『人民の星』
6086号1面 2016年4月27日
全ての原発を廃炉に
大地震でも動かす安倍政府
熊本、大分の地震は一四、一六日に震度七の激震がおこったが、いまも震度三、四の地震がつづいている。そのなかで安倍政府は稼働中の川内原発(九州電力、鹿児島県)をとめようともしない。それどころか七月には四国電力の伊方原発を再稼働させようとし、九州電力の玄海原発も動かそうとしている。安倍政府のでたらめぶりに怒りはさらに高まっている。
名ばかりの原子力防災担当相
原子力防災担当相の丸川珠代は一六日、熊本地震の非常対策本部で「観測された地震動が自動停止させる基準値を下回っている」「現在のところ、原子力規制委員会は停止をさせる必要はないと判断している」といい、停止させるつもりがないことを表明した。
現在、地震はいくらか減ったように見えるが、気象庁は「震源が南西に移動している」とし、地震活動が活発で、震度六弱くらいの地震がおこりうるとしている。
また気象庁の担当者はいまはなにも予測できず、いつ何時どこで地震がおきても不思議ではないと警告を発している。
川内原発について、火山の噴火は的確に予測できるとした九州電力側の言い分にたいして、今月六日、川内原発差し止め訴訟で福岡高裁宮崎支部すら「不合理」「最新の知見でも噴火時期や規模の的確な予測は困難」といわざるをえなかった。そうした矢先、いつかはおこるであろうと予想はされていたものの、いまこの時期に噴火とは別に、日奈久断層と布田川断層が同時的に激震をひきおこし、それを引き金に地震が大分にまで波及し、さらに地震が頻発しているのである。
しかも川内原発の避難計画では九州新幹線や高速道路で避難すると九州電力や行政はいってきたが、その新幹線がストップし、高速道路も寸断されている。机上の避難計画だったのである。
九州の地盤はそれぞれの地域によって、年間〇・五㌢~一㌢、西方や南方に移動しつづけているといい、それは一〇年間で五㌢~一〇㌢、一〇〇年間で五〇㌢~一㍍、一〇〇〇年で五㍍~一〇㍍となる。それによって深部にエネルギーが蓄えられ、地震となって放出される。おおまかなありうるという予想はたてられても、いつ何時なにがおこるかはわからないのである。そのようなところに川内原発をたてたり、伊方原発や玄海原発をはじめ日本中に原発が立地している。いかに危険な地盤に立地しているかが一目瞭然である。
これまでも薩摩川内市では一九九七年三月に川内原発から北東一五㌔のところでM六・六の地震が、四月には同じところでM五・六の地震がおこり薩摩川内市では震度五強を観測した。同年五月には川内原発から北東一〇㌔、深さ九㌔㍍のところでM六・四の地震がおこった。このときは負傷者四三人、住宅全壊四棟、同半壊二九棟の被害がでている。
安倍政府の稼働続行は常軌を逸している。安倍がいかに人民のことを考えてないかの事例である。そしてそれはとりかえしのつかない被害をもたらすのである。川内原発は運転を中止し、同原発をふくめてすべての原発の廃炉が、もっとも安全で安心をもたらすものである。(三面関連)