佐波川関水
佐波川関水(さばがわせきみず)とは・・・
文治2年(1186年)東大寺再建の際、重源上人は徳地を訪れ、建築用材を伐採し筏を組み佐波川の流れを利用して防府の海まで運搬しました。
水深の浅い処は、水かさを増すため、水をせき止め、その一隅に幅3m、延長46mの水路を作り、川底を石畳とし、流木しました。これを関水(せきみず)と言います。
当時は28箇所もあったと言われるこの関水も、今では一箇所しか残っていません。
僧取淵(そうとりぶち)
文治5年8月2日、重源上人の愛弟子蓮華坊(れんげぼう)が、筏に乗って指揮をとっている時、筏が大岩に激突、縄が切れました。蓮華坊は不幸にも淵に沈み、材木の下敷きとなって、命を落としました。
この淵を「僧取淵」、筏が衝突した岩を「僧取岩」と言います。
そして蓮華坊の命を奪った筏は「坊主木」(ぼうずぎ)と呼ばれ、今でも川の底に埋まっています。
800年の時を超え、朽ち果てずに川底に眠る坊主木・・・昔は大雨の時には、時々一部が見えていたそうですが、ダムが出来てからは見られなくなったそうです。
干ばつの年には、この坊主木を動かすと、雨が降るという、雨乞いの行事も伝えられています。
僧取淵と僧取岩
Kanaより一言! 僧取淵の水面は、吸い込まれそうなくらい深くて、澄んでいて、美しいです。河原に降りていけますので、お弁当でも持って、ノンビリされてはいかがでしょう?幹線道路からは外れていますし、人も車もあまり通りませんから、驚くほど静かですよ。周りは高い山々に囲まれており、夏は涼しく、秋は紅葉が美しいです。
交通アクセス 少し分かりにくい場所にあります。国道489号線を「長者ヶ原」「国立山口徳地少年自然の家」に向かって曲がると、500m位先に「佐波川関水」の標識がありますので、左折して下さい。少し狭い旧道沿いにあります。