1999 アトランティスのこころ"HEARTS
IN ATLANTIS"/長編小説
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初めてのキスは乾いていて、なめらかで、日ざしのぬくもりをたたえていた――1960年の夏、ボビー、キャロル、サリー・ジョンの仲良し3人組は11歳だった。夏に終わりがこないように、永遠に友情が続くと信じていた彼らの前に、ひとりの老人が現れる。 テッド・ブローティガン。 不思議な能力を持つ彼の出現を境に、世界は徐々に変容し始める。張り紙、路上のチョーク、黄色いコートの男たち。少年と少女を、母を、街を、悪意が覆っていき――。 あまりにも不意に、あまりにもあっけなく過ぎ去ってしまう少年の夏を描いた、すべての予兆をはらむ美しき開幕。 |