□高度情報処理技術者試験の論文集  SM−テクニカルエンジニア/システム管理−過去問題&論文例




年度
設問タイトル 論文例
H18 システム障害への対応訓練について -
緊急を要する変更要求に対する変更管理プロセスについて -
分散配置されたシステムの運用管理について -
H17 システム障害の再発防止策について -
ヘルプデスクのサービス拡大について -
情報漏えいに関する対策について -
H16 情報システムにおけるサービスレベルについて 395
運用業務のアウトソーシングに向けた移行計画の立案について 457
情報システムの障害の切分けについて 466
H15 情報システムの運用効率向上について 311
セキュリティ侵害への対応策について 315, 449, 528
コンピュータ室の施設管理について -
H14
ヘルプデスクの運営について 287
パソコンの管理について -
24時間連続サービスを提供するオンラインシステムの運用について 289
H13
ネットワークの変更について -
システム移行のリハーサルについて 294
システム管理業務の見直しについて 295
H12
障害の未然防止について -
開発環境の運用管理について -
開発プロジェクトへの運用部門の参画について -
H11
システム運用のアウトソーシングについて 83
システムの運用にかかわるコスト削減について -
ヘルプデスクの運営について -
H10
分散システムの障害対応について -
分散システムの構成管理について -
システム運用におけるユーザ対応について -
H9
システムの障害対応について -
システム運用におけるキャパシティ管理について -
運用支援システムの効果的利用について -
H8
システム運用におけるコスト管理について -
障害回復に備えた運用上の方策について -
システム運用要員の育成について -
H7
システムの運用におけるセキュリティ対策について
システム運用のサービス基準について -
分散システムの運用管理について -



H18−問1 システム障害への対応訓練について

 情報システムは,企業や官公庁なとの業務遂行上のインフラとして安定稼働することが重要である。 このため,システム管理エンジニアには,情報システムの障害を未然に防止するための施策に加えて,障害が発生したときに迅速かつ確実に対応して業務に及ぼす影響を極力小さくするための施策の立案と実行が求められる。 このような施策の一つとして,システム障害への対応訓練がある。
 訓練の計画立案に当たっては,まず,訓練の目的を確認し,目的に沿った訓練項目や評価項目・評価基準を設定する。 次に,訓練の実施に向けて,関係者とともに次のような事項について検討しなければならない。
 (1)訓練に必要な情報システム資源
 (2)訓練の時期・期間
 (3)訓練の体制・手順
 実行可能な訓練計画にするためには,情報システム資源,コスト,要員などの制約条件に合わせて,訓練の実施環境や訓練項目を見直すここが必要である。 また,実施する時期・期間によっては,訓練の段階的な実施の検討が必要となる場合もある。
 訓練実施の際に,評価項目・評価基準に照らして問題点が判明した場合,システム管理エンジニアには,関係者と協議の上,問題解決に向けた対策を立案し,着実に実行することか求められる。
 あなたの経験に基づいて,設問ア〜ウに従って論述せよ。

設問ア あなたが携わった情報システムの概要と,システム障害への対応訓練の目的について,800字以内で述べよ。
設問イ 設問アで述べた目的に沿った訓練計画の概要と,実行可能な訓練計画にするために工夫した点について,それぞれ具体的に述べよ。また,訓練実施の際に,評価項目・評価基準に照らして判明した問題点と,問題解決のための対策について述べよ。
設問ウ 設問イで述べた訓練の結果を踏まえて,今後,訓練計画を立案するときの課題について,簡潔に述べよ,


H18−問2 緊急を要する変更要求に対する変更管理プロセスについて

 事業環境の変化や各種制度の変更などに伴って,運用中の情報システムに対して様々な変更要求が発生する。 システム管理エンジニアは,変更要求に確実に対処するとともに,変更後も情報システムを安全に安定して運用しなければならない。 そのためには,変更要求の受付,影響調査,承認,実施などのステップからなる,標準の変更管理プロセスを確立しておく必要がある。
 変更要求の中には緊急を要するものがあり,標準の変更管理プロセスでは対処できないことがある。 このような緊急を要する変更要求を想定して,標準の変更管理プロセスを基に緊急時の変更管理プロセスも作成しておかなければならない。
 緊急時の変更管理プロセスの作成に当たっては,まず,緊急を要する変更要求を具体的に想定する。 次に,緊急度,影響範囲,所要時間など,変更要求の特性を分析した上で,標準の変更管理プロセスに対して,簡略化,並行化,順序の入替えなどを検討する。
 さらに,緊急時の変更管理プロセスを確実に実施できるようにするためには,関連部門とともに,要員確保や資源調達の方法,連絡網の整備などを検討しておくことが重要である。
 あなたの経験に基づいて,設問ア〜ウに従って論述せよ。

設問ア あなたが携わった情報システムにおける標準の変更管理プロセスの概要と想定した緊急を要する変更要求の概要について,800字以内で述べよ。
設問イ 設問アで述べた緊急を要する変更要求への対応において,標準の変更管理プロセスでは対処できないと考えた部分は何か,具体的に述べよ。それを踏まえて作成した緊急時の変更管理プロセスについて,工夫した点を中心に具体的に述べよ。
設問ウ 設問イで述べた緊急時の変更管理プロセスについて,どのように評価しているか,簡潔に述べよ。


H18−問3 分散配置されたシステムの運用管理について

 電子メールやスケジュール菅理などのサービスを提供するために,インターネット技術を利用したシステムが本社と事業所に分散配置されることがある。
 分散配置されたシステムの運用管理のために,本社にはシステム全体の運用管理を統括するシステム管理エンジニアが,事業所には事業所内の運用管理を行うシステム担当者が任命されるのが一般的である。 システム担当者は,事業所の社員が兼務している場合が多く,システムやシステムの運用管理について知識が不足していたり,十分な時間を割けなかったりすることがある。 このため,システムの障害に対して適切な措置や迅速な対応ができないなどの問題が発生することがある。
 事業所でのこのような問題に対処するため,システム管理エンジニアは,次のような運用管理面の施策を立案し,システム担当者を指導・支援する必要がある。
 (1)システム担当者の役割の明確化や体制の見直し
 (2)障害発生時の対応方法などを記載したマニュアルの整備
 (3)システム操作やユーザ支援などのための研修や訓練の実施
 施策の立案やシステム担当者の指導・支援に当たっては,運用管理の重要性をシステム担当者や事業所内の関係者に理解してもらうこと,システム担当者の技術レベルを把握しておくこと,システム担当者との信頼関係を確立しておくことなどが重要である。
 あなたの経験に基づいて,設問ア〜ウに従って論述せよ。

設問ア あなたが携わった分散配置されたシステムの運用管理体制と,システム管理エンジニアとして認識した,事業所での運用管理の問題について,800字以内で述べよ。
設問イ 設問アで述べた問題に対し,どのような運用管理面の施策を立案し,事業所のシステム担当者を指導・支援したか。工夫した点を中心に,具体的に述べよ。
設問ウ 設問イで述べた指導・支援について,どのように評価しているか。今後の課題は何か。それぞれ簡潔に述べよ。


H17−問1 システム障害の再発防止策について

 今日では,情報システムの障害発生が,企業や官公庁の機関業務に多大な影響を与える可能性が高くなっている。 このような状況を踏まえて,障害発生時には,まず障害からの迅速な復旧を図る。 その後,発生した障害の根本原因を究明し,再発防止策を検討して実施することが重要である。
 システム管理エンジニアとしては,運用上の仕組み,運用手順,関係者間の情報伝達方法など,システム運用面からの再発防止策を講じる必要がある。 例えば,システムを確実に運用するために,運用手順の作成時に,同様なシステム運用の経験をもつエンジニアに参加してもらいレビューを行うことや,作業結果を確実に確認するために,目視確認からツールによる児童確認に変更することなどが考えられる。
 システム運用面からの再発防止策は,次の手順に従って関係者と協議し,実施が決定される。

 (1) 障害発生時に特定された直接的な原因の背景にある根本原因を究明する。
 (2) 根本原因を取り除くための対応策を,システム運用面から幾つか列挙する。
 (3) 列挙された対策案に対し,費用対効果,体制面などから採否を決定する。

 あなたの経験に基づいて、設問ア〜ウに従って論述せよ。

設問ア あなたが携わった情報システムの概要と,発生したシステム障害の概要及び業務への影響について,800字以内で述べよ。
設問イ 設問アで述べた障害に対し,究明された障害発生の根本原因は何か。また,その根本原因を取り除くために検討した,システム運用面からの再発防止策は何か。さらに,それらの採否をどのように決定したか。工夫した点を中心に,具体的に述べよ。
設問ウ 設問イで述べた再発防止策について,どのように評価しているか。今後の課題は何か。それぞれ簡潔に述べよ。


H17−問2 ヘルプデスクのサービス拡大について

 情報システム及びその利用者が多様化している中で,ヘルプデスクの利便性を高めて利用者の満足度の向上を図るためには,システム利用に関する問合せへの対応が中心であった従来のサービスに加えて,ヘルプデスクのサービスの拡大が必要になることがある。
 拡大するサービスとしては,開発部門や運用部門などの関連部門と連携して,システム設定を変更する,システム機能の改善要望を受け付ける,機器を修理する,利用者権限を変更するなどの窓口業務を行うことが挙げられる。 また,それらの対応状況やシステム運用に関する情報を,システム利用者に提供することも重要になる。
 このようなサービスを実現するためには,システム管理エンジニアは,例えば次のような事項について検討し,関連部門を含めた業務効率を考慮して適切な方策を立案し,実施する必要がある。

 (1) 関連部門と連携した処理及び管理のプロセス
 (2) ヘルプデスクと関連部門の役割分担
 (3) 関連部門に蓄積された,問題の解決や回避に関するノウハウの共有
 (4) システム運用に関する情報の収集及び提供の仕組み

 あなたの経験に基づいて、設問ア〜ウに従って論述せよ。

設問ア あなたが携わったヘルプデスクの概要(サービス,利用者,体制など)と,関連部門と連携して拡大したサービスの概要について,800字以内で述べよ。
設問イ 設問アで述べたヘルプデスクのサービスの拡大を実現するために検討した事項を列挙せよ。また,その中で,あなたが特に重要と考えた検討事項を具体的に述べ,それに対する方策について,工夫した点を中心に,具体的に述べよ。
設問ウ 設問イで述べた方策について,どのように評価しているか。今後の改善点は何か。それぞれ簡潔に述べよ。


H17−問3 情報漏えいに関する対策について

 情報システムの利用範囲が広くなるにつれて,情報システムで取り扱う情報の中に,個人情報や企業の機密情報が多く含まれるようになってきている。 このような情報が社外に漏えいすると,企業の存続にもかかわる大きな問題になる可能性がある。
 システム管理エンジニアには,このような機密性の高い情報に対して,システムの物理面,管理面及び技術面から漏えいを防止するための対策と,漏えいした場合の損害を最小限に食い止めるための対策の検討が求められる。
 情報漏えいに関する対策を検討する際には,関係部門とともに,機密性の高い情報を特定し,その漏えいリスクを明確にする必要がある。
 その上で,漏えいを防止するために,物理面からは,入退室者の厳格な本人確認や外部記憶媒体の持込み・持出し制限などを検討する。 運用管からは,相互チェックの仕組みやアクセス権限の適切な更新などを検討する。 また,技術面からは,アクセス範囲の限定や外部記憶媒体への情報書込み制限の仕組みなどを検討する。
 漏えいした場合の損害を最小限に食い止めるには,漏えいの事実を早期に把握して,迅速に対応することが求められる。 そのためには,情報システムへのアクセスログの継続的な取得及びその評価の仕組み,関係部門と連携した漏えい時の対応体制や対応プロセスなどの確立が重要である。
 あなたの経験に基づいて、設問ア〜ウに従って論述せよ。

設問ア あなたが携わった情報システムの概要と,機密性の高い情報の概要及びその情報が漏えいした場合の影響について,800字以内で述べよ。
設問イ 設問アで述べた情報について,関係部門と協力してどのような方法で漏えいリスクを明確にしたか。その上で,漏えいを防止するための対策,及び漏えいした場合の損害を最小限に食い止めるために講じた対策について,工夫した点を中心に,具体的に述べよ。
設問ウ 設問イで述べた対策について,どのように評価しているか。今後の課題は何か。それぞれ簡潔に述べよ。


H16−問1 情報システムにおけるサービスレベルについて

 近年は,企業の内外を問わず,情報システム部門の提供するサービスの品質を数値化した,いわゆるサービスレベルが運用業務の実施内容の評価指標として活用される傾向にある。
 システム管理エンジニアがユーザと合意の上で設定するサービスレベルの項目としては,例えば次のようなものがあり,それぞれの基準値も合意しておく必要がある。

 システム管理エンジニアは,サービスレベルの維持に責任があり,状況を監視しておくことが必要である。サービスレベルの基準値と実測値とがかい離している場合は,状況を分析の上,対策を立案し実施しなければならない。また,サービスレベルの維持状況についてユーザに説明・報告し,ユーザからの評価を確認することも重要である。
 あなたの経験に基づいて、設問ア〜ウに従って論述せよ。

設問ア あなたが携わった情報システムにかかわるサービスの概要と,重要と考えたサービスレベルの項目の設定理由と基準値について,800字以内で述べよ。
設問イ 設問アで述べたサービスレベルについて,その維持のためにどのような方策を講じたか。工夫した点を中心に具体的に述べよ。
設問ウ 設問イで述べたサービスレベル維持のための方策をどのように評価しているか。今後の課題は何か。それぞれ簡潔に述べよ。
論文例 


H16−問2 運用業務のアウトソーシングに向けた移行計画の立案について

 情報システムの運用業務の全体又は一部を外部に委託する,いわゆるアウトソーシングが広く行われている。システム管理エンジニアは,運用業務のアウトソーシングへの移行に際し,中心的役割を期待される。
 運用業務のアウトソーシングへの移行では,対象業務,サービス内容,責任分担を事前に明確にした上で,移行計画の立案,移行の準備と実施,移行後のフォローを行う。アウトソーシングへ円滑に移行するためには,適切な移行計画を立案することが重要である。
 移行計画の立案作業において,委託側のシステム管理エンジニアと受託側のシステム管理エンジニアは,次のような事項について協議し,合意する必要がある。

 あなたの経験に基づいて、設問ア〜ウに従って論述せよ。

設問ア あなたが携わった情報システムの概要と,アウトソーシングの目的及び対象となった運用業務の概要について,あなたの立場(委託側か受託側か)を明確にした上で,800字以内で述べよ。
設問イ 設問アで述べたアウトソーシングへの移行に際し,移行計画の立案作業の中で重視した事項に関して,重視した理由及び相手側のシステム管理エンジニアと協議し,合意した内容について,工夫した点を中心に具体的に述べよ。
設問ウ 設問イで述べた移行計画をどのように評価しているか。実施結果を踏まえ,簡潔に述べよ。
論文例 


H16−問3 情報システムの障害の切分けについて

 情報システムに障害が発生した場合は,利用者への影響を最小限に抑えるために,システムを早期に復旧しなければならない。障害発生時には,障害の検知,障害の切分け,復旧処理の実施など一連の障害対応を行うことになる。早期復旧に向けて適切な対応を行うためには,障害の切分けを的確に行うことが重要である。
 障害発生時は,障害対応マニュアルに定められた切分け手順に従って障害箇所の特定を行う。しかし,障害対応マニュアルの手順では切分けができなかった場合,システム管理エンジニアは,関係者を招集し,障害状況の分析などの作業を統括して障害箇所の特定を行わなければならない。
 切分けに当たっては,システムの特徴を踏まえて,次のような調査を行いながら状況を分析し障害箇所を絞り込んでいくことが必要である。

 あなたの経験に基づいて、設問ア〜ウに従って論述せよ。

設問ア あなたが携わった情報システムの概要と,障害対応マニュアルに定められた切分け手順では切分けができなかった障害について,800字以内で述べよ。
設問イ 設問アで述べた障害の切分けについて,どのように作業を統括し,どのような方法で切分けを行ったか。工夫した点を中心に具体的に述べよ。
設問ウ 設問イで述べた障害の切分けをどのように評価しているか。今後の改善点は何か。それぞれ簡潔に述べよ。
論文例 


H15−問1 情報システムの運用効率向上について

 情報システムは,業務の拡大や変更によって大規模化・複雑化する傾向にある。大規模化・複雑化したシステムを運用するためには,より多くのハードウェア,ソフトウェア,施設,要員などの運用資源が必要となる。このように増大する運用資源要求に対して経済性を追求していくために,システム管理エンジニアは継続的に運用効率向上を図る必要がある。
 運用効率向上のための改善プロセスは,関連部門と協力しながら,例えば次のように進められる。

  1. 運用資源の稼動状況を定量的に分析し,改善点を明確にする。
  2. 運用資源の提言又は活用の目標値を定め,施策を立案する。
  3. 施策を実施する。
  4. 施策および実施結果を評価する。
 運用効率向上の施策としては,運用体制の改善,運用スケジュールの見直し,システム構成の見直し,新技術の導入などがある。
 施策の立案及び実施にあたっては,安全性・安定性の確保も十分考慮する必要がある。
 あなたの経験に基づいて、設問ア〜ウに従って論述せよ。

設問ア あなたが運用効率向上の対象とした情報システムと運用の概要,及び運用効率向上に着手した理由について,800字以内で述べよ。
設問イ 設問アで述べた情報システムにおいて,運用効率向上のためにどのようにして運用資源の稼動状況を分析したか。その結果としてどのような施策を実施したか。それぞれ工夫した点を中心に具体的に述べよ。
設問ウ 運用効率向上の施策及び実施結果をどのように評価しているか。また,今後どのような改善が必要と考えているか。それぞれ簡潔に述べよ。
論文例   


H15−問2 セキュリティ侵害への対応策について

 外部と接続された企業内ネットワークシステムにおいては,外部からの不正アクセスやウィルスなどによるセキュリティ侵害への対応策が不可欠となっている。このため,業務の特徴や重要性を踏まえて,システム面及び運用管理面からセキュリティ侵害への効果的な対応策を講じておく必要がある。
 システム面の対応策としては,外部からの不正アクセスを防止するためのハードウェア・ソフトウェアの導入や,ウイルス感染を防止するためのソフトウェアの導入などがある。
 運用管理面の対応策としては,外部からの不正アクセス状況の監視,ウイルス対策ソフトウェアの最新バージョンへの更新,セキュリティパッチの適用など,適切な予防措置を講じることが重要である。また,不正アクセスやウイルス感染などが発生した場合の連絡体制,対応手順など,異常事態発生時の対応策についても明確にしておく必要がある。
 あわせて,ユーザに対して,セキュリティに対する意識を高めるための教育・指導や,運用ルール遵守の徹底なども重要である。
 あなたの経験に基づいて、設問ア〜ウに従って論述せよ。

設問ア あなたが携わったネットワークシステムの概要と,セキュリティ侵害へのシステム面での対応策の概要について,800字以内で述べよ。
設問イ 設問アで述べたシステム面の対応策に加えて、業務の特徴や重要性を踏まえ,運用管理面ではどのような対応策を実施したか。理由とともに,工夫した点を中心に具体的に述べよ。
設問ウ 設問イで述べた対応策及び実施結果をどのように評価しているか。また,今後どのような改善が必要と考えているか。それぞれ簡潔に述べよ。
論文例  論文例  論文例  


H15−問3 コンピュータ室の施設管理について

 分散処理の進展によって,専用のコンピュータ室だけでなく,オフィスの一角にコンピュータ室を作り,情報システム機器を設置する形態も多くなってきた。また,設置機器も大型汎用機からパソコンサーバまで多様化していきている。
 このような環境において,頻繁に発生する情報システム機器の新設・増設・更新の要求に的確に対応するため,システム管理エンジニアには,コンピュータ室の施設使用状況を把握し,計画的に施設管理を行うことが要求される。
 コンピュ−タ室の施設使用状況としては,

 などを把握する必要がある。
 加えて,機器の新設・増設・更新・撤去に関する情報を早期に収集し,現状の施設使用状況や設置基準に照らし合わせて,施設の収容限界を予測することや施設計画を立案することが重要である。
 あなたの経験に基づいて、設問ア〜ウに従って論述せよ。

設問ア あなたが携わった情報システムにおける情報システム機器の概要と,コンピュータ室の施設の概要について,800字以内で述べよ。
設問イ 設問アで述べたコンピュータ室において,機器の新設・増設・更新の要求に的確に対応するために,施設管理をどのように行っているか。工夫した点を中心に具体的に述べよ。
設問ウ 設問イで述べたコンピュータ室の施設管理をどのように評価しているか。また,今後どのような改善が必要と考えているか。それぞれ簡潔に述べよ。


H14−問1 ヘルプデスクの運営について

 昨今の情報システムにおいて、ヘルプデスクは企業内利用者へのサポート窓口や、顧客サービスにおける第一線の窓口として重要な役割を担うようになってきた。また、利用者が初心者からベテランまで広範であること、情報技術の変化が激しいこと、対象とするシステムが複雑になってきたことなどによって、ヘルプデスクにはきめ細かな対応が要求されている。
 このような状況において、利用者に対して迅速かつ的確なサポートを行うためには、

などを蓄積したデータベースを構築し、ヘルプデスク内で共有することが重要である。
 また、情報技術や対象とするシステムについて最新の知識の習得、問合せ内容を正確に聞き出すインタビューテクニックや、ユーザのレベルに応じて的確に説明を行えるスキルの習得など、ヘルプデスク要員に適切な教育を行う必要がある。
 あなたの経験に基づいて、設問ア〜ウに従って論述せよ。

設問ア あなたがかかわったヘルプデスクの概要と、あなたの役割及びヘルプデスク利用者の特徴について、800字以内で述べよ。
設問イ 設問アを踏まえて、ヘルプデスクの運営における課題とその対応策について、工夫した点を中心に具体的に述べよ。
設問ウ 設問イで述べた対応策をどのように評価しているか。また、今後どのような改善が必要と考えているか。それぞれ簡潔に述べよ。
論文例   


H14−問2 パソコンの管理について

 文書の作成や交換、業務システムへの接続、電子メールの利用など、企業内ネットワークでのパソコンの活用が進むに伴い、機種、接続形態、利用するソフトウェアなどが多岐にわたるとともに、その台数も急激に増加している。
 このため、パソコンの導入時や利用時における管理が的確に行われないと、データ交換ができない、セキュリティが確保できないなど、業務運営に支障を来すことになる。
 システム管理エンジニアは、標準的なパソコンの使用、搭載するソフトウェア仕様などを規定した導入ガイドラインを作成しておくことが必要となる。このガイドラインに基づいて導入したパソコンに対して、ネットワークアドレス管理、ソフトウェアライセンス管理、物品管理など、パソコンに関する様々な管理の仕組みを確立し、関係部署に周知徹底することが重要となる。
 あなたの経験に基づいて、設問ア〜ウに従って論述せよ。

設問ア あなたが管理の対象としたパソコンの用途、接続形態、接続されているネットワーク規模などのシステムの概要と、パソコン管理の必要性について、800字以内で述べよ。
設問イ 設問アで述べたシステムのパソコン管理において、どのような問題が発生し、それをどのように解決したか。管理の仕組みと工夫した点を中心に具体的に述べよ。
設問ウ 現在の管理の仕組みをどのように評価しているか。また、今後どのような改善が必要と考えているか。それぞれ簡潔に述べよ。


H14−問3 24時間連続サービスを提供するオンラインシステムの運用について

 インターネット利用の拡大やシステムのグローバル化によって、24時間連続してサービスを提供するオンラインシステムが増加している。
 こうしたシステムでは、従来のように夜間や休日にサービスを停止して、データバックアップ、バッチ処理、プログラムリリース、ハードウェア保守などを行うことが容易にはできないので、運用面において特別な考慮や工夫が必要とされる。
 したがって、システム管理エンジニアは24時間連続サービスを提供するために、システム設計時に、システム構成や処理方式などの技術的検討を行うとともに、運用基準、運用方式、運用体制、障害対応などを十分考慮して運用設計を行うことが重要である。
 また、運用時においても、運用監視、障害時の連絡、ユーザ支援などに特別な工夫が必要である。
 あなたの経験に基づいて、設問ア〜ウに従って論述せよ。

設問ア あなたが携わったシステムの構成、処理方式などの概要と、24時間連続サービスを必要とした背景について、800字以内で述べよ。
設問イ 設問アで述べたシステムにおいて、24時間連続サービスを提供するために、システム設計時に運用設計上どのような工夫をしたか。また、運用時にはどのような工夫をしたか。それぞれ具体的に述べよ。
設問ウ 現在のシステムをどのように評価しているか。また今後どのような改善が必要と考えているか。それぞれ簡潔に述べよ。
論文例   


H13−問1 ネットワークの変更について

 営業所や支店の統廃合や拡張、業務態勢や組織の変更、新しい通信技術やハードウェアの導入などに伴い、ネットワークに対する様々な変更要求が頻繁に発生する。
 一方、ネットワークは、情報システムのかなめとなってきており、ネットワークの停止が情報システム全体に大きな影響を及ぼすことも考えられる。したがって、ネットワークの変更は、確実に行うことが必要である。
 このためには、ハードウェア、通信回線、ソフトウェアなどのネットワーク資源に関する物理構成、論理構成、バージョン、過去の変更履歴などの情報を適切に管理しておくとともに、ネットワークの変更においては、これらの情報を十分に活用することが重要である。
 あなたの経験に基づいて、設問ア〜ウに従って論述せよ。

設問ア あなたが携わった情報システムのネットワークの概要と、ネットワークの変更を確実に行うために重点的に管理したネットワーク資源について、800字以内で述べよ。
設問イ 設問アで述べたネットワーク資源に関する情報の管理と、ネットワークの変更におけるその情報の活用について、工夫した点を中心に具体的に述べよ。
設問ウ ネットワーク資源に関する情報の管理について今後改善したいことは何か。ネットワークの変更の視点から簡潔に述べよ。


H13−問2 システム移行のリハーサルについて

 円滑なシステム移行を行うため、本番移行前にシステム移行のリハーサル(システム移行テスト)を行うことが必要となる。
 システム移行テストに当たっては、テスト計画の作成段階から、運用部門、開発部門、ユーザ部門との役割分担や体制を明確にしておかなければならない。
 テスト計画の作成においては、業務処理やシステム構成などを十分理解したうえで、移行のために準備した移行用プログラムや移行手順、データの移行結果、移行処理時間などの検証対象を明確にするとともに、その評価基準を設定しておくことが重要である。
 また、テスト実施後、評価基準に基づいて的確に評価を行い、発見された問題点に対しては、システムの本番移行前に確実に解決するよう対策を講じる必要がある。この際、システム機能、移行用プログラムなど開発にかかわる問題については、開発部門に改善を申し入れなければならない。
 あなたの経験に基づいて、設問ア〜ウに従って論述せよ。

設問ア あなたが携わった移行対象システムと、システム移行の概要及び特徴について、800字以内で述べよ。
設問イ 設問アで述べたシステムのシステム移行テストに関する次の事項について、具体的に述べよ。
  1. 運用部門、開発部門、ユーザ部門との役割分担及び体制
  2. 検証対象とその評価基準
  3. テスト実施後、発見された問題点とその対策
設問ウ システムの本番移行結果から見て、あなたは設問イで述べたシステム移行テストをどのように評価しているか。簡潔に述べよ。
論文例   


H13−問3 システム管理業務の見直しについて

 システムを安定的かつ効率的に運用するために、システムの資源管理、障害管理、セキュリティ管理、性能管理など多岐にわたるシステム管理業務がある。
 一方、システムの運用環境は、業務機能の変更や追加、利用量の増加、新しい情報技術の採用やシステム形態の変更、機器構成の変更など、時間の経過とともに変化する。このような運用環境の変化に合わせて、システム管理業務を見直し、適切な改善を図ることが必要となる。
 見直しに当たっては、サービス水準、運用コスト、運用要員数など、様々な制約条件を考慮することが重要となる。また、改善策によっては利用者への影響もあるので、改善策の周知や理解を得るための事前の調整も行うことも必要となる。
 あなたの経験に基づいて、設問ア〜ウに従って論述せよ。

設問ア あなたが携わったシステムの概要と、システム管理業務を見直す要因となった運用環境の変化について、800字以内で述べよ。
設問イ 設問アを踏まえ、システム管理業務の見直しに関する次の事項について、具体的に述べよ。
  1. 対象としたシステム管理業務
  2. 考慮した制約条件
  3. 改善策と実施に当たって工夫した点
設問ウ 設問イで述べた改善策と工夫した点についてどのように評価しているか。簡潔に述べよ。
論文例   


H12−問1 障害の未然防止について

 システム運用においては、多種多様な障害が発生する。これらの障害を未然に防止することは、発生した障害に対する再発防止策の実施と共に障害管理の重要な業務である。
 障害の未然防止策には、予防保守、確実な操作の徹底、設備や機器の二重化などがあるが、システム運用管理エンジニアとしては、投資効果を踏まえた対策を選択する必要がある。
 このために、システム構成上の特徴に応じた管理対象を定め、それらの稼働状況や障害発生傾向について把握、分析する手段と体制を確立し、分析結果に基づく未然防止策を実施しなければならない。
 あなたの経験に基づいて、設問ア〜ウに従って論述せよ。

設問ア あなたが携わったシステムの概要とシステム構成上の特徴について、800字以内で述べよ。
設問イ 設問アで述べたシステムにおける障害の未然防止に関する次の事項について、具体的に述べよ。
  1. 未然防止のための主要な管理対象とそれを選んだ理由
  2. (1) で選んだ主要な管理対象について、稼働状況や障害発生傾向の把握及び分析を行う手順と体制
  3. (2) の結果として実施した障害の未然防止策
設問ウ 設問イで述べた障害の未然防止策の実施後、障害の発生にどのような変化が見られたか。簡潔に述べよ。


H12−問2 開発環境の運用管理について

 開発業務を効率的に行うために開発環境を整備し、適切に運用管理することは、システム運用管理エンジニアの重要な業務である。
 特に本番環境と開発環境が同一のコンピュータ上で稼働していたり、磁気ディスク装置、印刷装置、端末、ネットワークなどを共有しているような環境では、本番業務に影響を与えないように、的確な方策を講じ、厳正に管理することが必要である。
 こうした環境での運用管理業務の例としては、次のようなものがある。
(1) テスト実施後に開発環境を本番環境に復元すること
(2) 本番環境と開発環境が共有する資源の使用スケジュールを調整すること
(3) 本番用ライブラリと開発用ライブラリを区分けすること
 また、このような運用管理業務を適切に実施するためには、開発部門との役割分担を明確にしておくことも必要である。
 あなたの経験に基づいて、設問ア〜ウに従って論述せよ。

設問ア あなたが携わった開発環境の概要、及び本番環境とのかかわりについて、800字以内で述べよ。
設問イ 設問アで述べた開発環境の運用管理に関する次の事項について、具体的に述べよ。
  1. 本番環境に影響を与えると考えた問題点
  2. その問題点を解消するために実施した対策と工夫点
設問ウ 設問イで述べた運用管理の対策をあなたはどのように評価しているか。また課題は何か。それぞれ簡潔に述べよ。


H12−問3 開発プロジェクトへの運用部門の参画について

 円滑で効率的なシステム運用を実現するためには、運用部門が開発プロジェクトに参画することが必要である。
 開発プロジェクトに参画するシステム運用管理エンジニアは、運用面から見たシステム構成に関する提案や、運用管理機能の実装などを、開発プロジェクトに強く働きかけていくことが重要である。そのために、運用標準の提示、運用面からのシステム設計のレビュー、性能テスト結果の検証、システム移行方法の立案などを積極的に行う必要がある。
 また、運用部門は、開発プロジェクトと密接な連携をとりながら、円滑な本番開始に向けて、事前に適切な運用準備を行う必要がある。
 あなたの経験に基づいて、設問ア〜ウに従って論述せよ。

設問ア あなたが携わった開発対象システムと開発プロジェクト体制の概要について、800字以内で述べよ。
設問イ 設問アで述べた開発プロジェクトにおいて、あなたが果たした役割に関する次の事項について、具体的に述べよ。
  1. あなたがその開発プロジェクトで果たした役割と実施した内容
  2. (1) で述べた活動をもとに、本番開始に向けて、事前に運用部門で実施した内容
設問ウ 設問イで述べた開発プロジェクトへの参画をどのように評価しているか。また課題は何か。それぞれ簡潔に述べよ。


H11−問1 システム運用のアウトソーシングについて

 近年,単なるオペレーション委託ではなく、運用業務を包括的に外部の専門企業に委託するアウトソーシングの事例が多くなってきている。
 アウトソーシングは通常、次のような目的をもって実施されている。

 システム運用管理エンジニアは、システムのアウトソーシングの目的を達成するために、アウトソーシングの業務内容、範囲、特性を考慮した適切な施策を講じることが重要である。
 あなたのアウトソーシングを委託又は受託した経験に基づいて、設問ア〜ウに従って論述せよ。

設問ア アウトソーシングの対象となったシステムの概要と運用体制及びあなたの立場(委託又は受託)について、800字以内で述べよ。
設問イ 設問アで述べたシステムのアウトソーシングに関する次の事項について、具体的に述べよ。
  1. 委託又は受託した業務内容と範囲
  2. アウトソーシングの目的
  3. その目的を達成するための施策と工夫した点
設問ウ 設問イで述べた施策と工夫についてどのように評価しているか。また、今後どのような改善が必要と考えているか。それぞれ簡潔に述べよ。
論文例   


H11−問2 システムの運用にかかわるコスト削減について

 システムの運用において、新規投資の抑制、経費の削減など、様々な形でコストの削減が求められている。
 運用部門としては、コンピュータ機器や設備、ネットワーク、運用要員、電力や消耗品など、コスト項目を洗い出し、積極的にコスト削減を行うことが重要である。
 コスト削減施策の検討に当たっては、システム開発側とも協力して、システムの安定稼動に十分に配慮し、ハードウェアの適正化、消耗品の見直し、要員の削減などの適切な施策を実施することが必要である。
 また、コスト削減施策によっては、利用者の理解と協力も必要となり、利用者に対する事前の調整が重要である。
 あなたの経験に基づいて、設問ア〜ウに従って論述せよ。

設問ア あなたが携わったシステムの概要と運用体制について、800字以内で述べよ。
設問イ 設問アで述べたシステムの運用にかかわるコスト削減に関する次の事項について、具体的に述べよ。
  1. 運用部門で実施できるコスト削減項目
  2. 利用者の理解と協力によって実施できるコスト削減項目
  3. 実施したコスト削減施策と工夫した点
設問ウ 設問イで述べた施策と工夫についてどのように評価しているか。また、今後どのような追加施策を考えているか。それぞれ簡潔に述べよ。


H11−問3 ヘルプデスクの運営について

 インターネット、イントラネット、エンドユーザコンピューティングなどの普及に伴い、システムの利用に関する相談窓口としてのヘルプデスクの重要性が増大してきている。
 ヘルプデスクの運営に当たっては、回答の迅速さ、回答の的確さ、サービスの範囲などについて、利用者が満足しているかどうかを常に把握し、ユーザ満足度の維持・向上のための適切な施策を講じることが重要である。
 また、経費や人員など、運営上の制約も多くあり、効率的な運営を心がけることも必要である。
 あなたの経験に基づいて、設問ア〜ウに従って論述せよ。

設問ア あなたがかかわったヘルプデスクについて、サービス内容、利用者数、運営体制などを、800字以内で述べよ。
設問イ 設問アで述べたヘルプデスクに関する次の事項について、具体的に述べよ。
  1. 重視したユーザ満足度の項目
  2. ユーザ満足度を維持・向上させるための施策と工夫した点
  3. 効率的な運営のための施策と工夫した点
設問ウ 設問イで述べた施策と工夫についてどのように評価しているか。また、今後どのような改善が必要と考えているか。それぞれ簡潔に述べよ。


H10−問1 分散システムの障害対応について

 ダウンサイジングの進展、イントラネットやエクストラネットの普及などによって、ワークステーションやパソコンを活用した分散システムが増えてきている。
 分散システムの運用管理においては、多くの点でホスト集中型のシステムの場合とは異なった対応が必要となる。特に障害に関しては、

などの分散システム特有の問題点がある。
 したがって、障害時の業務への影響の極小化や回復時間の短縮など障害対応上の要件と、分散システム特有の問題点とを十分に把握し、運用管理面からの適切な方策を講じておくことが重要である。
 あなたの経験に基づいて、設問ア〜ウに従って論述せよ。

設問ア あなたが携わった分散システムの概要と運用体制について、800字以内で述べよ。
設問イ 設問アで述べた分散システムの障害対応に関する次の事項について、具体的に述べよ。
  1. 障害時の業務への影響と障害対応上の要件
  2. その要件を実現するに当たって、課題となった分散システム特有の問題点
  3. 前述の問題点を解決するために実施した運用管理上の方策と工夫した点
設問ウ 設問イで述べた方策についてどのように評価しているか。また、今後どのような改善が必要と考えているか。それぞれ簡潔に述べよ。


H10−問2 分散システムの構成管理について

 分散システムの運用においては、

などの理由で、障害発生時の対応やシステム構成の変更などが難しくなることが多い。
 したがって、ハードウェアの型式、ソフトウェアのバージョン、ネットワークのアドレス情報など、構成要素についての情報を、適切に管理することが重要である。
 このためには、運用管理基準の明確化、管理ツールの効果的な活用、正確な構成情報の把握などの施策が必要である。
 あなたの経験に基づいて、設問ア〜ウに従って論述せよ。

設問ア あなたが携わった分散システムの概要と構成について、800字以内で述べよ。
設問イ 設問アで述べた分散システムの構成管理に関する次の事項について、具体的に述べよ。
  1. 構成管理の対象として重要と考えた構成要素とその理由
  2. その構成要素を管理する上での問題点
  3. 前述の問題点を解決するために実施した方策と工夫した点
設問ウ 設問イで述べた方策についてどのように評価しているか。また、今後どのような改善が必要と考えているか。それぞれ簡潔に述べよ。


H10−問3 システム運用におけるユーザ対応について

 コンピュータシステムやネットワークが複雑化・多様化するにつれて、システム運用におけるユーザ対応業務の内容も幅広くなってきている。
 ユーザ対応業務の内容としては、

などが挙げられる。
 システム運用管理エンジニアは、こうしたユーザ対応を的確かつ効率的に行うため、業務の分担、ユーザとの連絡方法、運用ルールの整備、ツールの準備などにおいて、さまざまな工夫をする必要がある。
 あなたの経験に基づいて、設問ア〜ウに従って論述せよ。

設問ア あなたが携わったシステムの概要とユーザ対応の体制について、800字以内で述べよ。
設問イ 設問アで述べたシステムのユーザ対応に関する次の事項について、具体的に述べよ。
  1. ユーザ対応の業務内容
  2. ユーザ対応を効率的に行う上での問題点
  3. 前述の問題点を解決するために実施した方策と工夫した点
設問ウ 設問イで述べた方策についてどのように評価しているか。また、今後どのような改善が必要と考えているか。それぞれ簡潔に述べよ。

(注)各問の設問イで用いられている番号は原文では丸囲み数字


H9−問1 システムの障害対応について

 コンピュータシステムの運用においては、障害が発生したときの一次対応を迅速・的確に行うことが、利用者への影響を最小限にとどめ、その後の回復処理や原因究明を円滑に行うために重要である。
 このため、システム運用管理エンジニアは、システムを構成するハードウェアやソフトウェアなどの障害の検知、その障害が業務に与える影響度の把握、関係者への連絡、システムの回復や原因究明に必要となる障害情報の収集など、障害時の一次対応手順や方法を確立しておく必要がある。
 あなたの経験に基づいて、設問ア〜ウに従って論述せよ。

設問ア あなたが携わったシステムの概要と、障害が発生した場合の利用者への影響など、障害に対応するうえでの特徴について、800字以内で述べよ。
設問イ 設問アで述べた特徴を踏まえ、障害の一次対応に関する次の事項について、工夫した点を中心に具体的に述べよ。
  1. 障害検知の仕組み
  2. システム回復や原因究明に必要な情報とその収集方法
  3. ハードウェアやソフトウェアの障害など、障害に応じた関係者への連絡体制とその連絡方法
設問ウ 障害の一次対応に関する今後の改善課題は何か。またその課題をどのように解決しようと考えているか。それぞれ簡潔に述べよ。


H9−問2 システム運用におけるキャパシティ管理について

 システムのキャパシティ管理は、システムを安定稼働させるために重要な業務である。システムリソースの不足による危機的事態を回避するためには、システム負荷状況の把握と分析、将来のシステムリソースの使用予測を行うとともに、それらの結果をシステムリソース増強計画に的確に反映させるための手順を確立しておく必要がある。
 キャパシティ管理のための監視対象としては、CPU、メモリ、ディスク、チャネル、回線の使用率などがあるが、それらのシステムリソースの使用状況が複合的に関係しながらシステムの限界に達することもあり、多面的な分析を行うことが必要である。
 あなたの経験に基づいて、設問ア〜ウに従って論述せよ。

設問ア あなたが携わったシステムの概要と、キャパシティ管理の対象となるシステムリソースの使用上の特性について、800字以内で述べよ。
設問イ 設問アで述べた特性を踏まえ、キャパシティ管理に関する次の事項について、工夫した点を中心に具体的に述べよ。
  1. キャパシティ管理の対象とするデータの選定根拠と収集手順
  2. システムリソースの負荷状況を把握するうえでの分析・評価の方法
  3. 2の評価の結果から発見される問題点への対応手順
設問ウ あなたは将来のシステムリソースの使用予測を、どのように行っているか。また、その予測をシステムリソース増強計画にどのように反映させているか。簡潔に述べよ。


H9−問3 運用支援システムの効果的利用について

 運用支援システムは、多様化・複雑化するシステム運用業務における省力化、正確性・迅速性向上などを目的として利用される。
 運用支援システムの導入に当たっては、業務システムの規模や業務量、ハードウェア、基本ソフトウェア及び運用体制など、センタや分散サイトの運用環境を考慮して、適切なソフトウェアパッケージや自動化機器の選択を行う必要がある。
 しかし、これらの運用環境は変化するので、運用支援システムの継続的改善を行い、効果的利用を図ることが大切である。
 あなたの経験に基づいて、設問ア〜ウに従って論述せよ。

設問ア あなたが携わった業務システムの概要と、運用支援システムの導入目的及び概要について、800字以内で述べよ。
設問イ 設問アで述べた運用支援システムに関する次の事項について、具体的に述べよ。
  1. 導入後に生じた運用環境の変化
  2. 変化に起因する利用上の問題点
  3. 問題点を解決するために工夫した方策とその評価
設問ウ あなたは、今後、予想される運用環境の変化に対して運用支援システムをどのように改善しようと考えているか。簡潔に述べよ。

(注)各問の設問イで用いられている番号は原文では丸囲み数字


H8−問1 システム運用におけるコスト管理について

 システム運用におけるコスト管理においては、効率的にコストをかけているか、ユーザに適切に配賦されているかを把握するとともに、配賦基準に関する情報を開示して、ユーザ部門の十分な理解を得られるようにしておくことが重要である。
 このようなコスト管理を通じて、運用におけるコスト対効果を高める努力が必要となる。このためには、稼働率の低い機器の他の機器への統合及び撤去、消耗品などの単価の見直しや消費量の削減など、無駄なコストを削減するといった方策が考えられる。同時に、運用支援ソフトや自動化機器の導入、機器のリプレース、レンタルやリースなど機器の契約方法の見直しといった、短期的には投資を伴うが中長期的にはコスト対効果を高める方策についても十分検討する必要がある。また、配賦基準を調整することによってユーザ部門にコストの抑制を促すなどの方策もある。
 こうした方策の検討に当たっては、サービス水準の維持を前提とすべきであるが、ユーザ部門と合意のうえで水準を落とすことが必要となる場合もある。
 あなたの経験に基づいて、設問ア〜ウに従って論述せよ。

設問ア あなたが携わった運用部門の日常のコスト管理の概要とシステム運用コストの特性について、800字以内で述べよ。
設問イ コスト対効果を高めるためにどのような方策を実施し、どのような効果があったか。方策を検討する際に考慮した点とともに具体的に述べよ。
設問ウ 今後発生すると考えられるコスト管理上の課題について、簡潔に述べよ。


H8−問2 障害回復に備えた運用上の方策について

 システムの障害は業務に多大な影響を与えるため、障害が発生した時にはシステムを迅速に復旧できるようにしておくことが重要となる。障害への迅速な対応と回復処理が正しく行われるようにするには、次のような運用上の方策が必要である。

 このような方策の立案に当たっては、システム開発担当者などの協力を得て、システム全般にわたった検討を行うことが重要である。また、回復手順の訓練、データベースの保存など、日常業務における着実な実行を管理することも必要である。
 あなたの経験に基づいて、設問ア〜ウに従って論述せよ。

設問ア あなたが携わったシステムの概要と信頼性に関する特徴について、800字以内で述べよ。
設問イ 設問アで述べたシステムにおいて、障害回復を迅速に行うために重要と考えた運用上の課題は何か。それに対してどのような方策を行ったか、工夫した点を中心に具体的に述べよ。
設問ウ 設問イで述べた方策について、あなたはどのように評価しているか。また、今後の改善をどのように考えているか。それぞれについて簡潔に述べよ。


H8−問3 システム運用要員の育成について

 システム運用部門を取り巻く環境は、情報システム技術の著しい進歩によって大きく変化しており、システム運用要員に求められる知識や行うべき業務内容も変化しつつある。例えば、クライアントサーバ型システムに代表される分散システムの普及によって、様々な分散機器に対する幅広い知識や、ユーザ部門との密接な連携などが必要となってきている。
 このため、従来からの知識、技術、能力だけでは円滑なシステム運用が困難であり、運用環境の変化に対応したシステム運用要員の育成が求められる。
 システム運用要員の育成に当たっては、運用対象の適用業務についての知識や異常時の処置を含む運用の基本的な技術は当然のこと、新しい情報システム技術の修得、コミュニケーションや問題発見のための能力などについても十分に考慮しなければならない。
 また、適切な育成カリキュラムの設定、指導体制の整備、日常業務を遂行しながらの OJT の着実な実施などが必要である。更に、企業の人材育成体系と部門独自の育成体系との効果的な組合せや、各種外部機関の活用なども考慮すべきである。
 あなたの経験に基づいて、設問ア〜ウに従って論述せよ。

設問ア あなたが所属したシステム運用部門の概要と特徴および最近の運用環境の変化について、800字以内で述べよ。
設問イ 設問アで述べた運用環境の変化に対して、システム運用要員に求められる知識、技術、能力はどのように変わってきたか。これらの修得、向上のためにどのような方策を採ったか。工夫した点を中心に具体的に述べよ。
設問ウ 設問イで述べた方策についてどのように評価しているか。また、更なる改善のためにどのように考えているか。簡潔に述べよ。


H7−問1 システムの運用におけるセキュリティ対策について

 災害、システム障害、故意・過失による不正使用や改ざんなどから、人、施設、設備、ハードウェア、ソフトウェア、データ、ネットワーク、端末などを保護し、システムの安全かつ安定した稼動を保証するために、コンピュータセンタのセキュリティ対策を実施することはシステム運用上重要である。
 セキュリティ対策には、システムの機能として組み込まれたパスワード、スクランブルなどの技術面での対策、コンピュータ室の入退室管理、防犯管理など管理面での対策、防犯設備、検知器、報知器など設備面での対策がある。特に管理面や設備面でのセキュリティ対策については、システム運用管理エンジニアが主体的に行うものである。
 セキュリティ対策の実施に当たっては、システムの特徴や求められるセキュリティ要件、投資費用、コンピュータ室の運用のしやすさなどを考慮し、そのシステムにとって現実的な対応を行うことが望ましい。
 あなたの経験に基づいて、設問ア〜ウに従って論述せよ。

設問ア あなたが携わったシステムの概要について、セキュリティ対策の視点から、800字以内で述べよ。
設問イ 設問アで述べたシステムに要求されている管理面や設備面でのセキュリティ要件で何が重要な点と考えたか、その理由は何か。また、それに対してどのような対策を実施したか。その対策についてどのように評価しているか。具体的に述べよ。
設問ウ そのシステムにおけるセキュリティ対策上の現在の課題は何か。そのためにどのような解決策を考えているか。簡潔に述べよ。
論文例   


H7−問2 システム運用のサービス基準について

 情報システムの運用に当たっては、ユーザに提供するサービスの基準を設定し、それに基づいて業務を管理することが大切である。
 サービス基準の項目には、ターンアラウンドタイム、応答時間、障害回復時間などがあり、その重要度と目標値はオンラインリアルタイム処理型、バッチ処理型といったシステムの運用形態や、システムが障害を起こしたときのユーザの業務に及ぼす影響の度合いなどによって様々である。
 サービス基準を達成し、維持するためには、サービス基準の項目に対応した運用部門としての管理項目を設定し、それぞれの管理項目について、実績を把握し、目標値と比較・評価するなどの日常的な管理方法を確立しておくことが重要である。またそこから見いだされた問題に対しては、システム開発部門などとの連係も含めて、適切な措置を講じることが求められる。
 あなたの経験に基づいて、設問ア〜ウに従って論述せよ。

設問ア あなたが携わったシステムの概要、並びにサービス基準の中で特に重点管理対象とした項目、その採用理由及び目標値について、800字以内で述べよ。
設問イ サービス基準を達成し、維持するために設問アで述べた重点管理項目について、あなたは日常どのような管理を実施したか。その管理を通じて実際に見いだされた問題とその原因は何か。また、どのような対策をとったか。具体的に述べよ。
設問ウ 設問イで述べた対策について、あなたはどのように評価しているか。また、更なる改善のためにあなたが考えている対策は何か。それぞれについて簡潔に述べよ。


H7−問3 分散システムの運用管理について

 情報システムに対するニーズの多様化に伴い、エンドユーザのもとに設置されたワークステーション・パソコン・LANなどで構成されるクライアントサーバ型のシステムなど、ホスト系とは独立に処理・運用される分散システムが普及しつつある。
 このような分散システムの運用には、マルチベンダから提供される多種多様なハードウェア及びソフトウェアが運用管理の対象となることや、運用の現場にシステム運用の専門家がいないことに加えて、運用支援ツールは発展途上にあるなど、分散システム固有の困難さが存在する。
 したがって、従来のホスト集中型システムの運用管理手法はそのままでは分散システムには適用できない。例えば次のような課題を解決していくに当たっても、分散システムの特性を考慮する必要がある。

 あなたの経験に基づいて、設問ア〜ウに従って論述せよ。

設問ア あなたが携わった分散システムについて、システムの構成と運用上の特徴を、800字以内で述べよ。
設問イ 設問アで述べたシステムの運用上の特徴を踏まえて、あなたは分散システムの運用管理における主な課題は何であると考えたか。その課題を解決するためにどのような対策を実施したか。工夫した点を中心に具体的に述べよ。
設問ウ あなたの実施した対策はどのような効果があったと評価するか。また、残された課題は何か。簡潔に述べよ。


□御礼□

  問題のテキストデータは、松原敬二さんの
『高度情報処理技術者試験のページ』・伊那丸さんから、お借りしました。


[ トップ | 論文集 | 掲示板 | メルマガ | 寄稿時の御願い | 読者アンケート集計結果 | ノウハウ集 | リンク集 | 学習日記 | 受験履歴 ]