便になって排出されるまでの時間は。

腸が正常に機能している人であれば、1日の大便の回数は1回から3回くらいが普通です。
食べたものは最終的に肛門から便となって出て行くわけですが、体の中に留(とど)まっている時間は案外と長いようです。

まず口に入れて飲み込むと即座に胃に到達します。これが胃液によって消化されますが、この時間は人によって違いがあり、大体3時間から6時間くらいです。

次に小腸で栄養分が吸収されるのに4~5時間、その後の大腸では、水分が吸収されながらゆっくりと進むので、ここでは10時間以上かかります。
最終的に、口に入れたものが、全ての工程を終えて排出されるまで24時間くらいかかると言われています。

単純に考えると、今日の朝出た便は、昨日の朝ごはんということです。
ですが、人間は機械ではありませんので、いつもきっちり24時間で出てくるわけではありません。

大腸に到達した便は、ある程度の量が溜まらないと便意をもよおしてこないため、今回の便の量が少なかったら、次の食べ物の便が溜まるまで大腸の中にそのまま残ることになります。

一般的には、便になって排泄されるまでの時間は、大体24時間から72時間くらいです。

普通の人の場合、1日の便の量は約150gくらいで、75%くらいが水分、25%くらいが固形物です。水分が80%を超えると軟便や下痢となり、70%以下だと固い便になります。

軟便や下痢は、大腸で水分の吸収が追い付かない場合で、固い便の場合は、便が大腸に長く留(とど)まっていたために水分が吸収され過ぎて固いコロッとした便になるのです。

また、色は、健康な人の便は黄色から茶色になっていますが、これは胆汁によってつけられた色です。この色の元は、寿命を迎えた赤血球です。胆嚢(たんのう)は、食べたものがやってくると胆汁を出して脂肪が消化されるのを助けます。

ですから色がついているということは、胆嚢が正常に機能しているということです。これが、色がなく白い便が出るようでしたら胆嚢か肝臓の病気の可能性があります。

また、便はかなり強烈なにおいがしますが、このにおいは腸がタンパク質を分解する際に発生するインドールやスカトールという物質のにおいです。大便臭や糞尿臭とも呼ばれ、においたくないような臭(くさ)いものですが、腸が機能している証拠でもあります。

健康診断でも検尿や検便などで、体の排泄物を分析して健康状態を把握する方法が一般的です。汚いというイメージがありますが、体から出されたものというのは体内の様々なことを表しているのです。



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