでしょうか?

 ゲームの中で語られている、母なる大地を傷つけた人間たちへの『報い』、そして人間たちの『償い』
 今の人間たちは、このケジメどうつけるつもりなのでしょうか?
 そんなことを考えさせられるゲームでした。


関連作品

「ヘラクレスの栄光」(ファミリーコンピューター)

「ヘラクレスの栄光 II(ファミリーコンピューター)

「ヘラクレスの栄光―動き出した神々―(ゲームボーイ)

「ヘラクレスの栄光 IV 神々からの贈り物(スーパーファミコン)



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