人々 ―PEOPLES―

  

 この国の住民は単一の黄色人種で、髪と目の色は黒い。
 目は切れ長で、体毛は薄く、身長も西洋の人種に比べて低い。

 平均身長は、男性が 5フィート3インチ前後で、女性は 4フィート10インチ前後。

 手先が器用で、見事な工芸品を作り出す事でも有名である。

 成人男性は、のばした髪の毛を束ねて、頭の上に乗せる「丁髷(Chonmage)」と呼ばれる髪形をしており、女性は伸ばした髪を後ろで丸める「丸髷(Marumage)」と呼ばれる髪形にして、櫛や「簪(Kanzashi)」と呼ばれる装飾のついた棒で留めている。

 住居は木で造られ、ガラスは貴重品であるため、窓には紙がはられている。
 床には、乾燥させた植物を編んだ「畳
(Tatami)」というマットレスを敷き詰めている。
 屋根には、木や木の樹皮、乾燥させた藁などが使われるが、身分の高い者の家では、焼き物でできた瓦が使われている。

 寒い地域や大きな家には、部屋の中央に「囲炉裏(Irori)」と呼ばれる煙突のない暖炉があり、そこで暖を取ると同時に天井から鍋をつるして料理をする。

 また、この国では身分の違いにかかわらず、家(建物)の中では履物を脱ぎ、くつろぐ時には、畳の上に直に座ったり、寝転んだりする。
 そして夜 眠る時には、畳の上にマットレスをひいて、その上で眠る。


食生活、習慣

 この国の住人は、米を主食とするが、米だけを炊いて食べることは贅沢で、普通は麦や粟(Awa)、稗(Hie)などを混ぜて炊くか、粥にして食べる。
 貧しくて米が手に入らない者は、麦や粟、稗だけを炊いたり、粥にして食べる。

 野菜は、胡瓜、茄子、大根、ゴボウ、青菜、、里芋、豆などで、他に野草やキノコ、海草なども食べる。
 野菜の肥料には人糞が使われているため、大抵は生では食べず、熱を通すか、「漬物
(TSUKEMONO)」と呼ばれるピクルスにして食べた。
 しかしながら新鮮な魚貝類は、タコやイカでさえも好んで生のまま食べる。

 タンパク源は、魚介類、大豆、ニワトリの卵などで、猪や鹿、野鳥の肉を食べる事はあったが、基本的に牛やニワトリなどの家畜の肉は食べなかった。
 豚が家畜となるのは、まだ先の話である。

 調味料は、塩、砂糖、大豆から作った醤油や味噌、米から作った酢や味醂などが使われる。
 香辛料は、唐辛子、生姜、山椒などが一般的。

 保存食は、炊いた米を乾燥させた「乾飯(Hoshii)」、魚介類を乾燥させた「干物(Himono)」、野菜を塩や味噌につけた「漬物(Tsukemono)」、煮豆を発酵させて塩水につけ乾燥させた「寺納豆(Teranattou)」、豆腐を凍らせて乾燥させた「高野豆腐(Kouyadoufu)」などがある。

 この国では、ナイフとフォークの代わりに「箸(Hashi)」と呼ばれる2本の棒を片手でうまく使って口に運ばれる。


◆月の名前気候、行事

1月

睦月

(MUTSUKI)

 冬本番となり、とても寒く、雪が積もるほどに降る。
 北の地では、雪が30フィート以上積もる事もある。

 1〜3日までは「正月」といって、仕事を休み、家族そろって米を蒸して練った「餅」と呼ばれるものを食べて、新年を祝う。
 そして凧を揚げたり、独楽を回したり、羽根突きをして遊ぶ。
 特に1日は「元旦」と呼ぶ。

2月

如月

(KISARAGI)

 この月も、とても寒い。
 雪も1月と同じように降る。

 3日は、季節の変わり目ということで、「鬼は外、福は内」と叫びながら、家の中や外に乾燥させた大豆をまいて、家にいる悪い霊を追い出す「豆まき」という儀式を行う。
 これは坊主や神主ではない一般人でも、充分な効果がある。

3月

弥生

(YAYOI)

 上旬はまだ寒いが、下旬になると温かくなって、草木が芽吹き始め、桜も咲き始める。

 3日は、「桃の節句」といって、女の子供のためにお祝いする。
 裕福な家では、赤い布をひいた階段状の台に、王と王妃と、その家来たちの人形、そして家具などのミニチュアを飾る。

4月

卯月

(UZUKI)

 春になり、穏やかな気候で、とてもすごしやすい。

 この月になると桜が咲くため、人々は酒や食べ物を桜の木の下に持ち寄って「花見」というパーティをひらく。
 しかし「花より団子」ということわざがある通り、誰も桜の花など見ていない。

5月

皐月

(SATSUKI)

 桜は散り、木々には青葉が茂ってくる。
 気温も上がり、天気のいい日には汗ばむほどになる。

 5日は、「端午の節句」といって、男の子供のためのお祝いをする。
 裕福な家では、冑や刀、有名な侍の人形を飾る。

6月

水無月

(MINAZUKI)

 梅雨になり、雨の多い日が続く。

 「田んぼ」と呼ばれる、水をはった泥土状の畑に、稲の苗を植える。

7月

文月

(FUMIZUKI)

 中旬まで梅雨が続くが、その後は夏となり、晴れの多い暑い日が続く。
 下旬から、台風が上陸し始める。

 7日は、「七夕」といって、紙で作った飾りや願い事を書いた紙を、竹にクリスマスツリーのように飾り、お祝いをする。

8月

葉月

(HAZUKI)

 夏本番で、非常に暑い。
 湿気が多いので、蒸し暑い日が続く。
 夕方には、「夕立」と呼ばれる、スコールが降る。

 十五日から数日間は、大日教の行事で「盆」といって、先祖の霊が帰ってくるとされ、それを迎えるお祝いをする。
 お墓に行ってお祈りしたり、霊の乗り物になるようにと、胡瓜や茄子に棒で脚をつけて馬のようにする。
 地域によっては、火のついたランタンを川に流したりもする。

9月

長月

(NAGATSUKI)

 秋に入るが、まだ暑い日が続く。
 下旬には、だんだんと涼しくなってきて、すごしやすい日が続く。

 この月の満月の夜には、米の粉で団子を作ってススキとともに飾ってお祝いする。
 子供たちは団子を食べ、大人たちは「月見」といって酒を飲む。

10月

神無月

(KANNAZUKI)

 上旬は、涼しく、雨がよく降るようになり、一雨ごとに、肌寒くなってくる。

 米が実り、その稲を収穫するため、豊作を祝う秋祭りが各地で開かれる。

11月

霜月

(SHIMOTSUKI)

 だんだんと寒くなり、北の地や山の上では雪が降り始める。
12月

師走

(SHIWASU)

 かなり寒くなり、雪が降り始める。

 一年の終りということで、みんな忙しくなる。
 なぜなら、新しい年になれば借金が帳消しになるという習慣があるため、借金をした者は逃げ回り、商人とその使いはそれを追いかけるのに大わらわだからだ。

 28日は、「大晦日」といって、寺では年をまたいで108回鐘を鳴らし、人々は「年越し蕎麦」という麺を食べる。


歴史 ―HISTORY―

  

現地人に知られている歴史

 神話は、各地でいろいろと語られてはいるが、最も一般的なものは、神が天から降りてきて、この国に巣食っていた悪しき種族(鬼や妖怪)を駆逐して、人間の国を作ったという話である。

 その天から降りてきた神の子孫が、この国を支配する「天皇(Tennou)」であり、天皇に統治されたこの国は「神の国」である言い伝えられている。

 天皇による統治がある程度の地域に及ぶと、今度は天皇の地位を巡って親族内での骨肉の争いが始まった。
 その影響で天皇や貴族の力が弱まり、武力を持った武士、侍の力が強まっていった。

 そして今度は、武士たちによる権力争いが各地で繰り広げられ、征服されるべき土地は強い武士たちによって征服されて、現在は武力の拮抗に伴い、一時期の平和が保たれている状態にある。


≪戻る≫