Click here to visit our sponsor


----------------------------------------------------------------------

A社新製品開発における情報システム投資計画の策定

----------------------------------------------------------------------

----------------------------------------------------------------------
1.新規ビジネスと情報システム投資計画の概要
----------------------------------------------------------------------
1.1.A社における新規ビジネスの概要
----
 A社は○○○○○○○を製造するメーカであり、国内
外に3箇所の向上を有している。○○○○○○○の業界
は長引く不況の中、A社の経営状況も悪化する一方であ
った。一方、□□□・△△△△等に使用される○○○○
○○○は、×××化の時代を迎えており、製品のライフ
サイクルが短いという特徴を持っている。このような状
況を踏まえ、A社では次の経営戦略を策定した。

 「同業他社に先駆けて新製品を出荷する事により、確
  実にシェアと収益を確保する。」

 この経営戦略のもとA社では全社員が一丸となって新
製品の開発に取り組んだ結果、サンプル品の製造を完了
し、顧客での評価を待っている状況にあった。

----
1.2.情報システム投資計画に概要
----
 新製品の量産化が開始されるまでには品質管理をはじ
めとするビジネスをサポートする情報システムが必要に
なる。しかしここで問題になるのは、新製品の立ち上が
りスピードである。それは、実際に○○○○○○○を使
用する顧客が×××に対応する設備増強を行わなければ、
量産化したところで過剰供給となるからである。
 従って、情報戦略としては以下が決定された。

 「当面は既存の生産管理システムを使用し、必要な時
  期に新製品に対応した大規模なシステム投資を実施
  する。」 
----
1.3.私の立場
----
 システムインテグレータであるN社は長年A社の情報
システムのアウトソーサとしてA社情報システムを支え
てきた。今回私は、A社新製品に対応した生産管理シス
テムの基本計画について、システムアナリストとして参
画する事になった。

----------------------------------------------------------------------
2.情報システム投資計画
----------------------------------------------------------------------
2.1.投資計画の策定手順
----
 新製品に対応した情報システムを開発するためには、
新製品の市場性・収益性などを踏まえて、必要な時期を
検討しなければならない。そこで私はA社に検討委員会
の組織を提案した。尚、検討に際してはA社の経営戦略
を理解し全体最適となる議論が可能となるように、ベテ
ラン社員の参加を要請した。

a.経営戦略の理解
 経営戦略については(設問ア)で述べた通りであるが、
まずは委員会の全員が経営戦略を深く理解する事とした。

b.新製品開発状況の確認
 ここが最も重要なプロセスであり、新製品市場の立ち
上がりスピード・収益性などを営業部門より報告して頂
いた。また、製造部門からは新製品の製造に求められれ
る品質保証の方法や、マテリアルフローについて報告し
て頂いた。

c.既存情報システム流用性の検討
 上記の結果を踏まえ、既存情報システムの流用性を検
討する事になるが、A社に常駐するシステムエンジニア
はA社生産管理システムの細部まで熟知している。しか
し、委員会全員の共通認識とするために、既存の業務フ
ロー・機能階層図等より、流用可能な部分の絞込みと説
明を行った。

----
3.2.投資計画の決定
----
 上記の結果、生産管理システムが新製品を100%サ
ポートするためには根本的な改造が必要である事がわか
った。一方で、60%のサポートを目指す場合には、既
存情報システムの一部手直しで対応が可能である事も明
らかとなった。具体的には以下の通りである。

a.一部の手直しで60%のサポートを目指す場合
 開発工期:3ヶ月
 開発費用:900万

b.根本的な改造を行い100%のサポートを目指す場合
 開発工期:12ヶ月
 開発費用:1.2億

 勿論、a.とb.を比較した場合、a.案では既存情報シス
テムを流用できる部分が多く、品質的にも安定稼動を見
込む事が可能であった。

 この比較検討結果を踏まえ、a.案を推薦したところ、
委員会でも立ち上がりのスピードを最も重要視する事か
ら、a.案の採用が決定された。

----------------------------------------------------------------------
4.新システム開発時期の監視
----------------------------------------------------------------------
 私は上記の情報システム投資計画だけではトップマネ
ジメントは満足しないと考え、次の工夫を行った。それ
は、根本的な投資タイミングを予測するための活動であ
り、次のような情報を監視すべく、委員会の活動を継続
する事とした。

a.営業部門からは、新製品の出荷量の推移や、顧客の設
 備投資の情報。

b.製造部門からは、システムがサポートできていない業
 務負荷の推移。
 
 これは、新製品が量産化に入る時期を見極め、その前
に情報システムの根本的な改造を終了する事を目的とし
たものである。

----------------------------------------------------------------------
(設問ウ)
----------------------------------------------------------------------
4.情報システム投資計画の評価
----------------------------------------------------------------------
 以上の施策により一部手直しによりA社は新製品の出
荷を開始する事となった。一方、根本的な情報システム
への投資は、当初1年以内と見込まれていたが、実際に
は2年後に実施される事となった。また、その時期には
A社の経営環境も変わり、既存情報システムの見直しで
は無く、パッケージソフトウェアを導入する事となった。

 以上に柔軟に対応する出来た事は、私の策定した情報
システム投資計画が奏効していると判断する。





[ 戻る ]