気象と健康

1. 気象と食中毒

 

注意報・・食中毒!!
 9月は食中毒患者件数が一年のピ−クを迎えます。
 日本の南岸に停滞する秋雨前線が南から北に移動する際、暖かく湿った空気が流れ込み、湿度が高くなり、病原菌が増殖しやすい環境になります。
 病原菌の大部分が15〜45度で増殖可能で30〜37度が最適温度となっています。
 長雨の時は比較的低温でも食中毒の危険性が高まるので注意が必要です。
 また、日本には、約2000種以上のキノコが存在し、誤飲等により、毎年キノコの採れる9月から10月にかけて食中毒が発生してます。
食欲の秋!!何でもおいしい季節ですが、食中毒にご注意を!!
 薬剤師、予報士として、天気と健康の関係を勉強中です。
ご意見、ご感想お待ちしてます。

                    1999/8/25      佐々木

 

2. 秋の紫外線にご注意!!

  秋といえば、運動会、ハイキングとアウトドアの季節ですが、UV対策も大切です。
 紫外線は、極度に浴びると皮膚ガンや白内障のリスクが高くなります。
 皮膚ガンは低緯度地方に多く、高緯度地方に少ない一方、色素の少ない白人には多いですが、有色人種では少ないです。
 国内でも九州地方では東北、北海道に比べ皮膚ガンの患者さんの割合が多いです。
 今後、オゾン層の破壊(既に地球全体で3%)により、紫外線が地表に高率に到達することが予想され、皮膚ガン患者さんが大幅に増加すると言われてます。

 また、薬の服用で日光過敏症をおこすこともあります。素材では、シルクは紫外線を非常に吸収しやすいので要注意です。反対に綿は紫外線をカットします。色は、白より黒がおすすめです。
 照り返しは、雪80〜95%、水面10〜100%、砂15〜20%、コンクロ−ト5〜6%、芝生1%です。
 反対に家に閉じこもっているとビタミンD不足になります。適度にUV対策をして、アウトドアをENJOYしましょう。
薬剤師、予報士として天気と健康について勉強中です。
ご意見、ご感想をお待ちしています。

                   1999/9/3      佐々木

3.食中毒注意報・・・解除されてません、ご用心。

食中毒予防について。
予防三原則
食中毒菌を@つけない、A増やさない、B殺す。です。
六つのポイント
@買うとき・・・新鮮なものを最後に買い早めに持ち帰る。
A保存するとき・・・冷蔵庫、冷凍庫にすぐ保存、容量の7割程度に。
B下準備をするとき・・・手をよく洗い、包丁、まな板、ふきん類は清潔にしておく。ゴミは菌の温床となるので、まめに処分する。
C調理するとき・・・十分に加熱する。中心部の温度が75度以上で1分間以上加熱すること。
D食べるとき・・・調理したらすぐに食べ長く放置しない。O157は室温で15分から20分のうちに約2倍に増える。
E残ったとき・・・清潔な食器で保存する。怪しいと思ったら捨てる。
 もし、腹痛、下痢などの症状がみられたら、できるだけ早く医師の診察を受けていつ頃から、どんな症状が出始めたか、どんなものを食べたかを報告して下さい。ということです。(以上、日本医師会企画ニュ−スより。)
 9月は、学校給食、運動会、結婚式などによる集団食中毒発生の機会が増加します。また、今年は熱帯低気圧の発生が顕著で高温多湿の空気が日本列島に流れ込み、食物中の微生物の発育に良好な状態が続き、食中毒が散発的に発生してます。
 引き続き、食中毒にご注意を。食欲の秋ですから、次は食べ過ぎ注意報発令??
皆様のご意見、ご感想お待ちしてます。
                                 1999/9/12  佐々木

4.気管支喘息と気象。

  気象との関連が特に注目されている疾患が気管支喘息です。台風の影響もあり、喘息患者さんの病院受診がこの時期増加しています。発作に気をつけて下さい。
 一般的に晩夏から初冬にかけて気管支喘息発作の最も多発する時期ですがこの時期に気温が低いと症状が多いようです。気象因子だけでなく都市により、成人か小児により違いがあるようです。
 気管支喘息の発症にはアレルゲンや気道の過敏症が重要な役割を果たしています。一般に喘息患者さんの多くは複数のアレルゲンに感作されています。主要なアレルゲンである室内塵(主成分のダニ)の影響を考慮して大掃除などに良い季節かもしれませんね。
 10月に入り、大陸から上空に寒気が南下し、気温が低くなっています。
喘息患者さんをはじめ、皆様、気をつけましょう。

                               1999/10/11  佐々木

5.登山にご注意!!

 11月に入り、冷たい北西の季節風が吹き、年末に向けて大陸の高気圧が勢力を強め冬山も一段と冷え込みます。すっかり紅葉したお近くの山にお出かけになる方も多いと思います。
 登山の際必要な医薬品をご紹介します。
風邪薬、解熱鎮痛剤、下痢止め、腹痛止め、消毒剤、ばんそう膏、湿布などです。
山の高さにもよりますが、備えあれば憂い無し?です。
 

 栄養分の補給も大切です。筋肉内のグリコ−ゲンが消費されると、血液中のブドウ糖がグリコ−ゲンに変えられて使われ、肝臓から糖分がエネルギ−として引き出され、血糖値が下がってしまします。
キャンディ−、チョコレ−ト、干しぶどう、乾燥プル−ンなどを持参されると良いでしょう。
 

 3500メ−トル以上の山の場合、高山病にご注意下さい。
頭痛、吐き気、呼吸困難、疲労感などの症状があります。
個人差が大きく、体力や年齢にはあまり関係がありません。
 一般的に女性の方が軽く、アルコ−ル摂取や身体的活動(大声を出したり、走ったり)によって促進されるので控えましょう。
下山すると症状は消えますが、高度を徐々に上げるなど注意しましょう。

 余談です・・・
私自身、先日、スイスのユングフラウに登った際、頭痛、耳鳴り、倦怠感(足が前に進みにくいなど)の症状が、ありました。チョコレ−トが一番重宝しました。
スイスチョコレ−トは、美味しかったです。
皆様、登山にはチョコレ−トをお薦めします。
                      佐々木  11月21日

6.インフルエンザの季節です

 かぜ症候群の原因の8割から9割がウイルスです。
  冬から春先に多発するインフルエンザウイルスは、低温低湿度の環境を好みます。
そのため、南半球では、7月から8月に多発しています。学校、職場、電車内で特に気をつけて下さい。冬は密閉した環境にいることが多く、感染の機会が増えます。暖房、大気汚染による咽頭の炎症の促進など要注意です。
  くしゃみや咳により鼻汁、気道分泌物は細かい粒子(目に見えない)となって飛び散ります。一回のくしゃみで約100万個、咳で約10万個の粒子が、飛び散り、近くの人は粒子を呼吸とともに吸い込む事になります。さらに、一度床に落下した粒子も乾燥し、再び空気中に舞い上がり、小さい粒子と共に長時間、浮遊し、人の呼吸器に侵入します。
  また、人間は上気道に侵入した異物を排除する働きを備えていますが、この機能が低温低湿度で低下してしまう為、排除できず、気道粘膜に定着し、感染を助長します。
  インフルエンザが流行すると肺炎や気管支炎による死亡率が増加します。特にお子様や高齢者の方は十分に気をつけて下さい。
今年も暖冬と聞きますが、去年のインフルエンザ大流行の件もあり、既にワクチンなども不足しているようです。
まずは、自分なりに出来る予防を心掛けましょう。
ウイルスを閉じこめた環境をつくらないようにこまめに換気しましょう。
風邪の予防といえば、ビタミンCです。食後にみかんなどビタミンCを含んだ果物など積極的に取りましょう。
個人的には、みかんの効果は高いと思います。去年の大流行時もみかん愛食者?(私を含め)たちは、元気そのものでした。いかかですか?
皆様、風邪知らずで冬を乗り切りましょう。

                                   1999/12/4      佐々木

7. 花粉症

 花粉症の季節がきました。
二月に入りますとスギ花粉の飛散が活発になりますが、花粉飛散量は前年7月の天候に関係するようで、今春の花粉飛散数は西日本が少なく(去年の2割程度)、東日本が多い(去年の2倍から7倍程度)予想になっています。
 花粉症に悩む人は国民の10〜15%に増えており、皆様、予防を心掛けましょう。
 花粉症の症状は、くしゃみ、鼻閉、目の充血などで風邪かなと思われる人も多いようです。
外出時にマスクを使ったり、帰宅時にうがいをするなども予防にかなり効果的です。
マスクで九割くらい花粉を防げるそうです。
 花粉情報をチェックし、外出を控えたり、窓を閉めるなど、花粉飛散予報を上手に利用して花粉シ−ズンを乗り切りましょう。
 また、花粉症かなと思われた方は、一度耳鼻咽喉科を受診されたほうが良いと思います。
スギ花粉のあとには、ヒノキ花粉も控えていますので自分に合った予防法(お薬なども)を見つけておきましょう。

                2000/1/30   佐々木

8.花粉症その2

 

花粉症全盛期です。
花粉症にお悩みの方、いかがお過ごしでしょうか?
今年は、当初の予想通り花粉飛散量は東日本では例年より多く西日本では少ない状況が続いています。
耳鼻科受診の患者数も比例しているようです。
花粉症は、突然発症するため風邪をひいたと思われる患者さんが多いです。
人は、何年も花粉に接触していると次第に過敏になり体内に特殊なたんぱく質がつくられます。
花粉とこのたんぱく質との結合が細胞で起こり炎症を引き起こす物質が放出されます。
その結果、目や鼻や喉に症状が出ます。
一般に、遺伝的にアレルギ−体質の人に起こりやすいと言われています。

花粉症には、抗アレルギ-剤が良く用いられます。
眠気や口渇などの副作用が、多くみられます。
花粉症のお薬もたくさんありますから自分に合ったお薬を探されるのが良いでしょう。
また、例年の症状が始まる1,2週間前から投与開始する予防薬もありますから、今後ひのき花粉に悩まされる方等は耳鼻科の先生にご相談されてはいかがでしょうか?

気象と健康の関係は、深く四季を通じて様々な病気と関わりがあります。
皆様、ご自分の体のリズムとお天気の関係を理解され、快適な毎日を送りましょう。

              2000/3/26 佐々木

8. 健康と梅雨の気象

 梅雨入り後、皆様いかがお過ごしでしょうか?
この季節、一番悩まされるのは、関節痛ではないでしょうか?
関節炎に影響を及ぼす因子として温度、水蒸気圧、湿度、大気圧が重要ですが、特に気圧低下と湿度上昇が同時に起こると関節痛の増強がみられるようです。
前線の通過直前と直後は、増強されます。
 個人差がありますが、夏の冷房の季節に関節痛が悪化する方も多いと思います。
急激な気温の低下は、良くないですから体を冷やさない様に注意しましょう。
 ところで梅雨には、一般的に2つ型があります。
陽性型は、西日本に多いですが、雨が激しく降ったかと思うと強い日差しが照りつけたり変化が多く、気温は高めです。
陰性型は、東日本や北日本の梅雨前半に多いですが、雨の降り方はあまり強くありませんが、雨や曇りの日が長く続き、気温は低めです。
 関節痛に悪い天気としてリウマチの患者さんは、雨の降る前、雨、曇り、低温の順に上げてます。
一方で、気温の低い冬に関節痛が軽減した話もあり、湿度が一番影響を及ぼすというデ−タからも梅雨は、一番要注意季節ですね。
部屋の除湿に心掛けるのも良いかと思います。
除湿機や布団乾燥機などを有効活用して快適に梅雨を過ごしましょう。

雨にぬれる紫陽花などを眺めると梅雨もいいかなと思いますが・・・
          

           2000/6/18  佐々木
  

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