ハムのトラブルQ&A

過去、私宛にメールで頂いたアマチュア無線でのATUの使用方法、電波障害等、このホームページについての不明な点(^^;にお答えする為にQ&Aを作成致しました。
他にもトラブルやわからないことがありましたら掲示板へ御記入下さい。私の知っている範囲内でお答え致します。又、技術的におかしいと思われるところがありましたらご指摘下さい。
(メールでのご質問は受付けていません。必ず掲示板へお願いします。2000/6/8)

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ATU(オートマチックチューナー)編
アンテナワイヤーを切換えたいのですが?
アンテナワイヤーと屋根の間隔がかなり狭くなるのですが?
両方の釣竿へのワイヤーの長さは同等でなければいけないの?
アース(カウンターポイズ?)の取り方が理解できないのです。
ATUアンテナ端子から長さの違うANTを2本張っても良いのでしょうか?
SG230はRigから送信すれば、勝手に同調が取れるのでしょうか?
SG230は制御ケーブルが必要でしょうか?電源供給??等
SG230に伸縮ポールを給電すればHFにQRV出来るのでしょうか?
ATU用のバーチカル(釣り竿)の作成方法を教えて下さい。
導電性のあるカーボンだと、なにか悪い影響があるのでしょうか?
「電圧腹」とはどういうことでしょうか?
ICOM AH-4用汎用コントローラを自作したいのですが?
インターフェアトラブル編
パソコンノイズがリグに侵入
テレフォンI
パソコンに基本波
ステレオアンプに私の声らしきものが聞こえて
アンテナ設置編
40m(7MHz)に常時QRVしたい
その他編
アンテナまでの ケーブルは3年〜5年で交換してしまうのですか?




Q.1
ベランダにSG230を付けワイヤーにてタワー(1.2m)に中継し反対の屋根にと思っています (ワイヤー約10から15m)がワイヤーと屋根の間隔がかなり狭くなるのですがいかがでしょうか?

A.1
出来るだけ空中線は障害物から離して設置しないと 本来の役目を果たしてくれません。 しかしATUは賢いのでSWRが高くても落としてくれますので大丈夫 だと思います。ワイヤーの長さが10mでしたら、ほぼ7MHzのフル サイズのダイポールアンテナ(1/4λ)と同じですので効率が良いと 思います。


Q.2
ATUを使用したアンテナスタイル集の釣竿(画像2番目)や釣竿2本(画像4番目)も気になるところなのですが、たとえば前者の場合アースの取り方、後者の場合ATUから両方の釣竿へのワイヤーの長さは同等でなければいけないのでしょうか?また、釣竿を垂直に伸ばした場合など

A.2
順番が逆になりますがATUをループアンテナとして使用した場合はアースが 不要となります。これはATUのアンテナ端子とアース端子で導線をつないだ 状態を示します。その導線の長さが関係するだけで、全長ですから片方が短くて も構わないと思います。導体の長さは10m程度あればいいと思います。
そして通常の釣竿アンテナの設置の場合のアースはベランダの場合は手すりに アースが取れればいいのですが、これはアパートの古い鉄筋構造の場合は手すり とアパート全体の鉄骨が溶接でつながっているので良好なアースが取れるのです。
一戸建ての家の場合はアースが取れにくいと思いますのでATUのアース端子に 10m程度のワイヤーをつないで適当に展開すればいいかと思います。 この場合、アース側のワイヤー本数は複数の方が取れやすいです。
それか地面にアース棒を打ち込んでとっても構いませんが、地中に何本も 必要となりますので大変だと思います(^^; 昔なら水道管にアースが取れたのですが、今はエンビパイプが主流の為、 無理です。ガス管は危険です(^^;
垂直に伸ばすアンテナについては、アンテナの周りに障害物が無いため SWRも下げやすいですし、アンテナ本来の役目にも効果があると思います。
アンテナスタイルについては、アパートの場合の設置例ですので垂直に立てる 事が出来ない為に水平にしてあるのです。垂直の場合、上の階の方への迷惑を 考えた為です。


Q.3
アース(カウンターポイズ?)の取り方が理解できないのです。自分なりに本やSG230などの取説をみて理解しようと頑張りましたが・・・・・本体のアース端子に何本も長さの違うラインを付けても良いのでしょうか?など

A.3
ここで言うアースは接地アンテナのアース側を示します。アースの取り方についてはA2.の通りですが、本やマニュアル類は、むつかしく 書いてあるのですが基本的にアンテナの理論から成り立っています。
例えば通常の7MHzのダイポールアンテナですと
(300/7.05MHz=42.5m)42.5mが7MHzの1λです。
1/4λは(42.5/4=10.6m)となります。
アンテナ側に10.6mとアース側に10.6mで1/4λのフルサイズ になりますので全長は21.2mとなります。
そのアンテナとアースの真ん中には給電点がくる訳です。
この場合で言えば給電点はATUのアンテナ端子とアース端子になります。
ATUはそのアンテナの長さが計算上合わない場合、自動で合わしてくれる 仕組みになっています。
詳細はATUって何ですか?を見て下さい。
アース端子に複数の長さが違うものをつけるのはATUがマッチングしやすく する為(良好なアースを確保する為)です。
通常、ATUは複数のバンドにQRV出来るようにして ありますので、その為、なかなかSWRが下がらない周波数も出てきます。
その補助の為に複数のアース端子で合わしやすくしてやろう(良好なアースの確保)と言う訳です。
アースについては、ATUの場合それほど神経質になる事もないと思います。


Q.4
ATUアンテナスタイル集の設置例に 「このアンテナは長さ10mから25mの細い導線を使用したものですが、 ローバンドには威力を発揮してくれますがハイバンドは 別の短めの7mから9m程度のエレメントを使用した方が飛びも良くなるようで す。」 との文がありますが、ATUアンテナ端子から長さの違うANTを2本張っても 良いのでしょうか?

A.4
別の長さに張ったアンテナがある場合はアンテナ端子から手動又はリレー等で使用するアンテナに切り替えないとダメです。
同じ端子から2本のアンテナが出ている時は、放射パターンが乱れて打ち消しあい等が発生し、まともに飛ばないと思います。
ローバンドとハイバンドの切替は実際、運用してみてから調子が悪ければ 2本張って切り替えた方がいいかと思います。
関連内容 Q.15

アンテナの切替(ATU)


Q.5
3.5MHzでテレフォンIが出てしまいます。
受話器から私の声が聞こえてしまいます(電話中でなくても)対策として、無線機との距離をはなしたりフェライトコアがなくフェライトバーを使い巻いてみましたが上手く行きません。 また、室内への引込みの下にTVがありTVIも出てしまいました(そのTVだけですが) LPF、コモンフィルターは付けています。 何か良い方法がありましたら教えて下さい。

A.5
テレフォンI等のインターフェア対策は試行錯誤がほとんどで アマチュア局は、自分で解決するしかありません。
(NTTに相談すれば対策部品もあるようです)
ATUの場合はATU本体のケーブルに対策があります。
私の場合はフェライトコアにケーブルを巻いて対策しています。


あとはホームページに載っている対策本を購入されていろいろと実験される方法が一番 いい方法だと思います。それかJARLで発売している対策本もあります。
フェライトコア等の入手方法ですがCQ誌の広告ページやトランジスタ技術の広告ページを探せば見つかるとかと思います。
私の場合は電話のモジュラーボックス内にフェライトコアを入れて電話線の 代わりに細い電線を巻いて対策をしています。更に電話本体の中 にも同様な対策をしています(^^;
TVIについてはTV線の引き込みと違うところから同軸ケーブルを引き込むとかTVアンテナから離してアンテナを設置する等の工夫も必要になります。
後はパワーを落とす消極的な方法しかないかも知れません。
最初はあまりパワーをかけずに運用して少しずつパワーアップして様子をみた方がいいかと思います。
それとSWRもこまめにチェックした方がいいです。SWRが高いとTVI等の元になります。
ATUは優秀なのですが万能ではないのでバンドによってはSWRが高いところもありますので過信しないでSWR計で測定しアンテナ長を変えてみる等の努力も必要です。


Q.6
パソコンに基本波が入ってしまいます。線という線にコモンモード対策を施しました。 しかし、100W送信どころか、10Wでも、送信すると、ハードディスクが勝手に動き出し、メチャクチャな動作をします。

A.6
私がする対策としては

  1. アンテナのSWRを計ってみる。
  2. 可能なら無線機とパソコンを少し離して位置を変えてみる。
  3. 無線機の配線を短くしてみる。出来ない場合は輪にしてみる。
  4. リグ内蔵ATUや室内カップラーを使用している場合は、そこからの 同軸ケーブルがアンテナとなっている可能性が高いので使用をやめる。
  5. 不要なシールドされていない線がパソコンから外に出ていないか チェックしてみる。パソコンの外部スピーカー等
  6. 現在使用しているパソコンのケーブルがネジ止めしてあるか確認する。
  7. マウスのケーブル等から拾っている可能性もあるので外した状態で送信 してみる。他にもキーボードとかディスプレィケーブル等。
    それかパソコンを起動後、全てのケーブルを一旦外して送信してみる。 (キーボード類は外すとフリーズするのでデータの保証はしません。)
    それでも異常な動きをするようだったらパソコン本体のシールドを疑う。
  8. アンテナの設置場所の変更や無線機の電源をパソコンと同じところから電源を取らない。
無線機からの不要輻射があれば当然、TVIやテレフォンIも発生していると思います。
パソコンに問題がある場合はどのケーブルから拾ってくるのか? 又はパソコン本体のシールドを疑ってみます。
私はベランダ内に21MHzのダイポールを張った時、TVI、テレフォンI 等、多数出ました(^^;元々ベランダ内に設置というのが至近距離だったので 当然なのですが..。
後日、ご連絡を頂き原因はキーボードから電波を拾っていたそうです。
キーボードを分解され、アルミ箔を敷かれシールドに成功。インターフェアは解決されたそうです(^^)


Q.7
ステレオのアンプにSSBの時だけ私の声らしきものが聞こえてきまして、、、(アンプのボリュームに関係なく)他の障害は一切ないのですが、運用周波数は6mです。

A.7
アンプIですね。このような対策はいかがでしょうか?

  1. 電波の侵入場所の特定の方法はアンプからスピーカーコードを外してヘッドフォンで聞いてみて、それでも声が聞こえるなら直接、電源コードや他のリード線から の混入と思われます。それで止まればスピーカーコードだと思われます。
  2. スピーカーコード、リード線に対策をする場合はフェライトコアに スピーカーコード等、原因となっていると思われるコードを巻き付けます。 フェライトコアは棒状の方がいいと思いますがなければ、どのような形状でも いいと思います。
  3. 他にはスピーカーコード類をシールド効果の高いものに交換する。
  4. それかスピーカーコード類を束ねたり、引き回し位置を変えてみる。
  5. 電源コードの場合は無線機と違うところから電源を取る。又は2.と同様な 対策をしてみます。
フェライトコアの入手方法はCQ誌、トランジスタ技術等に広告があります。 又は、近所のハムショップへどうぞ。


Q.8
ベランダにアースが取れないので(たぶん! 手すりがアルミなので) 他のANTも無理でしょうか? HFが好きなもので最低でも40mには常時QRVしたいのですが、、、 ベランダにあるコンセントのしたにあるアース端子に、アース落としてもだめな んでしょうかね? できればモービルホイップでひっそりとQRVしたいのですが。

A.8
メーカー製のHF小型アンテナではアースが 不要な製品も多くありますが、短縮率が高い為に40mはあまり期待できません。マッチングする為にコイルを多用し効率が悪いアンテナになっています。但し、電磁界型のアンテナ(ループ型)は効率がいいようです。 (関連記事)
市販品ですがインターネットの場合、私のアンテナメーカーリンク集をご覧頂ければ見つかると 思います(^^;
自作される場合はベランダ内ですと場所が制限されますので40mの場合、 ダイポール等は設置がむつかしいと思います。
アパートの前に立ち木等があれば簡単なダイポールが張れますが、そんな恵まれた環境の方も少ないと思います。
ATUを使用すればアースもあまり考えずに比較的効率がいいアンテナが 出来ると思います。
御参考までに各局(アパマンハム)の設置方法が原岡OMのアパマンハムスタイル集 にありますので是非、ご覧下さい。
ベランダ内のアース端子は保安用と考えられた方がいいと思います。
私も以前、そこにアースを取っていたのですが、逆にそこまで引き回した結果、 アース線に電波がのりインターフェアの原因となった事がありました。
アパマンハムでは短距離(1m以内)で良好なアースを取るのが不可能ですから 取らない方が良いと思います。


Q.9
SG−230のコントロールはどのように行うのでしょうか?
汎用タイプの野外型チューナーなので、Rigから送信すれば、勝手に同調が取れるのでしょうか?

A.9
その通りです。
HFリグのパワーを感知して最適なチューニングをします。
感知範囲はメーカー説明ですと3W〜150WPEP(200WPEPもあり)となっています。
送信の方法はCWのキーダウンかマイクに向かって口笛を吹く等して 送信します。数秒でチューンが取れます。
他の操作は必要としません。


Q.10
RigとSG230の間に同軸ケーブルの他に制御ケーブルが必要でしょうか?電源供給??等

A.10
制御ケーブルは下記の通りです。

+12VDC(ATU用の供給電源、リグと同じ電源でOKです。)
DCアース ( 〃 マイナス)
黒/白 チューン (チューンが取れた時にLEDが接続してあると点灯)
赤/白 チューンロック、リセット (+12Vでロック、アースでリセット)

実際に必要なのは「」の12VDCと「黒」のアース、それと 「黒/白」のチューンLED点灯で大丈夫です。
LEDの取付はシンプルで「」と「黒/白」につなぐだけでチューンが 取れた場合、点灯します。尚、ベランダの手すりに取り付けた場合等で、 アースが取れる場合もありますので「黒」も不要の場合もあります。
(リグと同じ電源ですと同軸ケーブルのアース側で取れますので不要です)
」の電源だけでも動作すると思いますがチューン点灯は確認できた方が いいと思います。
「赤/白」のロック機能、リセット機能は無くても大丈夫でした。
制御ケーブルを用意される場合は4芯くらいのケーブルを使用されれば充分です。
シールドされたケーブルがFBです。入手先はハムショップや日曜大工店等です。 ちなみに純正のケーブルが2.8mありますが足りないでしょう(^^;
シールドされていないケーブルだとその線がアンテナの一部となり不要輻射の原因となるかも知れません。
それと同軸ケーブルも必要長用意されて下さい。

※シールド線は同軸ケーブルで使用されているアースと同じ意味です。
コントローラーのアース線として使用されてもいいですし、既にアースとして本体とコントローラーに他の線を使用して接続されている場合はシールド線も一緒に接続してアースに落とせばいいかと思います。
マイクケーブルを自作される場合もシールド線を使用してアース側に接続しますが、同じ考え方でいいかと思います。

Q.11
現在はベランダから、全長5.2mの伸縮アルミポールを使用して50M、430Mの アローラインを使用しています(伸縮ポールは2本)ひよっとしたら、 SG230にこの伸縮ポールを給電すればHFにQRV出来るのでしょうか? 伸縮ポールは、接合部分が不安定になるのでANTしては使用しない方が良い気がしますが。特大のロッドANTと無理矢理思いこんで。

A.11
伸縮ポールをアンテナとして使用する場合は周りにSWRを悪化させるものが なければ可能だと思いますが、実際のところポールがアンテナのエレメントと して使用される事になるとベランダ内ですので電気的にもよくありませんし、 人が容易に触れるところですので電波法的にもやめた方が無難です。
SWRも下がらないと思いますし、仮に下がってもATUは賢いので他の何か(ベランダの手すり等) をアンテナとしている可能性もあります。そうなるとTVI等の障害を発生し かねません。
ちなみに接合部分は電気的につながっていれば問題はないと思います。
障害物の無い野原等でポールにロープを張って一時的に固定する等の移動運用 なら充分可能でしょう。でも今回の場合はベランダ内ですので。


Q.12
ATUを使用してQRVしたい周波数は、7M、14M,21M、28M、(可能で有れば3.5M)です
バーチカル(釣り竿)の作成方法を教えて下さい。
●特にSG230を使用した給電部の取り回しをお願いします。

A.12
私のホームページの「ATUを使用したアンテナスタイル集」をご参照願います。 わかりにくいのですが、釣竿の釣糸の代わりにビニール線を通しているだけです。
又は、釣竿に約20cmピッチに2mm程度のビニール線を軽く巻き付けます。
釣竿アンテナは風が強いときは縮めて収納すれば問題ないと思います。又、夜間だけ伸ばせば目立ちません(^^;

釣竿アンテナのベランダへの固定方法ですがロープ等で固定する方法もありますが船釣などで使用される釣竿用の固定金具を使用されている方もおられます。
給電部は簡単なネジ止めとなっていますので、そこにアンテナ線をつけますが アンテナ線が直接、ベランダ内の金属部分に触れないようにビニール線等の コーティング(絶縁)されたアンテナ線を使用します。
特にベランダの手すりに接触しないように注意します。ビニールひも等で吊る したり工夫してみて下さい。

問題のQRVできるバンドですが、5m程度の釣竿でしたら全てのバンドに同調できるのですが、バンドによってはSWRが完全に落ちきれない場合もありますので、アンテナ線の長さを変えてみるなどのカット&トライも必要です。設置場所にお困りの時はスモール・ループ等がお勧めです。


Q.13
無線のアンテナまでの配線についてですが、ふつうアンテナまでの ケーブルは3年〜5年で交換してしまうと聞いたのですが、 これは、劣化により絶縁が保たれなくなってしまうからですか?

A.13
この同軸ケーブルの話は二通りの意見がありまして、定期的に交換しないと いけないとか交換しなくてもSWRが悪化した時点で交換すればいいの意見 があります。
私の場合は同軸ケーブルが劣化する等のトラブルを起こした事はありません。

もし劣化するとしたらアンテナ等を取り付ける際に同軸ケーブルのコネクター 部分の防水が不充分な為に雨水が侵入し錆びが発生し劣化すると思います。
同軸のコネクターには自己融着テープを巻き完全に防水処理を行えば錆びる ことはないと思います。
尚、ご存知だとは思いますが自己融着テープは通常のビニールテープと違い ますのでご注意願います。
あとは紫外線や太陽熱による劣化があると思うのですが同軸ケーブルの場合は 表面が変質しても中身は異常があることは少ないのです。
他には同軸ケーブルに傷が入り、そこから雨水が侵入する事があると思います が同軸ケーブル自体とても強いので大丈夫だと思います。

交換するかしないかは、その人の気持ちの問題だと思います(^^;

たまにはアンテナのSWRを測り異常がないかをチェックする方が重要だと 私は思います。


Q.14
釣り竿にはカーボンとグラスファイバーがありますが、いわゆる、釣り竿バーチカル+ATUを製作するにあたり、導電性のあるカーボンだと、なにか悪い影響があるのでしょうか?

A.14
実際にカーボンの釣竿を使用した事がないので御参考程度に思って下さい。(^^; アンテナ線は「導体」が必要になります。当然ですよね。
釣竿にビニール線等のアンテナ線を使用したグラスファイバー竿の場合は、 ほぼアンテナ線の長さの動作をすると思います。

カーボンの場合、注意書きとして「落雷に注意」等の事が書かれています。
導電性があるので、これにアンテナ線を巻いたり釣竿に通した場合は直接、 電気的に接触していなくても「導体」に「導体」を巻く状態になるので計算 上のアンテナ長が出ないだけでなく干渉しあってアンテナとしての正常な動 作をしないと思います。
グラスファイバー等の導電性がないものを使用した方が無難でしょう。


Q.15
ATUのアンテナに使用しているワイヤーをローバンド用とハイバンド用に切換えて使用したいのですがどのような方法がありますか?

A.15
Q.4と同じ回答になるのですが、実際にアンテナを切換える方法の前にもう一度、その必要性を考えられてどうしても必要であれば下記の方法があります。
(手動)
ナイフスイッチというのをご存知でしょうか?。その昔、テレビアンテナを切換える為に使用されていたものです。名前の通り形状がナイフの形をしているもので昔のブレーカにも似ています。これをATUとアンテナワイヤーの間に挿入して運用の都度、切換えを行います。
(リレーによる方法)
これはナイフスイッチの代りにリレーを使用するものです。リレーについてはAC250V、10A程度の電力リレーが必要です。型番としてはオムロンのLY2があります。原理は単純でリレーに電圧がかかると中の接点が切り換わるというものです。これだったら室内からリモートで切換えが可能です。
ただリレーの場合は外に出ていますので何らかの防水ケースを用意されて下さい。特別なものは必要ありません例えば食品パックとかを利用されれば安価に製作が可能です。
又、リモートで行う場合はリレーの電線に電波がのってTVI等の可能性もありますのでインターフェア対策としてフェライトコアの挿入をお勧めします。

Q.16
パソコンのノイズがリグに入って困っています。

A.16
パソコンも電波を発射していますので逆に無線機の方にインターフェアが発生する場合も珍しくありません。又、テレビにもインターフェアが発生する場合があります。
この場合はパソコンのどの部分から発射されているか特定する必要があります。メーカー製のパソコンは電波障害を出さないように注意されて製造されていますが自作のDOS/Vパソコンの場合は対策はあまり考えられていません。
特にパソコンの本体のシールドが悪いとかビデオカードからディスプレィにかけての障害が多いようです。
原因の特定方法ですが、パソコンの電源を入れて周辺機器のケーブルを1本ずつ外してみます。例えば、ディスプレィケーブルとかモデムケーブルとかです。それでケーブル類を外してもまだ障害が発生する場合はパソコン本体のシールドが悪いと思われます。
割と多いのがディスプレィ関係の電波障害です。
私の経験ではディスプレィ本体が原因の事もありました。その場合はディスプレィ側につながっているケーブルの根元にフェライトコア(スナップオンチョークやTDK製のケーブル用対策品等)を使用して止める事が出来ました。
他にはディスプレィケーブルがパソコン本体にちゃんとネジ止めされてない場合も発生した事があります。意外と見落としがちなのですがドライバーでネジ止めをしたら止まりました。
ディスプレィと無線機を同電位にする事で抑える事が出来ます。 電位差があっても障害は発生します。
パソコンのケース本体はシールドのしっかりしたものを選び、ケーブル類に関しても安価なノーブランドのものでなくメーカー製のシールドが高いものをお勧めします。

Q.17
電圧腹」とはどういうことでしょうか?電流腹とどうちがうのでしょうか?よく電波は電流の腹に乗せてやるとよく飛ぶ、などといわれることを耳に致しますが、どういうことなのでしょうか?

A.17
なかなかアンテナ理論はむつかしく私も文面では説明しにくいのですが この場合は「アンテナの励振」の事になります。
導線が共振すると導線上に同じ大きさの進行波、反射波が生じます。 これらが互いに干渉し合って、その結果、導線上の電流は中央で最大になり両端で最小になります。
また電圧はその逆に両端で最大、中央で最小となります。 そのアンテナ導線をその電流腹点(電流給電)と電圧腹点(電圧給電)につなぐ 2通りがあります。
7MHzで1/4λのDPの場合は電流給電で、その長さのアンテナを2倍の高調波アンテナ として使用する14MHzは、この腹点が逆転し電圧給電となります。
つまり電波の乗り方が高調波アンテナとなる為にその給電点の位置によっては電流給電、電圧給電となる訳です。 電圧給電となった場合、高い電圧がATUを直撃する為に注意が必要な訳です。 この説明についての詳しい本についてはCQ出版から「アンテナハンドブック」 が以前、発行されていました。他にはアンテナ製作の本を探せばあると思います。


  Q.18
ICOM AH-4用汎用コントローラを自作したいのですが?

A.18
私はAH−4を使用していませんがAH−4もSG230と同様、他の無線機メーカーでも使用できるATUです。但しコントローラーを自作しないといけません。原岡OMのアパマンハムスタイル集 のHFアパマンハムのページに回路図を含めた詳細な記事がありますので、そちらをご覧下さい。