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――古のギリシア。 天界に住まう神々と、その神々に見守られ、地上の楽園の中で穏やかに暮らす人間たち・・・。 しかし、そのような安穏とした日々が、ふいに終える時を迎えようとは、誰に考えることができただろう!? 欲望のままに暮らした人間たちは、いつか母なる大地を傷つけ、そして“死の世界”より這い上がってきた魔物たちに襲われることになる…。 神々より見放され、魔物の恐怖に怯える人間たち!! |
そんな時、ある村のはずれに倒れていた一人の若者が、村人たちの手厚い看護の末に息をふきかえした。 しかし、彼には、自分が誰なのか、どうしてそこにいるのか、思い出すことができなかった!? 記憶をなくした若者、彼はいったい・・・!? |
システム
典型的なフィールド型ファンタジーRPG。 最高5人パーティー。 何種類かある武器は、その特技を憶えていないと、うまく使いこなせない。 戦闘で掛け声や、会話が表示されるのが特徴。 |
レビュー
その昔、ファンタジーといえば神話でした。
その中でも、最も有名だったのがギリシア神話。
実に人間臭い神々と、魅力的な数々の英雄や、異形の怪物たち。
それらを題材に、全く新しい物語を創り出したのが、このシリーズです。
マップのグラフィックだけを見ると、あまりパッとしませんが、RPGのキモは、感情移入とシナリオです。
主人公は、記憶を失った不死の身体を持つ男。
主人公は、自分の記憶を探す旅に出て、主人公と同じように記憶を無くし、不死の身体を持つ2人の仲間と出会う。
旅を続けるうち、どうやら自分たちが、神から重要な使命を負っていることを知らされるのだが――と、あとは、やってのお楽しみ。
序盤、中盤は、それなりに楽しいとはいえ、はっきり言って、ごく普通のRPGです。
が、終盤の急転直下のストーリー展開は、衝撃的!
特に、主人公が何者なのかは、最後までわからないのですが、それを知った時、自分が成さねばならない事こと、そしてエンディングでの主人公のありさまは、そんじょそこいらの「悪者倒してハッピーエンド」的なRPGとは、全く違ったものになっています。
主人公への感情移入が強かった人には、愕然として、やりきれない思い捕らわれるのではないでしょうか?
ゲームの中で語られている、母なる大地を傷つけた人間たちへの『報い』、そして人間たちの『償い』。
今の人間たちは、このケジメをどうつけるつもりなのでしょうか?
そんなことを考えさせられるゲームでした。
「ヘラクレスの栄光」(ファミリーコンピューター)
「ヘラクレスの栄光 II」(ファミリーコンピューター)
「ヘラクレスの栄光―動き出した神々―」(ゲームボーイ)
「ヘラクレスの栄光 IV 神々からの贈り物」(スーパーファミコン)