『人民の星』 5885号2面 2014年5月3日付

米空母艦載機 岩国がNLP候補地 硫黄島訓練の代替に指定

 防衛省は四月二五日、米海軍厚木基地(神奈川県)の米空母艦載機が夜間離着陸訓練(NLP)をふくむ離着陸訓練を五月五日から一六日まで硫黄島(東京都)で実施すると発表した。天候不良などで硫黄島で訓練ができない場合は、米海兵隊岩国基地(山口県、一三〜一六日)、厚木基地(一二〜一六日)、米空軍三沢基地(青森県、一三〜一六日)を代替訓練にあてるとしている。岩国基地には厚木基地の米艦載機を移転させようとしており、離着陸訓練もたくらんでいる。
 米空母艦載機が離着陸訓練をやるのはなによりも戦争のためである。アフガニスタンやイラクへの戦争を見てもそうであるように、アメリカは戦争をやるときに真っ先に相手国の近くに空母を進出させ、空母につんだ戦斗攻撃機や電子戦機などを発進させて爆撃や攻撃をくわえる。米原子力空母には、FA18戦斗攻撃機約五〇機をはじめ電子戦機、早期警戒機など七十余機を搭載しており、その攻撃力は、小国の空軍力をはるかに上まわる。

中国・北朝鮮への戦争企む
 アメリカが空母を海外に配備しているのは日本だけである。それは、日本がアメリカの従属国であり、日本を拠点に中国や北朝鮮への戦争をするためである。米海軍は、横須賀基地に原子力空母ジョージ・ワシントンを配備し、その艦載機部隊は厚木基地を陸上基地にしている。
 艦載機はせまい空母甲板に離着陸して攻撃作戦をくりかえす。そのため、平時に陸上基地にいるときには、滑走路を空母甲板に見たて着陸と同時に離陸する「タッチ・アンド・ゴー」と呼ぶ離着陸訓練をおこなう。そして、作戦で空母にのって出航する前に、パイロットが着艦に必要な資格をとるため昼夜を問わないはげしい離着陸訓練をおこなう。
 空母艦載機は、こうした訓練をかつては厚木基地や岩国基地などの米軍基地でおこなっていた。だが、市民生活をじゅうりんした爆音をたてての昼夜を問わないはげしい訓練は、各地で住民の強い反対にあったため、日本政府が本土から約一〇〇〇`bはなれた硫黄島を訓練基地として米軍に提供した。だが、米軍は遠い硫黄島での訓練に不満で厚木基地の近くに訓練基地を提供するよう、執ように要求してきた。
 米軍はまた、硫黄島での訓練が台風などの影響で訓練不足だといって、本土の米軍基地での代替訓練を要求し強行してきた。このために、岩国、厚木、三沢をその予備基地にしており、さいきんでは一二年五月に厚木基地でFA18スーパーホーネットなどが三日間、夜間訓練をふくむはげしい離着陸訓練をおこなって、市民の強い批判をあびた。

訓練基地化には各地で反対
 米日政府は米軍再編の一環として空母艦載機部隊を厚木基地から岩国基地に移転する計画をすすめているが、米軍側は、空母艦載機の離着陸訓練基地を岩国基地の近くにもうけるよう日本政府に条件をつけている。だが、候補地にあがったところは、どこでも住民の強い反対にあい、ことごとくつぶれた。
 このため政府は、一一年六月二一日の日米安全保障協議委員会(日米の外務・防衛閣僚会議)で、「米軍の空母艦載機離発着訓練の恒久的な施設」として鹿児島県・種子島に隣接する無人島・馬毛(まげ)島を検討することを勝手にきめて共同文書にもりこんだ。だが、種子島や屋久島の島民は首長をふくめ断固反対である。昨年一二月に防衛副相・武田が訓練受け入れの説得のため種子島を訪問したが、住民の抗議と首長の反対表明にあって手ぶらで帰らざるをえなかった。
 岩国基地への空母艦載機部隊の移転は、岩国市民の反対運動で当初の一四年完了の計画はおくれているが、アメリカは一七年までに移転するとしており、そのための諸施設の建設工事を急ピッチですすめている。
 米軍は、硫黄島での離着陸訓練のさいには、かならず予備基地として岩国基地や厚木基地などを指定している。
 それは必要なときには、いつでも艦載機が離着陸訓練基地として使うということにほかならない。