アースワーク
大地のいとなみ

ライアル・ワトソン
内田美恵
ちくま文庫



作品解説

 生物進化、偶然の一致、植物に意識はあるのか、テレパシー、水の不思議などなど――
 生命や地球の不思議を、過去の実験や観察によるデータを踏まえ、斬新かつ、穏やかに論じたライフサイエンス・ファンタジー

関連作品

同作者「未知の贈りもの」

同作者「ネオフィリア」

同作者「ロミオエラー」

感想など

 これは、目からウロコがこぼれ落ちるほどの作品です。

 たとえば、水の不思議。
 水なんて、どこにでもあるし、あって当たり前の感じがしますが、液体の時も、固体の時も、他の物質では当たり前のことが、水には通用しない。
 ほとんどの物質は、液体から固体になると、密度が高くなるため体積が減り、液体の底に沈む。
ところが水は、氷になると、体積が増え、上に浮く。
 このお陰で、海の水が全て凍りつくことはなく、生命は生きていける。
 はたまた液体の場合、普通の物質の法則に従うと、分子の数が少ないほど、液体の状態で存在する温度の幅が狭くなるらしいので、実際には水は、零下100度で凍り、零下90度で沸騰しなければならないのに、そうならない。
 そのおかげで、生命は生きていける。
 この宇宙の法則に反した『水』が、この地球に溢れているからこそ、全ての生命は生きていけるのです。
 これを奇蹟と言わずして、何と言うのでしょうか?

 他にも、人間は進化の上で、脳が出産に支障をきたすほど大きくなってしまったため、分娩可能な程度――他の動物に比べてみれば未熟な状態――で出産することにし、そのために、生まれた後で、親に依存する期間が著しく延びてしまったのだとか、
 弱い違った種類の生き物たちが互いに発している危険信号とはどんなものかとか、
 群れることで、その動物1匹の時よりも素早い反応速度が得られるのはなぜか、とか、
 群のある一定の数の動物が、生きて行くのに有効な行動をとりだすと、まったく関わりのない別の群でも、同じ行動をとる動物が出てくるのはなぜか、とか・・・

 動物や地球の不思議が、この本には、たくさん詰まっています。
 完全な結論は書かれてはいませんが、様々な事例や実験などから導き出される仮説は、この世の奇蹟と神秘を思い出させてくれる素敵なものです。

 もし日常や生活に疲れた時、この本を読むことで、奇蹟と希望を信じる心を取り戻し、癒されることがあるかもしれません。


ああ、ひとりぼっちじゃ
なかったんだね

伊藤守
ディスカヴァー21


作品解説 感想など
 今まで人に嫌われるのが怖くて 自分を偽って他人に合わせてばかりいた人、自分なんか生きる価値もないと思っている人、自分が不幸なのはみんなまわりの人間のせいだと思っている人、もし自分が他人から見て立派に見えるような人間になれば、人生の全てが上手く行くと思いこんでいる人、全てが怖くて現実からいつも逃げてばかりいる人・・・そんな人には、かなり染みる内容です。
 癒し系ですが、優しいだけでなく、時には厳しく突き放し、自分の力で立ち上がる勇気が必要なのだとも教えてくれます。


悪魔の辞典

A・ビアス
奥田俊介・倉本護・猪狩博
角川ソフィア文庫



刊 他

作品解説 感想など

 「インクの代わりにニガヨモギの汁を使用した」といわれる文章で、現代文明と人間性を風刺した辞典。

 日本人にはわかりにくいところもありますが、かなりの言葉が収録されていますので、充分楽しめるでしょう。
 風刺、皮肉好きの方は、ぜひ。


朝の少女

マイケル・ドリス
灰谷健次郎
新潮文庫



作品解説 感想など

 南の島に暮らす、純朴な家族のお話。
 その家族の互いを思いやる、心優しい姿が、とても純粋に描かれています。

 灰谷健次郎さんの解説にある通り、ほんとに純粋で、優しく、これほど美しく描かれた物語は、私も読んだことがありません。
 それもあいまって、ラストはかなり衝撃的なのですが、家族愛が薄れつつある昨今、お子様、親御さん、一緒に読んで欲しい作品です。


アルフ

ワーナー・ブラザーズテレビジョン
NHK 教育テレビ

制作
にて放送

解説 感想など

 ある日突然、普通の家族の物置にUFOが落ちてきて、中からカンガルーみたいな毛むくじゃらの宇宙人が現れた。
 その宇宙人は、そこの家族にかくまわれ一緒に暮らすことになるのだが・・・

 大食らいで、非常識な宇宙人が巻き起こす、ホーム・コメディドラマ。
 宇宙人のアルフ(本名:ゴードン・シャムウェイ)は、人間からしてみれば非常識なのですが、とても愛らしく憎めない存在です。
 所ジョージさんの吹き替えも、ハマっています。
 また、人間の非常識さを、宇宙人であるアルフが皮肉ることで、風刺されている部分は笑いもありますが、身につまされる部分もあります。


いいことはいつくるかな?

A・J・ツワルスキー
チャールズ・M・シュルツ
笹野洋子
講談社+α文庫


漫画

刊 他

解説 感想など
 スヌーピーの出てくるマンガ「ピーナッツ」をつかって、カウンセリングをしている精神科医の書いた本です。
 内容はもちろん、心の悩みについてです。
 このような精神カウンセリング的な本では、これまでの症例(実例)を挙げて、それにはどうしたらよいのか書いてある場合がほとんどですが、そういったものは、所詮、他人事ですし、全てが自分と同じ状況であるはずがありません。
 そして何より、そういう例を読むのは退屈です。
 ですが、この本は、ほんの短いマンガを読むだけで、今まで自分が悩んでいたこと、くよくよしていたことを、笑い飛ばせてしまうようになれます。
 まぁ、逆に言うと、所詮、マンガだと思う人もいるかもしれませんが、自分が真剣に悩んでいたこと、それに当てはまるようなことが、すでにマンガに描かれていたとしたら? 他の人も悩んでいるありふれた悩みなら、そんなに悩むことはないんだ、と、少しでも肩の荷がおりるような気がします。


イスとイヌの見分け方

きたやまようこ
理論社


解説 感想など

 イスとイヌの見分け方を、わかりやすく、かわいい絵つきの解説で、懇切丁寧に教えてくれます。

 イスとイヌなんて簡単に見分けられると思う あなた。
 以外にも、イスとイヌの共通点と言う物もあるんですよ。

関連作品

同作者「なかよし取扱説明書」
同作者「りっぱなイヌになる方法」


≪戻る≫