リチャード・バック |
作 訳 刊 |
リチャードとレスリーの乗った飛行艇が、ロサンゼルスの空港に着陸しようとしたその時、閃光とともに、2人は不思議な世界へと迷いこむ。 主人公の2人が、並行世界にいる自分たちと出会い、お互いに学び、助け合ったりする姿を見ていると、人間には様々な選択、可能性があって、それを選んでいくのは自分自身なんだということを教えてくれるお話です。 |
われわれはいいわけをすることもできるし、健康、愛情、長寿、理解、冒険、金銭、幸福を手に入れることができる。われわれはみずからの選択によって、自分の人生を設計していく。われわれがもっとも絶望にうちひしがれるのは、選択を怠ったとき、人生を自分で設計しなかったときなのだ | 自分で選んで間違ったのなら、まだ諦めもつくでしょうが、他人任せにしたり、みんながやってるからなどという理由でついていって、ふと気づくと、もうどうしようもないところまで来てたとしたら、悔やんでも悔やみきれませんよね。 まぁ、それもひとつの自分の選択なんでしょうけどね。 |
環境をつくりだすのは、われわれ自身である。われわれの生きる環境は、自分の価値にぴったりみあったものなのだ。自分のつくりあげた人生を、どうして恨むことができようか。いいも悪いも、すべてわれわれに責任がある。人生を変えるのも、自分自身だ。いつでも望むときに、われわれがそれを変えていく | なぜ自分は、今ここにいるのか? 生まれてきたのは、自分の意志ではない。 しかし、今いる場所、環境は、全て自分が選択してきた結果。 そして未来も。 |
偉大な宗教はすべて、光より発しておる。だが、光をとどめられるのは、ただ人の心のみ。経典のページではない | どの宗教であっても、本質や根本的なところでは、教えは共通しているはずなのに、人間たちの勝手な解釈やら、他の神を許せない心の狭さが、争いを引き起こしているんですよね。 なぜ個人ではなく、集団となると、神や人々、生命の尊さを尊重できないのでしょうか? 『神』って、人間の思い上がりの象徴かも。 |
全ての正しい事が書かれた本を手に入れた男が出てくる場面。 その本の通りにすれば、人間は平和に暮らせるというのに、その男は その本を燃やしてしまおうとします。 なぜなら、その本を世に出す事により、新たな宗教が生まれ、自分が望まなくても、争いが起こって、結局 世界が不幸になってしまうだろうと思ったからでした。 |
いくら正義を振りかざしたところで、人が今まで信じてきた自分の正義を、そう簡単に捨てられるはずがない。 外国では宗教ってのは、それだけ生活や人生そのものに密着しているんですよね。 でも、その宗教という執着から手を放すことができるかどうか、「かもめのジョナサン」や「イリュージョン」と通じる所があるのかもしれません。 |