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(システムの運用におけるユーザ部門の役割分担について)

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(設問ア)
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1システム構築の背景
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1.1当社の問題点
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 当社は従業員数300名のシステム運用会社である。
 当社は親会社であるA社が開発したシステムの運用構
築及び24時間運用を主業務としている。

 私の所属している部署では主にホストコンピュータの
バッチ処理のスケジュール管理と成果物客先への納品を
行っている。

 近年、バッチ処理に使用する直接アクセス記憶装置(
以下DASD)の容量不足を原因とする障害が多発して
いた。障害による対応の為のコスト増、障害による成果
物の納品遅延による顧客への信用低下が部署内で問題と
なっていた。

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1.2システム構築の目標と私の役割
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 当部署が運用しているシステムで使用する全てのシス
テムリソースは親会社であるA社が用意している。これ
まではDASDの容量不足が発生した都度、DASDの
追加をA社に依頼していた。

 このような運用方法では容量不足を起因とする障害が
未然に防げないため、新しい運用方法とそのシステムを
作成する必要があった。当部署は容量不足を起因とする
障害の50%削減を目標に短期のプロジェクトチームを
結成することとなった。私はプロジェクトチームのサブ
リーダーとしてシステムの構築及び親会社との運用方法
に関する調整を行った。


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(設問イ)
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2システムと運用の構築 
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2.1DASDの種類
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 DASDは使用目的により以下の3つに区分けされてい
る。
a.パブリック
 プログラムの処理(ソート等)で使用される。プログラ
ム実行後はデータは消去される。

b.ストレージ
 長期間保存する必要のないデータを保存する為に使用さ
れる。その為、半日に一回全てのデータを消去する。

c.プライベート
 長期間保存する必要あるデータを保存する為に使用され
る。その為、任意の消去プログラムを実行しない限りデー
タは消去されない。また、この区分に関しては従来A社が
管理していたが容量不足の障害が多発している。

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2.2A社との取り決めの変更
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 容量不足が発生してからA社にDASDの増強依頼をす
るという運用ではなく、あらかじめ予想される必要容量を
月次報告書でA社に提出し事前にDASDを準備してもら
う運用に変更する必要があった。

 そこで、私はA社のシステムリソースを管理する部署の
課長にアポイントメントをとり、当社の運用改善案を話し
た。A社の課長も近年多発する容量不足に関する障害を問
題視しており協力を約束してくれた。そして以下の点につ
いて注意して月次報告書を作成して欲しいと依頼された。

・DASDを用意する為に半年程度かかるため、余裕容量
 を1年程度で見積もって欲しい。
・区分プライベートに関しては今後は当社で管理をして欲
 しい。

 以上の点に留意し私たちはシステムの開発を進めることと
なった。

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2.3システムの開発
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 DASDの容量を実績を収集するシステムの導入案として
2案が考えられた。外部ベンダーのアプリケーションの導入
する案と既存の基幹データを加工するプログラムを部内で内
製する2案があった。外部ベンダーに見積もり求めるとを機
能的には大変優れていたが約2000万円との回答だった。

 部内で内製する場合、機能的には限定されるが月次報告書
を作成する為には十分なシステムを構築でき300万円で作
成することができると見積もりがでた。費用対効果を考え内
製することに私たちは決定した。

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2.4処理追加時の受入条件の変更
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 区分けされたDASDはそれぞれ特性が異なる為違った
対応をとる必要があった。「a.パブリック」と「b.ストレ
ージ」に関しては急激にその使用率が圧迫されることがな
い為、月次報告書をA社に提出し必要容量を事前に追加し
てもらう事で問題は解決するが「c.プライベート」に関し
ては新しい処理を増加するタイミングで事前に準備する事
とした。方法としてはA社から新規処理の運用を受け入れ
る際、保存先のDASDの容量を記入してもらい対象の
DASDに十分な容量があるかシステムでチェックし足り
なければDASDの追加を依頼することとした。

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(設問ウ)
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3システムの評価と対応策
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 内製したシステムで作成した月次報告書はA社の課長の
要求定義を押さえておりA社にも好評だった。事前にA社
の要求定義を確認しておいた事が良かったと自分では評価
している。

 目標としていた容量不足を起因とする障害の50%削減
も結果は70%の削減と目標以上の数値を上げることがで
きた。また副次的なものとしてA社の開発担当者は直接シ
ステムリソースを管理していなかった為、リソースに関す
る意識が低く処理に無駄な容量を使用しているケースが多
々あったが月次報告書を提出するようなってからは、そう
いったケースが目に見えて減った。

 今後の改善点としてはシステムを構築してから得たデー
タを基に予測値の精度の向上を目指したい。

以上





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