白滝山



豊北町の東の屋根で油谷町、豊田町への境をなす海抜660メートルの連峰であって中国山脈の背をなしている。山肌は奇厳絶壁、見るからに重厚で一見霊山の趣が深い。山上に程近い位置に六メートルの白滝があり白滝山という。
滔々と流れる渓流には、幾多の小爆布等ありその流水は清冽の極みで河鹿が棲息し、その鳴く音の妙音は真に俗塵を洗うものがある。夏尚寒きこの山中には又岩ひばと石楠花の群生地があり、秋には万山紅葉して絶好のハイキングコースである。
山麓には四恩寺と称する小庵ある。住時中山忠光卿のゆかりの場所で、忠光終焉の地である長瀬の渓谷は、これより五六百米下った処に住時をしのぶ碑がここに淋しく立てられている。