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突然の便秘

それまで便秘とは無縁の生活を送っていたのに、ある日を境に突然便秘が始まった場合、それは何らかの病気である可能性があります。

その場合、便秘以外の症状は何か出ていないかと考えることが大事です。腹痛や吐き気、急激な発症などは緊急性の高い病気であることが考えられます。

症候性便秘(病気が原因の便秘)が疑われる場合は、早急に病院で診察を受けることが肝要です。
内視鏡検査で、腸にカメラを入れて内部の状況を確認してもらうことにより、早期に異常が発見出来ます。


■便秘を起こす主な病気

症候性便秘は便の通り道に何らかの障害があると起こります。器質性便秘ともいい、ポリープや大腸ガン、腸閉塞などの物理的な障害が疑われます。

ポリープ
大腸がん
過敏性腸症候群
腸閉塞
腸炎


■下痢を起こす主な病気

腸管の粘膜からの分泌物が多くなると下痢になります。出血を伴ったり粘液混じりの血便が出ることもあります。

過敏性腸症候群
大腸ガン
潰瘍性大腸炎
クローン病
大腸憩室炎(けいしつえん)


■腹痛を起こす主な病気

炎症性の疾患やガン、ポリープ、腸閉塞などが疑われます。便秘の他に何日も持続する激しい痛みがある時は、できるだけ早く医療機関を受診します。

大腸がん
腸閉塞
大腸憩室炎
腸炎
潰瘍性大腸炎


■行われる治療

▼ポリープ
大腸の粘膜にぷっくりと膨らんだこぶのようなものができます。きのこのように茎があるタイプと、茎がないタイプがあります。
ポリープの大きさや個数によって異なりますが、内視鏡治療もできます。

直径2cm以下は内視鏡治療になる場合が多く、肛門から内視鏡を挿入しポリープの形状に合わせてワイヤーを掛け、高周波電流で焼き切るなどして切除します。

▼腸炎など
潰瘍性大腸炎やクローン病は消化管のあちこちに炎症や潰瘍が起こる病気です。

ステロイド薬や免疫抑制薬などの薬物治療が主流で、症状によっては手術をして病変部を切除することもあります。
炎症や潰瘍の起きた部分が癒着して腸を詰まらせ、腸閉塞を起こすこともあります。

▼大腸がん
腸管の粘膜に発生するガンで、進行すると大腸壁の深部へと広がります。初期には自覚症状がほとんどありません。ガンが大きくなると便秘や下痢、時には下血などの症状が現れます。

ガンも直径2cm以下は内視鏡で治療できます。それより大きい場合は腹腔鏡下(ふくくうきょうか)手術や開腹手術などを行い、進行した場合は抗がん剤による化学療法や放射線療法を行います。

▼腸閉塞
腸閉塞の原因で最も多いのは術後の癒着によるものです。他に大腸がんや胆石、腸捻転(ちょうねんてん)、ヘルニア(脱腸)が原因になることもあります。閉塞によって腸管の血行障害が起こると危険です。

血行障害が起こった場合は緊急手術を行い、血行障害がない場合はイレウス管というバルーン(風船)を使って腸管を広げる治療を行います。

▼便秘と癌の関係
便秘が癌の発生の原因になるかどうかはまだ明らかになってはいません。
便には老廃物が混じっていますのでそれが常に何らかの影響を与える可能性がないわけでもありません。
また善玉菌の少ない腸内環境は便秘の原因になりますが、同時に発がんの原因にもなるという意見もあり、今後の研究が待たれます。

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