『人民の星』 5943号3面 2014年11月26日付

沖縄県知事選の勝利喜ぶ岩国 基地反対で共に頑張る

 沖縄県民が知事選で辺野古新基地建設阻止をかかげた翁長雄志を、県民を裏切った仲井真弘多に一〇万票の大差をつけて圧勝させ、新基地建設を推進する安倍政府に痛打をあたえたことに、山口県の岩国市民はわがことのように喜び、岩国でも米軍基地反対の運動をつよめる決意を語っている。

大運動つくっていかねば
 車町の七〇代の男性は、「沖縄県民とともによろこびたい。正直、想像以上の大差におどろいた。普天間にいらない基地は辺野古にもいらないという沖縄県民の民意がしめされた。いくらカネをつまれても沖縄県民の基地反対の決意はかわらなかった。安倍政府はこの県民の基地反対の民意を無視することはできない。沖縄県民がいらない基地は岩国もいらない。岩国市議のなかには“沖縄の負担軽減”などといって見返りにカネをだせというものもいる。基地があるがゆえに市民はさまざまな危険にさらされ、岩国市の発展が阻害されてきた。いま艦載機五九機移転のための基地建設がすすめられている。市民の命と基地をカネでひきかえてはならない。沖縄県民がそのことをはっきりしめしてくれた。基地はアメリカに持って帰ってもらえばいいことだ。岩国に米軍基地はいらない。安倍政府はアメリカにはっきりとノーというべきだ。いま大義のない解散をしている場合ではない」と語っている。
 平田の六〇代の男性は、「翁長氏が仲井真に大差をつけて当選したことは画期的なことだ。前仲井真知事は辺野古の埋立を承認し、安倍政府の沖縄振興策にたいし昨年末“よい正月が迎えられる”などとはしゃいでいた。今回の選挙では多くの沖縄県民は辺野古新基地建設にあらためてノーを突きつけた。沖縄には七四%もの米軍基地がおしつけられ政治的にも経済的にも蹂躙(じゅうりん)され、基地の賛否をめぐり住民同士が分断されてきた。今回の翁長氏の勝利は沖縄県民の基地反対の思いがしめされた。これが民意だ。安倍政府は沖縄県民の民意を真剣にうけとめるべきだ。岩国市も沖縄とおなじ状況だ。保守、革新問わず基地反対の運動をつくっていかないといけない」とのべている。

県民の団結が勝取った成果
 また南岩国町の六〇代の婦人は、「辺野古移転反対の県民が大団結し翁長さんが大勝利を勝ちとった。頭のなかで移設反対と思っているだけではこれだけの圧勝にはならない。一人一人、一軒一軒相手の思いを聞き交流を強めてきたことが投票行動につながっていったのでしょう。山口県での豊北原発阻止斗争で、自民党員の町長を海山大交流の町民の力でしばり勝利した経験を思いだした。子子孫孫のため米軍基地のない時代をつくる、カネで心や自然を売らない決意に敬服する。わたしたちも岩国で頑張らねばと決意をあらたにする」と語っている。
 また五〇代の教師は、「基地建設反対の翁長さんが当選したのにびっくりしました。沖縄は勝った。本当によくやった。仲井真陣営は、いろんな人がついて謀略ビラがはられたりしているなかで、そんなものを蹴散らして当選したのはすばらしいと思った。選挙前はダメと思っていた。下地氏なんか県民投票で賛否を問うということだから、基地反対ではない。でもどこのマスコミも沖縄の基地反対の翁長氏の勝利を喜ばない。マスコミは、結果は報道したがそれ以外、なにも報道しない。自民党などにとっては大打撃だっただろう。どこのテレビをつけても青酸カリ毒殺事件のばあ様のことばかりだ。カネがない者は殺されることはないだろう。沖縄県民の大勝利は報道管制がひかれているように思う」とのべている。