Click here to visit our sponsor



----------------------------------------------------------------------

(新たな協力会社の選定について)

----------------------------------------------------------------------


----------------------------------------------------------------------
(設問ア)
----------------------------------------------------------------------
1.プロジェクトの概要と請負形態形態で依頼した内容
----------------------------------------------------------------------
1.1.プロジェクトの概要
----
 私は、自動車部品製造会社の情報システム部門に所属
しており、情報システムの企画とその後のプロジェクト
管理を主に担当している。

 当社では、購買部門の合理化を進めており、業務分析
の結果、購買部門での端末入力業務の40%近くを占め
てる支給部材の注文入力を削減することに決定した。支
給部材の注文とは、外注工場に生産委託している製品の
生産に必要な部材を当社購買部に発注する業務である。

 当システムでは、外注工場から電話やFAXで受注し
購買部の端末で注文入力していたものを、インターネッ
トVPN経由で、外注工場にて直接入力を実施する仕組
みである。対象外注工場は、主要150社とした。

 当システムの実現に際しては、インターネット上のセ
キュリティへの考慮及び端末プログラムの配布工数削減
からJAVA言語でのプログラム開発が必要であった。

----
1.2.請負契約形態で依頼した内容
----
 今回の契約の範囲には、ネットワークの設計及び実装、
セキュリティ及びユーザ認証の仕組みを含めている。セ
キュリティ領域は、当社には経験がなく、実績のある
G社に全面的に依頼すべきと判断した。また、JAVA
言語での開発に関しても、当社では、一部研究的な利用
しか経験がなく、JAVA言語での開発したシステムは
皆無で、今回の支給部材発注システムの開発が初めて事
例であった。

 2005年1月に実施した購買部説明会にて、主要外
注工場150社に、本稼動時期を2006年10月と明
言し協力要請したので、本稼動時期の遅延は許されない。
プロジェクトマネージャである私は、期日までに完成責
任を伴う請負契約による支給部材発注システム開発一式
新たに選定した協力会社G社に依頼することにした。

----------------------------------------------------------------------
(設問イ)
----------------------------------------------------------------------
2.協力会社選定時の評価基準と評価結果の検証
----------------------------------------------------------------------
2.1.評価項目と評価基準
----
 私は、社内の協力会社を選定時のガイドラインを参考
に、今回の開発案件の技術的特性を考慮して、以下のよ
うに評価項目と評価基準を策定した。

 充足性に関しては、インターネットVPNの構築実績
JAVA言語でのシステム開発実績を重視することにし
た。具体的な評価基準として、それぞれの構築実績件数
と開発実績件数に加えて、ネットワーク技術者及びJA
VA言語での開発が可能なプログラマ数とした。

 健全性に関しては、会社設立年度、資本金、社員数及
び、直近3年間の決算内容を評価項目とした。評価基準
は設立5年以上、資本金5000万円以上、社員数20
0人以上で、直近3年間が黒字決算であることとした。

 妥当性に関しては、業者からのシステム提案書を入手
し、システム提案内容及び提案価格から判断することに
した。また、当社の仕入先の情報を開示するので、情報
セキュリティに関する取組みや機密漏洩対策も評価項目
に加えることにした。

 私は、協力会社の設定基準には、客観性が重要と考え
今回作成した評価項目と評価基準を、社内の他のプロジ
ェクトリーダ達にも、説明し妥当性の確認を実施した。

----
2.2.協力会社を決定した理由
----
 私は、インターネットによる調査と現在取引している
協力会社からの情報により、RFP(提案依頼書)を発
行すべき協力会社を7社決定し、RFPを発行し、シス
テム提案と見積もり提案を依頼した。

 7社分の提案書と見積書を入手した後、システム保守
とシステム運用を担当する情報システム部の担当者を召
集し、今回策定した評価基準に基いて書類審査を実施し、
候補3社を選出した。

 私は、3社を時間を分けて当社に呼びシステム提案書
の説明を1社につき1.5時間で、依頼した。その結果、
G社の提案が最も適正で、今回のプロジェクトの協力会
社として、G社を選定することで進めた。G社を選定し
た理由は、G社の提案が、当社の業務要件を正しく認識
すると同時に、ネットワーク構築、JAVA言語などの
技術的な裏付けに関して、説得力のあるものであったか
らである。

 他の2社の提案は、ネットワーク構築実績やJAVA
言語での開発実績に関しては、満足できる内容であった
が最も重要と考える業務要件に対する認識が不十分で
あった。

----
2.3.評価結果の検証
----
 私は、G社を協力会社との請負契約を締結する前に、
選定結果の検証を実施することにした。

 電算機メーカのユーザ会を通じて、付合いあるD社が
以前よりG社と取引していると情報を得た。私は、D社
の情報システム部長を訪問し、G社との取引に関して直
接確認した。特に、確認したい項目は、開発システムの
品質と成果物として納入された開発仕様書などのドキュ
メントであった。特に、開発ドキュメントは稼動後の運
用管理、保守に大きな影響があるので、重要視した。
D社情報システム部長によると、ドキュメントに関して
D社の指示したフォームで、G社は適切に作成し、納期
通り、納品したと確認を得た。

 私は、G社の情報セキュリティに対する取組体制を自
らの目で確認するために、G社を訪問し当社の請負開発
を実施予定の作業現場を見学させていただくことにした。
事務所のスペースや整理状況、社員の勤務状況を見学し
好印象を得た。また、会社の入門手続きも適正に実施さ
れており、情報漏洩対策として、開発機材や資料の社外
持ち出しに関して、上司承認の上、台帳管理されており
適正なセキュリティ管理が実施されていると確信を得た。


----------------------------------------------------------------------
(設問ウ)
----------------------------------------------------------------------
3.活動の評価及び今後の改善事項
----------------------------------------------------------------------
3.1.活動の評価
----
 G社に依頼した支給部品発注システムの請負開発は、
順調に推移した。完成し納入されたシステム本体及びド
キュメントも、契約条件に合致するものであり、当プロ
ジェクトは成功裏に完了した。

 G社との定期進捗報告会にて、G社より当社のシステ
ム開発を担当していたプログラマの退職があったが、G
社には、JAVA言語でプログラム可能な開発者が多数
在席するので、要員交代し、大きな遅延なく開発が継続
できたと報告を受けた。協力会社の選定時に、JAVA
言語で開発技術者数を評価項目に追加した点が良かった
と考えている。

----
3.2.今後の改善事項
----
 今回は、プロジェクト途中での開発要員の交代がスム
ーズにいき、事無きを得たが、一般的には要員交代は、
進捗遅延や品質劣化などのリスクが大きいと考えている。

 協力会社の要員の退職まで、発注側の当社では管理す
ることは不可能であるが、少しでも要員交代のリスクを
回避するために、可能な限り、協力会社での離職率や定
着率などの情報を入手して、評価項目に加えていきたい
と考えている。
                                             以上





[ 戻る ]