『人民の星』 
  6076号1面 2016年3月23日
底なし安倍自民の腐敗 妄言不祥事後絶たず
人民の窮状尻目に着服放題 

 安倍政府の閣僚らの失言や妄言、不祥事がとまらない。それは、安倍政府・自民党の思いあがりをしめすとともに、閣僚、議員どもの腐敗・堕落が段階を画してすすんでいることをしめしている。かれらは、まったく人民から遊離して腐敗しているが、それは、人民の血税に寄生し、独占大企業からカネをもらい、私腹をこやしながら、アメリカと独占大企業の利益に奉仕するということからきている。このような腐敗・堕落した、売国反人民の政府は一刻もはやく一掃されねばならない。

閣僚先頭に末期的堕落現象
 この二、三月を見ても、安倍政府の失言や妄言は度しがたい。
●環境相・丸川珠代
 二月七日の自民党議員の集会の講演で「年間被ばく線量一㍉は科学的根拠がなく、時の環境相が勝手にいった」と国際放射線防護委員会(ICRP)の勧告にもとづく政府の決定について、「何の根拠もない」と口ばしった。五㍉でも一〇㍉でもなんでもよいのだといわんばかりの演説内容に批判がまきおこり、丸川は急きょ記者会見し、発言を撤回したが、そのでたらめさに広範な人民の怒りはひろがっている。
●沖縄北方担当相・島尻安伊子
 担当相であるにもかかわらず、二月九日の記者会見で、北方列島の一つである「歯舞(はぼまい)」諸島という島の名前が読めないことを露呈した。初歩的な知識や素養もない人間が政治をやっていることが暴露された。
●法務相・岩城光秀
 二月八、九日の衆院予算委員会の答弁で、TPPと国内法との関連性や、特定秘密保護法の中身を聞かれても、なにひとつ満足に答えられず、右往左往するばかりだった。法務行政をつかさどる閣僚でありながら、法律にまったく無知であることがわかった。
●総務相・高市早苗
 二月八日の衆院予算委で「政治的に公平ではない放送をするなら電波を停止する」といい、九日の答弁でも「放送法を所管する立場から必要な対応はおこなうべきだ」と、「電波停止だ」とふりまわして、放送への政治介入の意図を露わにした。権力を傘に着るとはこのことで、世論の猛反対をよびおこした。
●経産相・林幹雄
 三月六日のNHK番組「日曜討論」で福島原発の「汚染水」といわねばならないところを、「汚水せん」とくりかえした。また、政府がすすめる「核燃料サイクル」の政策についての国会審議で答弁でなにをいっているかわからず、迷走し、再三審議が中断した。一五日に「勉強不足」をみとめた。
●首相・安倍晋三
 三月一一日の参議院本会議で、待機児童問題に関連して「保育所」と答弁すべきところを「保健所」といい間違えた。その三日後には参院予算委で質問にたった自民党・藤井が保育園問題にふれるつもりが、「“保健所”落ちたよ、これでは仕事がつづけられないよ、という声がひろがっている」と発言し、安倍のでたらめな答弁をなぞった。
●地方創生担当相・石破茂
 三月一五日の衆院地方創生特別委員会で、審議入りした地域再生法の一部改定案の趣旨説明文を間違え、昨年の改定の際につかった説明文を読みあげた。委員から指摘されるまで間違いにも気づかなかった。

審議のサボに不倫 汚職の甘利はかくまう
 現職の閣僚以外でも、不祥事や破廉恥きわまりない行為が続出している。
 自分の名前入りうちわを配布して法相辞任となった元法相・松島みどりは、三月九日、衆院外務委員会の審議中に、答弁する外相・岸田の隣の席で、携帯電話をいじくったり、本を読んだり、居眠りしていた。その様子は衆議院のネット審議中継でまたたくまに配信され、全国的な批判をあびている。
 国会議員の妻の出産にあわせて育児休暇を申請し「イクメン議員」ともてはやされた自民党衆議院議員・宮崎謙介は、妻の入院中の不倫が暴露されて議員辞職に追いこまれた。国会議員の不倫疑惑はとどまることを知らない。
 大臣室での献金授受で辞任に追いこまれた経済再生担当相・甘利は睡眠障害を理由に姿をくらましているが、安倍らは収賄疑惑について知らぬ顔をし、国会をすりぬけようとしている。安倍らが一蓮托生で甘利をかくまっていることがあきらかで、政府あげての腐敗が赤裸裸になっている。
 経産相・林は、自民党の支部と団体の両組織から毎月、林個人に「組織活動費」や「活動費」名目でカネが支払われていた。支部が林個人にたいし一二年に八〇〇万円、一四年に八五〇万円をそれぞれ「寄付」というかたちでわたしていた。支部はまた、選挙区内の有権者に頻繁に飲食をふるまうなどしており、政治資金をめぐる「多額の私物化」「脱税」「買収」が問題になっている。
 島尻安伊子も、カレンダーを配布していることが公職選挙法違反に問われている。そのうえ、夫が理事長を務める日本語学校が国の交付金をうけていながら、島尻が支部長をつとめる自民党の支部に三〇〇万円を献金していたことがあきらかになっている。税金をかすめとった迂回献金で、露骨な公金横領である。
 復興相・高木毅は、三〇代のとき下着泥棒をした疑惑がもたれているうえに、年平均で二三〇〇通ものばくだいな弔電代を支出したことにしている。これなどは兵庫の号泣議員と似た公金横領がうたがわれている。また香典も直接でむいて手渡したかどうかあやしいものだと疑われ、公職選挙法や政治資金規正法違反の疑惑がもたれている。
 総務相・高市早苗もさまざまな疑惑がもたれている。高市の実弟が秘書官をしているが、三重県のある法人が政策金融公庫から二億円をこえる融資をうけ、うち一億円がこげついているという件で、実弟の秘書官がこの融資について、口利きをした疑いがもたれている。
 また、高市の事務所には、悪名高い人材派遣会社「パソナ」(会長は竹中平蔵)のスタッフが継続的にきている。しかし、高市の資金管理団体や政党支部の収支報告書にはパソナとの金銭上のやりとりをしめす記載がなく、高市事務所とパソナとの怪しげな金銭関係が指摘されている。
 大本の安倍自身が、政治資金の扱いはでたらめで、一四年八月には安倍の資金管理団体「晋和会」(代表・安倍晋三)の収支報告書に虚偽記載があるとして、問題となった。また、支出に料亭などでの飲み食いの代金が多く、そのうえ、安倍自身のジュース代とかビタミン剤、あめ玉など私的な支出も目立つのである。

売国議員は一掃へ 貧困と戦争の政治打破へ
 このように、安倍内閣と国会は自民党を中心に腐敗・堕落の巣窟でもいうべき状態となっている。かれらは何千万円という給与や歳費を懐に入れたり、政党助成金、献金など私腹をこやす手段を「発達」させている。
 島尻安伊子のように団体、事業体をつくって国の交付金をひきだし、それに献金させるというかたちで私腹を肥やすとか、甘利のように露骨に金銭授受による口利き料をもらって資本の利益をはかったり、高市早苗のように金銭関係で怪しげなやからが閣僚として幅を利かせ、「電波停止だ」と権力をふりまわしたり、安倍のように口先だけの約束をしたり、人をだますことは長けているという状態である。
 安倍や閣僚、議員どもは、万事「カネ、カネ、カネ」で、人民生活の困難さなどなに一つ考えもしない。税金などいくら使っても平気であり、オリンピックで聖火台がない設計をしていたというでたらめを通りこした計画が進行し、東日本大震災の生活の復興が遅れていることも「想定外でした」と何食わぬ顔ではなすということがおこっている。「財政が大赤字だ」といいながら戦争準備にカネをつぎこみ、安倍が三〇兆円も海外にいってばらまくということがまかりとおるのである。
 安倍や閣僚、議員どもが懐にいれているのは人民の税金である。また、独占大企業が労働者、勤労者がしぼりあげた利潤の一部を企業献金などの形で懐にいれている。海外の労働者からすいあげた企業の超過利潤の一部もそうである。かれらは人民の税金に寄生した売国反人民の輩であり、それがアメリカに富を売り、非正規の拡大や農業の破壊や中小零細のなぎ倒しをやり、社会保障を切り捨て、戦争へとつきすすむのである。売国反人民の安倍政府は一掃あるのみである。