□高度情報処理技術者試験の論文集  AN−システムアナリスト−過去問題&論文例




年度
設問タイトル 論文例
H18
情報システム投資の中長明計画の策定について -
競争力強化のための情報システム化案の作成について -
業務統合におけるシステム化計画の策定について -
H17
情報システム部門の役割の変化に対応した人材の確保・育成計画について -
IT基盤の整備計画について 516, 547
中期経営計画の変更に対応した情報システム計画の見直しについて 553
H16
業績評価指標を総合的に取り扱うシステムの立案について 497
国内外でビジネスを展開する企業における情報システムの統制について -
部門間にまたがる業務プロセスの"あるべき姿"に基づいた改革の立案について 433, 489, 469, 520, 498, 503
H15
新規ビジネス立上げに必要な情報システム投資計画の策定について 363
企業の枠を超えた業務プロセスの統合について 412, 475
ビジネスの変革のためのITの活用について 414, 426, 521
H14
ビジネススピードの向上を目指す IT 戦略の立案について 478, 514, 550
情報システムの全体構想の立案について -
統合型業務パッケージの導入計画立案について 425
H13
情報戦略の策定について 191, 368
インターネットを活用した情報システムの計画策定について -
業務プロセスの再設計について -
H12
インターネットをビジネスに活用する情報戦略について 125, 146, 157
情報を共有し活用するシステムの計画策定について 121, 151, 152, 196, 399
情報システムのパイロット開発・導入について 169, 400
H11
情報システム部門の役割の見直しについて 129, 141
ERP パッケージの導入計画の策定について 176
システム開発計画における新技術の導入検討について -
H10
システム化範囲の策定について 164
ネットワークシステムのリスクマネジメントについて 133
システム開発における SI ベンダの活用について -
H9
情報戦略の策定について 153, 162
情報システムの中長期計画の策定について 132, 139, 339
基幹業務におけるクライアントサーバシステムの導入計画について -
H8
適用業務システム開発における業務の見直し計画の立案について 142
情報リテラシの向上について 150
適用業務システム開発でのソフトウェアパッケージの利用計画の立案について 154
H7
開発計画策定における合意形成について 160, 193
情報システム部門の役割について -
情報システム基盤の整備計画の策定について 166, 173
H6
情報戦略の企画について 144
費用対効果の評価について 155
システム開発における新技術・新製品の導入計画について -



H18−問1 情報システム投資の中長明計画の策定について

 企業では,情報システム投資の中長期計画の中で,数年間の情報システム投資の優先順位を明らかにする。 システムアナリストは,経営戦略を踏まえて,投資すべき分野や配分を検討した上で,各部門から出された情報システム化案件を選別し,経営戦略上不可欠な案件を加味して情報システム投資の中長期計画を策定する。 その際,例えば,次のような観点から案件を評価することが重要である。

 システムアナリストは,情報システム化案件の重要度,緊急度,戦略性,投資額と期待効果などを総合的に評価して,中長期計画を策定しなければならない。 その際,定性的な項目についても客観的な評価ができるように工夫をすることで,経営戦略を踏まえた投資額の妥当性や優先順位の根拠を示すことが重要である。
 あなたの経験と考えに基づいて,設問ア〜ウに従って論述せよ。

設問ア あなたが策定に携わった情報システム投資の中長期計画の概要を,背景にある経営戦略とともに,800字以内で述べよ。
設問イ 設問アで述べた計画の策定に当たり,経営戦略を踏まえて,情報システム化案件をどのような観点で総合的に評価し,投資額や優先順位をどのように決定したか。あなたが特に重要と考え,工夫した点を中心に,具体的に述べよ。
設問ウ 設問イで述べた計画の策定に当たって工夫した点について,あなたはどのように評価しているか。また,今後改善したい点は何か。それぞれ簡潔に述べよ。


H18−問2 競争力強化のための情報システム化案の作成について

 昨今,競争力強化のためにITを活用して,ビジネススピードの向上,新たな顧客サービスの提供,業務コストの大幅な削減などへの取組が行われるようになっている。
 システムアナリストは,競争力強化のために,次のような情報システム化案を作成する必要がある。

 システムアナリストは,このような情報システム化案の作成に当たって,ITを活用した業務プロセスを再設計する必要がある。 業務プロセスの再設計においては,顧客から見た価値を高めるという視点で必要業務を抽出して付加価値を生まない業務を見直すこと,複雑な判断や専門的な作業の一部をITに置き換え業務を高度化すること,などの工夫が重要である。
 あなたの経験と考えに基づいて,設問ア〜ウに従って論述せよ。

設問ア あなたが作成に携わった競争力強化のための情報システム化案について,背景となった事業の競争状況及び事業の課題を,800字以内で述べよ。
設問イ 設問アで述べた事業について,どのような競争力強化のための情報システム化案を作成したか。その作成に当たり,ITを活用した業務プロセスの再設計において,あなたが特に重要と考え,工夫した点とともに,具体的に述べよ。
設問ウ 設問イで述べた情報システム化案の作成について,あなたはどのように評価しているか。今後の課題とともに簡潔に述べよ。


H18−問3 業務統合におけるシステム化計画の策定について

 近年,部門ごとに実施されていた受注業務の集中,グルーブ企業全体での共同購買,人事や経理のシェアードサービスなどの業務統合が増えている。
 このような業務統合において,経営層や企画部門などからは,業務効率向上の目標として,業務処理日数,サービス間始時期などが提示される。 システムアナリストは,それらの業務統合の目標達成に向けてシステム化計画を策定する。
 業務統合におけるシステム化計画の策定では,統合後の新たな業務プロセスとシステムの全体像,新規開発や部分改修などのシステム開発方針,既存システムとの連携方針,マスタスケジュール,体制などを明確にする必要がある。
 システム化計画の策定に当たって,システムアナリストは次のような点に考恚することが重要である。

 あなたの経験と考えに基づいて,設問ア〜ウに従って論述せよ。

設問ア あなたが策定に携わった業務統合におけるシステム化計画について,背景となった業務統合の概要及び目標を,800字以内で述べよ。
設問イ 設問アの業務統合において,あなたはどのようなシステム化計画を策定したか。あなたが業務統合の目標を達成するために,特に重要と考え,工夫した点を中心に,具体的に述へよ。
設問ウ 設問イで述べたシステム化計画について,あなたはどのように評価しているか。また,今後改善したい点は何か。それぞれ簡潔に述べよ。


H17−問1 情報システム部門の役割の変化に対応した人材の確保・育成計画について

 最近,情報システム部門の役割を見直す企業が多い。 例えば,コアとなる事業や部門に人材を集中させるために,情報システム部門の企画機能だけを自社に残し,大部分の業務をアウトソーシングする企業がある。 また,ITを戦略的に活用するために,従来のシステム構築中心の情報システム部門に,経営戦略立案に参画させたり,業務プロセス改革推進の役割をもたせたりする企業もある。
 このような情報システム部門の役割の変化によって,情報システム部門の人材に求められる知識や能力が変わるので,新たな人材の確保や育成が必要になってくる。
 システムアナリストは,まず,情報システム部門の役割の変化と将来の方向を見据えて,情報システム部門に求められる役割を果たすことができる新たな体制や人材像を定義する必要がある。 その上で,現状と新たな体制や人材像とのギャップを埋めるために,人事部門と協力して,次のような方策を検討し,人材の確保・育成計画を策定しなければならない。

 あなたの経験と考えに基づいて,設問ア〜ウに従って論述せよ。

設問ア あなたが携わった情報システム部門の人材の確保・育成計画の策定において,背景となった情報システム部門の役割の変化の概要と,変化に対応した新たな体制と人材像を,800字以内で述べよ。
設問イ 設問アで述べた事例において,あなたはどのような人材の確保・育成計画を策定したか。あなたが特に重要と考え,工夫した点とともに,具体的に述べよ。
設問ウ 設問イで述べた人材の確保・育成計画の結果について,あなたはどのように評価しているか。今後の課題とともに簡潔に述べよ。


H17−問2 IT基盤の整備計画について

 近年,企業ではオープン系システムが導入の手軽さから多数採用されてきた。これらのシステムは,それぞれに異なるプラットフォームや開発環境で構築されることが多く,開発や運用のコストが高くなったり,障害発生やセキュリティのリスクが増大したりする傾向がある。 また,既存システムとの連携が複雑になり,新しいシステムを導入するときに,時間とコストがかかるようになってきた。これらを避けるには,プラットフォームやネットワークの整理,システム間の連携方式の標準化,開発や運用の標準化,セキュリティ対策などのIT基盤の整備を行うことが重要となる。
 IT基盤の整備には,開発や運用のコストの低減,障害発生やセキュリティのリスクの低減などのねらいがあり,同時に,ビジネスの変化に対応できる柔軟性や拡張性の確保にも配慮する必要がある。したがって,IT基盤の現状の問題点を分析するだけではなく,ビジネス戦略を理解した上でIT基盤のあるべき姿を考えることが重要である。 システムアナリストは,次のような点に考慮して,IT基盤の整備計画を作成しなければならない。

 あなたの経験と考えに基づいて,設問ア〜ウに従って論述せよ。

設問ア あなたが携わったIT基盤の整備計画について,そのねらいと計画が必要になった背景,実現を目指したIT基盤の概要を800字以内で述べよ。
設問イ 設問アで述べた事例において,あなたはどのようなIT基盤の整備計画を作成したか。また,計画の作成に当たって,ビジネスの変化に対応できる柔軟性や拡張性に配慮し,ねらいどおりの効果を得るために,あなたが特に重要と考え,工夫した点は何か。それぞれ具体的に述べよ。
設問ウ 設問イで述べたIT基盤の整備計画について,あなたはどのように評価しているか。今後の課題とともに簡潔に述べよ。
論文例  論文例


H17−問3 中期経営計画の変更に対応した情報システム計画の見直しについて

 多くの企業で,経営戦略に基づいた中期経営計画と情報システム計画が策定され,実行されている。
 昨今,経営環境の激変を背景に,中期経営計画の変更が度々行われ,計画中又は開発中の情報システム化案件の内容も大幅に変更されるなど,情報システム計画は大きな影響を受けている。 しかし,情報システム計画は,基盤整備やアプリケーション開発などに一定の期間と投資を必要とするので,変更できないこともある。 また,変更した場合には,投資計画を大幅に見直さなければならない。
 そこで,システムアナリストは,中期経営計画の変更に対応して,関連部署と調整し,投資効果などを再検討して情報システム計画の見直しを行う必要がある。 その際,次のような点を考慮して見直し案を作成し,経営者の判断を仰がなければならない。

 あなたの経験と考えに基づいて,設問ア〜ウに従って論述せよ。

設問ア あなたが携わった情報システム計画の見直しについて,背景となった中期経営計画の変更内容と情報システム計画への影響を,800字以内で述べよ。
設問イ 設問アで述べた事例において,あなたは中期経営計画の変更に対して,どのような情報システム計画の見直し案を作成したか。あなたが特に重要と考え,工夫した点とともに,具体的に述べよ。
設問ウ 設問イで述べた情報システム計画の見直しについて,あなたはどのように評価しているか。今後の課題とともに簡潔に述べよ。
論文例


H16−問1 業績評価指標を総合的に取り扱うシステムの立案について

 近年,多くの企業では,統合基幹業務システムをはじめとする様々なシステムが整備され,企業活動に関するデータが統合的に収集,管理できるようになってきた。
 しかし,厳しさを増す企業間競争に打ち勝つためには,更に,企業活動に関するデータから,様々な活動目標の達成度を分かりやすい形で経営にフィードバックし,迅速で的確な経営判断に役立つシステムを実現する必要がある。 具体的には,組織や管理レベルごとの活動目標に関するKPI(Key Perfomance Indicator)などの業績評価指標を設定し,達成度の把握に必要なデータを収集し,加工・編集するシステムが考えられる。 業績評価指標としては,事業単位別・顧客別の売上高や利益率,生産リードダイムや納期遵守率,製品の不良率や顧客からのクレーム数などがある。 このような業績評価指標を総合的に取り扱うシステムを立案する場合,システムアナリストは,業績評価指標の使用目的や用途を理解し,必要となるデータやその特性を確認した上で,タイミング良く提供するために,次のような工夫を行わなければならない。

 あなたの経験と考えに基づいて、設問ア〜ウに従って論述せよ。

設問ア あなたが立案に携わった,業績評価指標を総合的に取り扱うシステムについて,設定された業績評価指標とデータ収集・加工・提供の仕組みを中心に,システムの概要を,800字以内で述べよ。
設問イ 設問アで述べたシステムの立案に当たって,あなたはどのような点を考慮したか。また,あなたが特に重要と考え工夫した点は何か。それぞれ具体的に述べよ。
設問ウ 設問イで述べたシステムの立案について,あなたはどのように評価しているか。また,今後改善すべき点は何か。それぞれ簡潔に述べよ。
論文例


H16−問2 国内外でビジネスを展開する企業における情報システムの統制について

 国内外でビジネスを展開する企業では,中長期の海外進出計画に合あわせて情報システム構築計画を作成する。 その際,統制指針を作成せずに,国ごとに計画を作成して情報システムを構築すると,日本本社とは異なるシステム構築や運用保守が行われ,国をまたがった業務の連携に不具合が生ずる場合がある。 このような事態を避けるために,業務システムやIT基盤,運用保守などについて,情報システムの統制指針を作成することが重要になる。統制指針の例として,次のようなものがある。

 情報システムの統制指針の作成に当たって,システムアナリストは,企業グループ全体として標準化すべき業務プロセス,それに伴って必要になる業務システム機能やデータ資源などを明確にしなければならない。 その際,国ごとの情報システム要員,スキル水準,業務システム,IT基盤の整備状況,ITリテラシなどの実情を調査・分析し,統制指針の緊急度や優先度を定める必要がある。 また,統制指針を定着させるために,業務や情報システムごとに段階的な統制方法を盛り込むなどの工夫をしなければならない。
 あなたの経験と考えに基づいて、設問ア〜ウに従って論述せよ。

設問ア あなたが統制指針の作成に携わった,国内外でビジネスを展開する企業の情報システムについて,統制指針が必要になった背景と,対象になった業務や情報システムの全体像を,800字以内で述べよ。
設問イ 設問アで述べた情報システムについて,あなたはどのような統制指針を作成したか。また,統制指針の作成に当たって,あなたが特に重要と考え工夫した点は何か。それぞれ具体的に述べよ。
設問ウ 設問イで述べた統制指針について,あなたはどのように評価しているか。また,今後改善したい点は何か。それぞれ簡潔に述べよ。


H16−問3 部門間にまたがる業務プロセスの"あるべき姿"に基づいた改革の立案について

 部門間にまたがる業務プロセスの"あるべき姿"を設計し,現状の業務プロセスとのギャップを明確にし,業務プロセスの改革を実施することがある。 このようなアプローチによって,業務プロセスの抜本的な見直しが可能になり,問題が顕在化している一部分の業務プロセスの見直しやボトムアップのアプローチで業務プロセスを改善する以上の効果が期待できる。
 業務プロセスの"あるべき姿"は,一般に,他社の先進事例や成功事例,ベストプラクティスなどを参考にして,新しい業務プロセスとして設計される。
 改革の立案に当たって,システムアナリストは,新しい業務プロセスと現状の業務プロセスとのギャップを整理し,次のような点を重視して,ギャップの克服や解消のための対策を講じる必要がある。

 あなたの経験と考えに基づいて、設問ア〜ウに従って論述せよ。

設問ア あなたが携わった,部門間にまたがる業務プロセスの"あるべき姿"に基づいた改革について,改革に至った背景と改革の概要を,800字以内で述べよ。
設問イ 設問アで述べた改革の立案に当たって,業務プロセスの"あるべき姿"と現状の業務プロセスとのギャップの克服や解消のために,あなたはどのような対策を講じたか。あなたが特に重要と考え工夫した点を中心に,具体的に述べよ。
設問ウ 設問イで述べた対策について,あなたはどのように評価しているか。簡潔に述べよ。
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H15−問1 新規ビジネス立上げに必要な情報システム投資計画の策定について

 新規ビジネスの立上げに際し,ビジネス特性に合致した効果的な情報システムを構築することが重要になっている。情報システム投資を伴う新規ビジネスの例として,次のようなものがある。

 新規ビジネスの立上げに当たっては,目標とする投資回収期間や利益率を満足するよう,システムアナリストも参加して,予想収益,初期投資,オペレーションコストなどを含むビジネスプランの検討が行われる。また,新規ビジネスを支援する情報システムには,立上げの早さと確実さ,ビジネス支援機能の充実度,ビジネス規模の急速な拡大への対応力などが求められる。
 このような中,システムアナリストは,次のような観点からビジネスプランを満足する情報システム投資計画の策定を行うことが求められる。  あなたの経験と考えに基づいて、設問ア〜ウに従って論述せよ。

設問ア あなたが携わった情報システム投資案件について,投資計画策定の前提となった新規ビジネスと情報システム投資計画の概要を、800字以内で述べよ。
設問イ 設問アで述べた新規ビジネスを十分支援し,かつビジネスプランを満足する情報システム投資計画を,あなたはどのような観点から策定したか。工夫した点を中心に具体的に述べよ。
設問ウ 設問イで述べた情報システム投資計画の策定結果について,あなたはどのように評価しているか、簡潔に述べよ。
論文例


H15−問2 企業の枠を超えた業務プロセスの統合について

 競争力を高めるために,多くの企業が業務プロセスを簡素でスピーディなものにする努力をしている。昨今の厳しい経営環境は,より一層の競争力強化を企業に迫っており,この方策として,最新のITを活用し,企業の枠を超えて業務プロセスを統合するケースが増えている。例としては,次のようなものがある。

 このような業務プロセスの統合は,経営企画部門や事業部門とシステム部門との共同で進められることが多い。その際,システムアナリストは,次のような点に留意して,ITを有効活用した業務プロセスの統合を円滑に進める必要がある。
 あなたの経験と考えに基づいて、設問ア〜ウに従って論述せよ。

設問ア あなたが携わった企業の枠を超えた業務プロセスの統合について,統合を進めることに至った背景と統合のねらい及び対象業務プロセスの概要を,800字以内で述べよ。
設問イ あなたは,ITを活用して,どのような業務プロセスの統合を立案したか,統合前と統合後の業務プロセスの比較を中心に具体的に述べよ。また,立案に際して,あなたが特に重要と考え工夫した点は何か,具体的に述べよ。
設問ウ 設問イで述べた業務プロセスの統合についてについて,あなたはどのように評価しているか、簡潔に述べよ。
論文例  論文例


H15−問3 ビジネスの変革のためのITの活用について

 近年,インターネットや統合型アプリケーションパッケージ,ブロードバンドネットワークなどITの急速な発展と普及,低価格化によって,ITを活用してビジネスを変革するケースが増えている。例としては,次のようなものがある。

 ビジネスを変革するこのようなITの活用に当たっては,現行ビジネスの分析,先進事例の調査,実現したビジネスについての業務要件とシステム機能要件の整理をした上で,システムの全体構想を描くことが重要である。システムの全体構想では,業務プロセスや業務アプリケーション及び情報システム基盤の構想立案を行う。その際,ITを有効に活用していくために,次のようなことを考慮する。
 システムアナリストは,システムの全体構想の中で,ITの活用がビジネスの変革にどのように貢献するのかを具体的に示さなければならない。
 あなたの経験と考えに基づいて、設問ア〜ウに従って論述せよ。

設問ア あなたが携わったビジネスの変革のためのITの活用について,その背景となった現行ビジネスの状況及びシステムの全体構想の概要を,800字以内で述べよ。
設問イ 設問アで述べたシステムの全体構想の中で,ビジネスの変革にITの活用がどのように貢献するのか。また,ITを有効に活用していくために,あなたが特に重要と考え工夫した点は何か。それぞれ具体的に述べよ。
設問ウ 設問イで述べたビジネスを変革するためのITの活用についてについて,あなたはどのように評価しているか、簡潔に述べよ。
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H14−問1 ビジネススピードの向上を目指す IT 戦略の立案について

 消費者のライフスタイルや価値観が多様化し、市場が急速に変化している。このようなビジネス環境の中で、経営判断や業務遂行の迅速化(以下、ビジネススピードの向上という)は、各企業にとって大きな経営課題の一つである。ビジネススピードの向上を目指し、IT 戦略を立案する企業は多い。例としては、次のようなものがある。

 ビジネススピードの向上を目指す IT 戦略の立案に当たって、システムアナリストは、その有効性を評価するために、ベストプラクティスを研究したり、IT の自社への適合性を検討したり、技術動向を判断したりすることが重要である。
 あなたの経験と考えに基づいて、設問ア〜ウに従って論述せよ。

設問ア あなたが参画した、ビジネススピードの向上を目指す IT 戦略立案の背景となった企業のビジネス環境と情報システムの置かれた状況の概要を、800字以内で述べよ。
設問イ 設問アで述べた状況の下で、ビジネススピードの向上を目指して立案した IT 戦略を述べよ。また、その中で、あなたが特に重要と考え工夫した点は何か、具体的に述べよ。
設問ウ 設問イで述べた IT 戦略について、あなたはどのように評価しているか、簡潔に述べよ。
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H14−問2 情報システムの全体構想の立案について

 グローバルな競争に勝ち残るための事業の再構築、経営資源の最適配置のための企業統治の強化、ビジネスチャンス追求のための新しいビジネスモデルの構築など、多くの企業でビジネスの大きな変革が起こっている。このビジネスの変革に柔軟に対応できるシステム化計画が求められているが、個々のシステム化計画で個別に対応することは、全体的な観点では、効率の低下を招いたり、コスト増になったりすることが多い。したがって、ビジネスの変革の方向を的確にとらえ、中長期的かつ全体最適の視点から情報システムの企画・設計・開発・運用に関する全体構想を描き、この全体構想の下で、個々のシステム化計画を立案することが重要になる。
 情報システムの全体構想では、例えば、次のようなシステム化の方針が明確にされなければならない。

 企業が直面する経営環境の変化の中で、システムアナリストは、システムをビジネスの変革に柔軟に適応させ、IT の革新的な変化を取り入れるための様々な工夫をシステム化方針に盛り込んで、情報システムの全体構想を立案しなければならない。
 あなたの経験と考えに基づいて、設問ア〜ウに従って論述せよ。

設問ア あなたが参画した情報システムの全体構想の立案時に、経営環境の変化とビジネスの変革をどのように認識したか、その概要を 800字以内で述べよ。
設問イ 設問アで述べたビジネスの変革の中で立案した情報システムの全体構想について、あなたが特に重要と考えたシステム化方針を中心に具体的に述べよ。
設問ウ 設問イで述べた情報システムの全体構想について、あなたはどのように評価しているか、簡潔に述べよ。


H14−問3 統合型業務パッケージの導入計画立案について

 近年、業務改革や情報の統合などを目的として、ERP に代表される統合型業務パッケージを導入する企業が増えている。
 統合型業務パッケージは全体最適の視点で導入するものであり、特定部門のシステム化ニーズにこたえたり、個別業務課題を解決したりするものではない。したがって、ニーズの異なる部門間の調整をスムーズに行ったり、適正な機能の追加・変更を行ったりするために、導入の基本方針を明確にすることが重要である。基本方針には、パッケージの提供するベストプラクティスの適用方針、既存の業務プロセスとのギャップに対する機能の追加・変更方針、プロジェクトの運営方針、段階的移行又は一斉移行などの移行方針などを盛り込む必要がある。基本方針を策定する場合、例えば、次のような観点が重要である。

 統合型業務パッケージの導入計画立案に当たって、システムアナリストは導入を成功させるために、基本方針を明確にしなければならない。
 あなたの経験と考えに基づいて、設問ア〜ウに従って論述せよ。

設問ア あなたが策定に参画した統合型業務パッケージの導入計画について、導入の目的と導入計画の概要を、800字以内で述べよ。
設問イ 設問アで述べた導入計画を立案するに当たって、あなたはどのような基本方針を策定したか、あなたが特に重要と考え工夫した点を中心に具体的に述べよ。
設問ウ 設問イで述べた基本方針について、あなたはどのように評価しているか、簡潔に述べよ。
論文例


H13−問1 情報戦略の策定について

 激しい競争を勝ち抜くために、企業は戦略的なアライアンスの締結や新しいビジネスモデルの構築など、従来の枠組みにとらわれない革新的な経営戦略を打ち出している。今日、このような革新的な経営戦略の中心は情報戦略であり、IT活用の優劣がそのまま企業競争力の差として現れる。近年、サプライチェーンマネジメント、CRM(Customer Relationship Management)、eビジネスなどの情報戦略を具体化する企業は多い。
 情報戦略を推進して期待通りの効果を上げるには、業務・組織改革を合わせて行うことが肝要であり、システムアナリストは情報戦略を推進する立場から、業務・組織改革についての指針を示す必要がある。
 システムアナリストは情報戦略の策定に当たって、例えば次のような観点で計画を策定することが重要である。

 あなたの経験と考えに基づいて、設問ア〜ウに従って論述せよ。

設問ア あなたが策定に参画した情報戦略の背景となる経営戦略について、800字以内で述べよ。
設問イ あなたが策定に参画した情報戦略とそれに伴う業務・組織改革について、その概要を述べよ。また、情報戦略の策定の中で、情報戦略に合わせて業務・組織改革を進めるために、特に重要と考え工夫したことは何か、具体的に述べよ。
設問ウ 設問イで述べた情報戦略と業務・組織改革について、あなたはどのように評価しているか、簡潔に述べよ。
論文例  論文例


H13−問2 インターネットを活用した情報システムの計画策定について

 近年、企業は売上の増大やコスト削減のために、顧客や他企業との新たな関係作りに着目し、インターネットを活用した電子店舗システムや資材調達システムなどを構築することが多くなっている。
 このようなシステムでは、取引先が不特定で、かつ広範囲なことが多く、新たな商取引の流れや業務を構築するので、サービス要求レベル、システムの機能要件、システム化範囲、処理能力・利用者数などのシステム規模を、計画当初に予測することが困難である。また、情報システムが期待どおりの効果を発揮するためには、既存のチャネルや既存の業務プロセスの再検討も必要である。
 したがって、インターネットを活用した情報システムの構築に当たっては、当初構築する範囲・規模を限定し、それを順次、拡大するやり方が考えられる。この場合、コンテンツの更新、カスタマーサポート、システムの運用・保守などの体制を新たに整備したり、物流・決済などの他システムとの連携を再構築したりする必要もある。
 システムアナリストは、インターネットを活用した情報システムの計画策定に際しては、体制や他システムとの連携を考慮した上で、当初の範囲・規模を限定し、運用後に拡大できるような、段階的な実施案を考えることが重要である。
 あなたの経験と考えに基づいて、設問ア〜ウに従って論述せよ。

設問ア あなたが計画策定に参画した、顧客や他企業を含むインターネットを活用した情報システム構築の背景と概要について、800字以内で述べよ。
設問イ 設問アで述べた情報システムの計画策定に際して、あなたはどのような観点から当初の範囲・規模を限定したか、その理由とともに述べよ。また、当初の情報システムを計画するに当たって、体制や他システムとの連携について、工夫した点は何か、具体的に述べよ。
設問ウ 設問イで述べた情報システムの計画について、あなたはどのように評価しているか、簡潔に述べよ。


H13−問3 業務プロセスの再設計について

 企業においては、調達・生産・物流・販売など一連の活動全体を対象とするサプライチェーンマネジメントシステムを構築し、競争力を高める動きが活発になっている。
 このようなシステムでは、目的とするシステム化効果を実現するために、システム開発・導入に先立って、組織や企業の壁を越えた業務プロセスの再設計を行うことが不可欠である。
 業務プロセスの再設計を組織や企業の壁を越えて行う場合には、ソフトウェアパッケージに組み込まれた標準業務プロセスを適用したり、多くのベンチマーキングによって明らかにされたベストプラクティスを参照したりすることで、再設計を迅速かつ効率良く行うことができる。この場合、システムアナリストは、次のような点を考慮しなければならない。

 あなたの経験と考えに基づいて、設問ア〜ウに従って論述せよ。

設問ア あなたが計画策定に参画し、業務プロセス再設計の対象となったシステムの概要と、業務プロセス再設計の基本的観点について、800字以内で述べよ。
設問イ 設問アで述べたシステムの開発・導入に際し、どのように業務プロセスを再設計し、標準業務プロセスやベストプラクティスをどう取り込んだか。また、その中で重要と考え、工夫した点は何か。それぞれ具体的に述べよ。
設問ウ 設問イで述べた業務プロセスの再設計について、あなたはどのように評価しているか、簡潔に述べよ。


H12−問1 インターネットをビジネスに活用する情報戦略について

 インターネットをビジネスに活用する情報戦略は、顧客満足度や利益率の向上などの経営目標を達成するための有力な手段として期待されている。このような情報戦略の例としては、次のようなものがある。

 このような情報戦略の実現のためには、既存のビジネスプロセスでは対応できないことも多く、個々のプロセスの見直しや、新たなプロセスの設計も必要となる。これらの例としては、次のようなことが挙げられる。  インターネットとビジネスを取り巻く環境が急激に変化している中で、このような見直しは短期間で実施することが重要である。そのために、システムアナリストは企業全体のビジネスプロセスを見渡し、場合によっては社外で既に実施されているサービスの利用や社外への業務委託などを計画し、短期間でインターネットをビジネスに活用できるようにしなければならない。  あなたの経験と考えに基づいて、設問ア〜ウに従って論述せよ。

設問ア あなたが策定に参画したインターネットをビジネスに活用する情報戦略について、その概要を800字以内で述べよ。
設問イ 設問アで述べた情報戦略の短期間での実現に向けて、どのようなビジネスプロセスの見直しを行ったかを述べよ。その中で、あなたが特に重要と考え、工夫したことは何か、具体的に述べよ。
設問ウ 設問イで述べたビジネスプロセスの見直しについて、あなたはどのように評価しているか、簡潔に述べよ。
論文例  論文例  論文例


H12−問2 情報を共有し活用するシステムの計画策定について

 企業全体で情報を共有し活用することによって、業務を効率化したり、顧客満足度を向上させたり、売上げを伸ばしたりすることを目的にしたシステムの開発・導入が進んでいる。このようなシステムとして、グループウェアやイントラネットを利用したシステム、及びナレッジマネジメントを活用したシステムなどが挙げられる。
 情報を共有し活用するシステムの計画に当たって、システムアナリストはシステム機能や IT ツールの利便性に着目するだけでなく、システムを日常業務の中に定着させるための方法について検討することが重要である。そのためには、情報を分析し体系化した上で、次のような点に着目する必要がある。

 システムアナリストは、情報を共有し活用するシステムの計画策定に当たって、システム開発・導入の目的を明確にし、ねらいどおりの効果が発揮できるようにしなければならない。
 あなたの経験と考えに基づいて、設問ア〜ウに従って論述せよ。

設問ア あなたが策定に参画した情報を共有し活用するシステムの計画について、その概要を800字以内で述べよ。
設問イ 設問アで述べたシステムの開発・導入の目的を簡潔に述べよ。その目的を達成するために、システムを日常業務の中に定着させる方法について、計画策定の段階で、あなたが特に重要と考え工夫したことは何か、具体的に述べよ。。
設問ウ 設問イで述べた方法を採用した結果について、あなたはどのように評価しているか、簡潔に述べよ。
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H12−問3 情報システムのパイロット開発・導入について

 ERP のように企業全体に導入されるシステムや、サプライチェーンマネジメントのように企業内だけでなく関連企業にも導入されるシステムでは、多くの部門が関係するので、影響範囲が広がっている。また、新たな業務プロセスが導入されるなど、システム利用者への影響も大きくなっている。このようなシステムでは、システムの全機能・全部門を対象に一気に開発・導入を行うと、大きなリスクを伴うことが想定される。このような場合には、パイロット開発・導入によって、機能・性能・運用について次のような評価を行ってから、全面的な展開に進む方法がある。

 パイロット開発・導入を効果的に実行・検証するためには、プロジェクトの編成、パイロット対象となる部門や機能の選定、既存システムとの連携方法、利用部門への教育などで様々な工夫を行う必要がある。  あなたの経験と考えに基づいて、設問ア〜ウに従って論述せよ。

設問ア あなたが計画策定に参画したパイロット開発・導入を採用した情報システムの概要について、関連する部門・組織の範囲や新たに導入・変更された業務プロセスを中心に、800字以内で述べよ。
設問イ 設問アで述べた情報システムについて、機能・性能・運用の面からどのような問題点を想定し、パイロット開発・導入計画を策定したか。また、パイロット開発・導入計画を効果的に実行・検証するためにどのような方策をとったか、工夫した点を中心に具体的に述べよ。
設問ウ 設問イで述べた方策の結果をどのように評価し、引き続く全面的な開発・導入にどのように反映させたか、簡潔に述べよ。
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H11−問1 情報システム部門の役割の見直しについて

 従来、情報システム部門は企業の中でユーザニーズに基づいて、情報システムの企画・開発・運用・保守などを行ってきた。しかし、近年、企業の経営戦略上の要請や多様化するユーザニーズ、情報技術の急激な進展に対応するため、情報システム部門の役割の見直しが必要になっている。
 情報システム部門の役割の見直しには、情報システム部門を企画部門として位置づけたり、従来の任務の一部又は全部をアウトソーシングしたり、ユーザ部門に企画・開発・運用・保守の一部又は全部を任せたりすることなどが挙げられる。
 一方、企業にとって情報戦略は経営戦略を支える要素として、また、情報システムは経営課題を解決する手段として、ますます重要になっている。したがって、情報システム部門の役割の見直し計画は、効率化や人的資源不足などの解決だけをねらうものであってはならない。情報システム部門の役割の見直しに当たっては、次のような点を考える必要がある。

 あなたの経験と考えに基づいて、設問ア〜ウに従って論述せよ。

設問ア あなたが策定に参画した情報システム部門の役割の見直し計画について、その見直しが必要になった背景と情報システムを取り巻く環境を、800字以内で述べよ。
設問イ あなたが策定に参画した情報システム部門の役割の見直し計画の概要を述べよ。また、その見直し計画の中で、あなたが特に重要と考えた点は何か、具体的に述べよ。
設問ウ 設問イで述べた見直し計画について、今後に残された課題とその取組方針を、あなたはどのように考えているか、簡潔に述べよ。
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H11−問2 ERP パッケージの導入計画の策定について

 企業の基幹業務に ERP パッケージを適用するケースが増えている。ERP パッケージの導入においては、洗練されたビジネスプロセスの取込みや、システム開発の期間短縮とコスト低減などが一般的に期待されている。
 ERP パッケージの導入に当たっては、これまで企業内に定着していた既存のビジネスプロセスと、ERP パッケージが提供するビジネスプロセスとの間のギャップについて、どのように分析し解決するかが最も重要である。そのためには、ERP パッケージの内容と導入方法について検討し、本来の ERP パッケージの良さを十分に引き出す必要がある。すなわち、単にギャップの所在に独自プログラムの追加で対処するよりも、むしろ ERP パッケージの提供するビジネスプロセスをできるだけ取り込み、独自プログラムの追加を最小にしなければならない。そのために次のようなことが行われる。

 システムアナリストは、ERP パッケージの導入に当たって、まずその目的を明確にした上で、経営トップの意向、ユーザニーズ、プロジェクト予算などを十分踏まえてギャップを解決し、当初の期待効果が出せるように導入計画を策定しなければならない。
 あなたの経験と考えに基づいて、設問ア〜ウに従って論述せよ。

設問ア あなたが策定に参画した ERP パッケージの導入計画について、導入の背景と目的、導入計画の概要を、800字以内で述べよ。
設問イ 設問アで述べた導入計画において、既存のビジネスプロセスと ERP パッケージのビジネスプロセスとのギャップをどのように分析し、導入の目的を踏まえてどのような解決策を立案したか、工夫した点を中心に具体的に述べよ。
設問ウ 設問イで述べたギャップの分析と解決の方法、及びその工夫について、あなたはどのように評価しているか、簡潔に述べよ。
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H11−問3 システム開発計画における新技術の導入検討について

 近年、情報技術の進歩は著しく、システムアナリストは常に最新の技術動向を把握しておく必要がある。新技術の活用によって、コスト削減・効率化・性能向上などのシステム面の効果に加えて、新たなビジネス分野への進出や流通チャネルの拡大などのビジネス面の効果が期待できる。したがって、システム開発計画の策定では、新技術を活用したシステムの実現方法を検討することが重要になる。
 しかしながら、個々の企業にとって新しい技術を導入する場合、導入の可否の判断に直接影響する次のようなリスクが存在する。

 新技術を選択し導入を決定するには、認識されたリスクを回避するための対策を立案することが前提になる。
 このほか、新技術を円滑に導入して期待した効果を上げるためには、次のような点を考慮しなければならない。  あなたの経験と考えに基づいて、設問ア〜ウに従って論述せよ。

設問ア あなたが策定に参画したシステム開発計画について、システムの概要と選択した新技術の概要、及び新技術導入で期待した効果を、800字以内で述べよ。
設問イ 設問アで述べたシステム開発計画の策定に当たって、あなたはどのようなリスクを認識したか。また、認識したリスクを回避するためにどのような対策を立案したか、工夫した点を中心に具体的に述べよ。
設問ウ 設問アで述べた新技術を円滑に導入して期待した効果を上げるために、あなたが工夫した点を述べよ


H10−問1 システム化範囲の策定について

 システム化計画での重要な作業項目として、システム化範囲の策定がある。要求分析の段階では、ユーザから様々な開発要求が出される。これに対して、システムアナリストはシステム開発の費用対効果やリスクを見極め、システム化による効果が最大限に得られるよう、システム化範囲の策定を行わなければならない。
 そのためには、ユーザのシステム開発要求について、次のような視点をもって検討することが重要である。

 あなたの経験と考えに基づいて、設問ア〜ウに従って論述せよ。

設問ア あなたが策定に参画したシステム化計画の概要とユーザのシステム開発要求について、800字以内で述べよ。
設問イ あなたはシステム化範囲の策定に当たって、どのようなことを検討したか、検討した手順とともに述べよ。また、システム化の効果を最大限に高めるために、あなたが特に重要と考え、工夫したことは何か、具体的に述べよ。
設問ウ 設問イで述べたシステム化範囲の策定について、あなたはどのように評価しているか、簡潔に述べよ。
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H10−問2 ネットワークシステムのリスクマネジメントについて

 最近、顧客情報の流出や不正アクセスによるシステム破壊などの事件が発生しており、ネットワークシステムのリスクマネジメントの在り方が問い直されている。
 コンピュータの利用は、ホスト中心から分散ネットワーク、更にインターネットと進展している。守るべき情報資産は様々に分散し、それらへのアクセスも様々な場所から行えるようになって、対策の在り方は根本から大きく変化してきている。対策を考える際には、ユーザなどのモラルに過度に依存するのではなく。リスクの客観的な認識の上で抑止や防止を行う必要がある。
 リスクの発生確率と影響度は、情報システムのハードウェアとソフトウェア及びネットワークの構成やその機能によって異なってくる。したがって、まずネットワークシステムの全体を俯瞰(ふかん)し、リスクの発見・確認と評価を行う必要がある。そして、対策立案の際には費用対効果の分析だけではなく、経営的な判断も加味して総合的に判断することが重要になる。発生形態が極めて例外的であり、対策実施の負荷が大きな場合には、対策を行わないという判断もありうる。ただし、そのような場合においても、システムアナリストは、リスクの網羅的な洗い出しや定量化などを行い、客観的で適切な判断が行われるように配慮しなければならない。
 あなたの経験と考えに基づいて、設問ア〜ウに従って論述せよ。

設問ア あなたがリスクマネジメントの対象としたネットワークシステムの概要と、その中でリスク分析を行った手順について、800字以内で述べよ。
設問イ 設問アで述べたリスク分析によって、どのようなリスクが発見・確認されたか。また、そのリスクをどのような考え方に基づいて評価し対策を立案したか、具体的に述べよ。
設問ウ 設問イで述べた対策立案について、あなたはどのように評価しているか、簡潔に述べよ。
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H10−問3 システム開発における SI ベンダの活用について

 システムを自社要員だけで開発することは一般に困難な場合が多く、外部のベンダを活用するケースが多い。特に、最近のクライアントサーバシステムでのシステム開発では、マルチベンダの製品構成を取りまとめる SI ベンダの事例も多くなっている。このような場合、SI ベンダの技術力や取りまとめる能力によって開発の成否が決まることが多く、SI ベンダ選定の重要性はますます高まっている。
 選定に当たっては、まず、活用目的を明確にし、システム開発における委託側と SI ベンダ側との役割分担を決定する必要がある。その上で各 SI ベンダに提案を依頼し、提案品質やコスト、過去の実績などを総合的に判断する必要がある。提案品質とは、提案の網羅性や具体性、新技術やアプリケーションについての技術力、要求項目に対する創意工夫などである。提案品質を的確に評価するためには、各 SI ベンダを同一基準で評価できるような提案依頼内容にしたり、技術力を客観的に把握できるような実演を依頼したりするなどの工夫が必要である。
 あなたの経験と考えに基づいて、設問ア〜ウに従って論述せよ。

設問ア あなたが策定に参画したシステム開発計画の概要と SI ベンダ活用の目的について、800字以内で述べよ。
設問イ 設問アで述べた活用目的を達成するため、あなたが決定した SI ベンダとの役割分担について述べよ。また選定に当たって、どのような評価項目を重視し、どのような方法で評価したか。提案品質を評価するために工夫した点を中心に具体的に述べよ。
設問ウ SI ベンダの選定結果について、あなたはどのように評価しているか、簡潔に述べよ。


H9−問1 情報戦略の策定について

 現在、経営課題の一つとして、ビジネススピードの向上が強く求められている。情報システムの役割も、単純作業の肩代わりや業務プロセスの効率向上から、経営への貢献へと拡大しており、ビジネススピードの向上を実現するための情報戦略が求められている。この情報戦略の例には、次のものがある。

 但し、情報戦略を策定する際には、情報システムとそれを取り巻く状況についても十分考慮しなければならない。多くの場合、情報システム要員の数やスキルの不足、情報システム基盤の整備不足、情報リテラシ向上の遅れなど幾つかの課題があり、それを解決しなければ、望ましい情報戦略の実現はできない。
 システムアナリストはこのような課題を見極め、どのように解決していくのかを現実的に検討し、情報戦略を策定する必要がある。
 あなたの経験と考えに基づいて、設問ア〜ウに従って論述せよ。

設問ア ビジネススピード向上のために、あなたはどのような情報戦略を策定したか。その概要と、背景となる事業環境及び経営戦略について、800字以内で述べよ。
設問イ 設問アで述べた情報戦略の策定段階で、どのような現状の課題が識別されたか。また、それに対してどのような対策を立てたか、具体的に述べよ。
設問ウ 設問イで述べた対策について、あなたはどのように評価しているか、簡潔に述べよ。
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H9−問2 情報システムの中長期計画の策定について

 昨今、企業を取り巻く環境やビジネス領域が大きく変化している。更に、新しい情報技術が急速な早さで普及し続けている。このような中で、情報システムの中長期計画の策定がますます重要になっている。
 情報システムの中長期計画の内容として、例えば次のものがある。

 情報システムの中長期計画では、経営戦略や業務革新・制度改革・組織の再編などとの関連を明確にしておかなければならない。
 システムアナリストにとって重要なことは、情報システムが経営課題の解決や経営活動に貢献できる点について検討を深め、経営トップから計画の承認を得ることである。
 あなたの経験と考えに基づいて、設問ア〜ウに従って論述せよ。

設問ア あなたが策定に参画した情報システムの中長期計画について、計画の概要とそれが必要になった背景を800字以内で述べよ。
設問イ 設問アで述べた情報システムの中長期計画について、検討した手順を簡潔に述べよ。また、情報システムが経営課題の解決や経営活動に貢献できる点として、あなたが特に重要と考え、力点をおいて検討したことは何か、具体的に述べよ。
設問ウ 設問イで述べた情報システムの中長期計画について、まだ不足している点、問題点は何か。また、今後一層の強化・拡充を図っていくべきことは何か。あなたの考えを簡潔に述べよ。
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H9−問3 基幹業務におけるクライアントサーバシステムの導入計画について

 近年、基幹業務においてもクライアントサーバシステム(CSS)を採用し、システムを開発するケースが増えている。
 CSSを採用する理由として、中長期的に新技術・新製品がより多く期待できると考えている場合やトータルな開発コストの削減、開発期間の短縮を期待する場合などがある。CSS採用のメリットを享受するためには、採用の目的を明確にし、CSSの特徴を踏まえたシステムの計画、設計をすることが重要である。
 一方、CSSを採用することによって、次のようなシステム開発・運用上のリスクや制約が生じる。

 基幹業務システムの開発に当たっては、CSS採用によって生じると考えられるシステム開発・運用上のリスクや制約について、計画段階からその対策を十分に検討する必要がある。
 あなたの経験と考えに基づいて、設問ア〜ウに従って論述せよ。

設問ア CSSを適用した基幹業務システムの機能概要及びCSSの採用によって、あなたが期待した効果を800字以内で述べよ。
設問イ 設問アで述べた期待効果を達成するために、システム化計画段階で工夫した点を簡潔に述べよ。また、CSSを採用することによって発生すると考えたシステム開発・運用上のリスクや制約を幾つか挙げ、それらに対して計画段階で検討した対策について、具体的に述べよ。
設問ウ 設問イで述べた計画段階での工夫及びリスクや制約に対する対策の効果を、それぞれどのように評価しているか。また、問題点について今後どのように改善すべきと考えているか、簡潔に述べよ。


H8−問1 適用業務システム開発における業務の見直し計画の立案について

 顧客ニ一ズの多様化、ビジネススピードの向上、グローバルな競争の激化など、企業を取り巻く環境は急激に変化している。それに伴い、新たな業務が発生したり、業務ルールが変わったり、業務手続が複雑になったりしている。
 このような中で適用業務システム開発を行う場合、業務手続の改善や標準化などの業務の見直しが一層重要になる。業務の見直しでは、見直し項目の洗い出しやそれらの因果関係の整理、改善の難易度や手段などの検討が行われる。これらを効率良く進めるために、システムアナリストはユーザ部門と協力して、具体的な業務の見直し手順を立案することが重要である。
 業務の見直しによって、開発すべき適用業務システムの範囲や要件・機能が明確になるだけでなく、システム自体がシンプルになって、ユーザが使いやすいシステムや開発・運用・保守のしやすいシステムを実現することもできる。
 適用業務システム開発の計画に当たり、システムアナリストは企業戦略や事業環境、に着目し、業務の見直し計画を立案する必要がある。
 あなたの経験と考えに基づいて、設問ア〜ウに従って論述せよ。

設問ア あなたが策定に参画した適用業務システム開発計画の概要を、800字以内で述べよ。
設問イ 設問アで述べた適用業務システム開発計画の立案に当たって、あなたが策定した業務の見直し計画の手順を簡潔に述べよ。また、その手順の中で、業務の見直しを効率良く進めるために、特に重要と考え、工夫したことは何か、具体的に述べよ。
設問ウ 設問イで述べた業務の見直し計画が実施されると、システムの開発又は運用や保守にとってどのような効果があるか、あなたの考えを簡潔に述べよ。
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H8−問2 情報リテラシの向上について

 近年の職場への急速なパソコンの普及・浸透によって、利用者自身による情報処理の機会が一層増加している。しかも、利用者が習熟しなければならないパソコンソフトの種類も利用方法も多岐にわたっている。
 企業にとっても、パソコンの装備率と全社的な利用水準の向上は、業務のスピードアップやオフィスの生産性向上を図るうえで重要事項であり、組織的・中長期的に取り組まなければならない戦略的課題になっている。利用水準を高めるためには、情報リテラシの向上を図ることが極めて重要である。
 このためには、利用者が使いやすいシステム環境を整備したうえで、次のような取組みが考えられる。

 このようにシステムアナリストは、中長期的な視点で組織的な取組み課題を明確化し、計画的・継続的に全社的な情報リテラシの向上を図っていくことが重要である。
 あなたの経験と考えに基づいて、設問ア〜ウに従って論述せよ。

設問ア パソコンを職場へ展開した背景と現在の装備状況・利用状況について、800字以内で述べよ。
設問イ あなたが計画した情報リテラシ向上のねらいと具体的目標は何かを述べよ。また、利用者への教育や支援組織の整備、業務ルールの見直しなど、情報リテラシ向上のために、あなたが重要と考えて計画し、実施したことを具体的に述べよ。
設問ウ 設問イで述べた情報リテラシ向上のための施策の成果をどのように評価しているか、今後、改善すべきと考えている点も含めて簡潔に述べよ。
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H8−問3 適用業務システム開発でのソフトウェアパッケージの利用計画の立案について

 最近、開発期間の短縮や開発・運用・保守の費用削減などを目的として、ソフトウェアパッケージ(以下、パッケージという)を利用した適用業務システム開発の事例が増えている。独自開発に比べてパッケージを利用する利点が明確になるのは、次のような条件を満たす場合である。

 しかしながら、ユーザ部門の業務やシステム開発要求を的確に把握しきないと、予想外のカスタマイズが発生したり、ユーザにとって使いにくいシステムになったりすることがあり、パッケージを利用する利点が失われることもある。
 一方、パッケージの業務モデルやデータモデルに合うように、ユーザの業務を見直すという考え方もある。業務の見直しは組織的に進めなければならないので、業務プロセスなどの変更に多くの工数がかかり、システム立上げまでにかなりの時間が必要になることもある。しかし、効果的に進んだ場合には、業務処理の質的向上やスピードアップなどの改善効果が期待できる。
 適用業務システム開発でのパッケージの利用計画の立案に当たっては、システムアナリストは企業の事業環境、情報システムの中長期計画なども含めて総合的に考えなければならない。
 あなたの経験と考えに基づいて、設問ア〜ウに従って論述せよ。

設問ア あなたが策定に参画した適用業務システム開発計画の概要を 800字以内で述べよ。
設問イ 設問アで述べた開発計画の中で、パッケージ利用の目的と利用に当たって設定した課題を簡潔に述べよ。また、その課題を解決するために、あなたはどのようなことを重要と考え、計画したか、具体的に述べよ。
設問ウ 設問イで述べたパッケージの利用計画について、どのように評価しているか、あなたの考えを簡潔に述べよ。
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H7−問1 開発計画策定における合意形成について

 情報システムの開発計画を立案し承認を得ることは、システムアナリストの重要な課題である。そのためには、計画の立案段階において関連部門長の参画を得て、計画への承認が得やすい体制にしておくことが必要である。また、関連部門にシステム化の必要性や効果を十分アピールし、理解を得ておくことが重要である。
 関係者間での意見の相違や個別の利害の対立がある場合などには、全社的な視点に立って、できる限りそれを調整し、合意形成を図ることが必要である。このような場合、関連部門長やキーパーソンを集め、重要案件についての検討会を開催し、意見の調整を図ることや、意見の相違点を明確にして経営トップの判断や指示を仰ぐことなどが考えられる。
 このように、システムアナリストは、開発計画についての合意形成のため、必要情報の提供や異なる意見の調整、計画骨子の効果的な説明などを実施する必要がある。
 あなたの経験と考えに基づいて、設問ア〜ウに従って論述せよ。

設問ア あなたが計画策定に参画したシステム開発の目的と概要及び開発計画立案体制について、800字以内で述べよ。
設問イ その計画立案時に、開発の必要性や新システムにおける実現機能、開発スケジュール、開発予算などについて、関係者問で調整すべき意見や利害の相違には、どのようなものがあったか述べよ。また、それらの点についてどのような方法で合意形成を図ったか、工夫した点を中心に具体的に述べよ。
設問ウ 設問ア及びイで述べた計画立案体制や合意形成の方法について、あなたはどのように評価しているか、今後の改善点も含めて簡潔に述べよ。
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H7−問2 情報システム部門の役割について

 従来情報システム部門は汎用コンピュータを中心としたセンタ集中型の情報システムの計画・開発・運用管理を中心に業務を行ってきた。最近経営環境の急激な変化や情報技術の革新、エンドユーザコンピューティングの浸透などによって、情報システム部門を取り巻く環境は大きく変化し、それに伴い情報システム部門の役割が変わってきている。
 エンドユーザコンピューティングを積極的に推進している企業では、ユーザ部門に開発や運用管理の一部を任せるケースもかなりみられるようになった。また、ユーザ部門に対するサービスの提供を主体とした業務から、情報戦略の企画立案を主体とした業務ヘ、情報システム部門の役割を見直すところも多くなっている。
 一方、ユーザの利用形態がますます多様化することで、情報システムは複雑化している。その結果、ハードウェアやソフトウェアの資源管理、システムの障害管理、セキューリティ管理、分散システムのメンテナンス作業などにおいて、ユーザ部門だけでは対処できない問題や部門ごとの個別対応では効率が悪い状況が発生している。そのため、企業の中で統制のとれた組織的な取組みの重要性も増している。
 システムアナリストは、情報システムの中長期計画や情報システム開発計画の立案に当たって、企業・団体における情報システム部門を取り巻く環境の変化を踏まえ、情報システム部門の役割について十分に検討する必要がある。
 あなたの経験と考えに基づいて、設問ア〜ウに従って論述せよ。

設問ア あなたが策定に参画した情報システムの中長期計画又は情報システム開発計画の概要を、800字以内で述べよ。
設問イ 設問アで述べた計画の策定に当たって、あなたは情報システム部門の役割についでどのような見直しを行い、その結果どのような役割を設定したか、設定に至った理由とともに具体的に述べよ。
設問ウ 設問イで設定した情報システム部門の役割について、今後の検討課題と目指すべき方向は何か、あなたの考えを簡潔に途べよ。


H7−問3 情報システム基盤の整備計画の策定について

 最近、クライアントサーバシステムやエンドユーザコンピューティングが普及し、WANやLANを利用したネットワークコンピューティングが進展している。その結果、情報システムの稼働環境や開発環境が多様化し、情報システム基盤の整備の必要性が高まっている。例えば、次のような内容が挙げられる。

 情報システム基盤を整備するねらいとしては、情報システム全体にわたる情報処理の効率化促進、適用業務システムの開発・運用コストの削減、エンドユーザの広範な情報活用ニーズヘの対応などが挙げられる。更に現行の情報システムの改善にとどまらず情報システムの拡張や発展を支えるための基盤を整備して、情報システムやそれを取り巻く環境の変化に備えるという観点も重要である。
 情報システム基盤の整備を計画するに当たって、システムアナリストはそのねらいを明確にし、ねらいどおりの効果が得られるようにすべきである。そのためには、利用する情報技術の適合性や信頼性を分析するとともに、情報システムの稼働環境や運用管理などのスムーズな移行を実現する具体的なプロセスについても、十分な検討が必要である。
 あなたの経験と考えに基づいて、設問ア〜ウに従って論述せよ。

設問ア あなたが策定に参画した情報システム基盤の整備計画の概要とそのねらいについて、800字以内で述べよ。
設問イ 設問アで述べた情報システム基盤の整備計画の中で、ねらいどおりの効果を得るためにあなたが特に重要と考え、工夫したことは何か、具体的に述べよ。
設問ウ 設問アで述べた情報システム基盤の整備計画について、まだ不足している点、問題点は何か。また、今後一層の強化・拡充を図っていくべきことは何か。あなたの考えを簡潔に述べよ。
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H6−問1 情報戦略の企画について

 情報は人,物,金とともに,経営の4資源の一つと考えられ,情報システムは各資源を有機的に結合する経営組織体の神経系統機能に位置づけられる。このことから,経営戦略実現の手段として情報システムを構築する事例が増えている。
 この場合,経営戦略の一環として情報戦略を企画し,決定された情報戦略に基づいて情報システムを構築することが重要である。
 経営戦略,情報戦略は企業ごとに様々であるが,次のような例が挙げられる。

 このように,情報戦略は経営戦略のフレームワークのもとに企画されなければならない。
 あなたの経験と考えに基づいて,設問ア〜ウに従って論述せよ。

設問ア あなたが企画に参画した情報戦略の背景となる経営戦略の概要と,そのような経営戦略が設定された事業環境について,800字以内で述べよ。
設問イ あなたが企画に参画した情報戦略について,その概要を簡潔に述べよ。また,情報戦略の企画に当たって,あなたが得に考慮したこと,または工夫したことは何か,具体的に述べよ。
設問ウ あなたは設問イで述べた情報戦略の実現における課題について,情報戦略の企画時にどのようなことを考え,事前に対策を立てたか,簡潔に述べよ。
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H6−問2 費用対効果の評価について

 情報システムの開発計画を立案する場合,開発予定のシステムの費用対効果を十分に分析・評価しておくことは,システムアナリストにとって重要な作業である。
 期待効果は在庫削減や経費削減など直接的に金額換算できる定量的効果と,競争力の強化や顧客サービスの向上など直接的には金額換算しにくい定性的効果に分けて考えられる。特に定性的効果については,情報システムが効果に寄与する度合いや,効果の客観的な評価尺度が明確でない場合があり,システム導入による効果の評価が難しいケースが多い。
 システムアナリストは,こうした定性的効果が中心である非定型業務のシステム化などについても,合理的な評価尺度を設定して導入効果を適切に判断し,システム開発計画を立案しなければならない。
 あなたの経験と考えに基づいて,設問ア〜ウに従って論述せよ。

設問ア 設問ア あなたが参画した情報システムの開発計画立案について,対象業務とシステム化の背景を800字以内で述べよ。
設問ア 設問イ 設問アで述べた情報システムの開発計画において,費用対効果をどのように評価したか,具体的に述べよ。効果は定量的効果と定性的効果に分け,特に定性的効果については,どのような工夫をして効果を把握しやすくしたのか述べよ。
設問ア 設問ウ あなたは,稼動後の効果把握のための体制や方法について,システム開発の計画段階でどのように配慮したか,簡潔に述べよ。
論文例 


H6−問3 システム開発における新技術・新製品の導入計画について

 情報技術は日進月歩で進んでおり、システムアナリストとしては、常に最新の技術動向を把握しておく必要がある。システム開発計画を立案する際には、新技術・新製品のメリットを撮りこんだ、最も効果的、効率的なシステムの実現方法を検討することが重要である。
 しかしながら、新技術・新製品の導入には、うたわれているとおりの性能や信頼性を保証する実績が少ないこと、既存のシステムとの接続性、整合性に不安があること、保守サービスが必ずしも保証されてないことなど、様々なリスクを伴う。新技術・新製品の導入に当たっては、こうしたリスクを回避するための対策や工夫がッ重要となる。
 このほか、新技術・新製品の導入効果を高めるためには、単に機能の目新しさだけに目を向けるのではなく、新しい技術に対する教育・訓練の必要性や、ソフトウェア資産・ハードウェア資産の継承性など幅広い検討が必要である。
 あなたの経験と考えに基づいて、設問ア〜ウに従って論述せよ。

設問ア あなたが開発計画の策定に参画したシステムにおいて、どのような新技術・新製品を導入しようとしたのか。その目的又は必要性とともに 800字以内で述べよ。
設問イ システム開発計画の立案に当たり、どのような視点から新技術・新製品導入の可否を判断し、選択を行ったのか。あなたが特に重視した点について具体的に述べよ。
設問ウ 新技術・新製品の導入を円滑に進めて効果を上げるために、導入方法、導入スケジュール、導入体制などについて留意した点を述べよ。


□御礼□

  問題のテキストデータは、松原敬二さんの
『高度情報処理技術者試験のページ』から、お借りしました。


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