食前キャベツダイエット

京都市立病院糖尿病代謝内科部長であり、京都私立看護短期大学教授でもある吉田俊秀教授の推奨するダイエット法です。

名前の通り、食事の前にキャベツを食べるという方法です。

ダイエットの期間は、教授によれば三ヶ月を限定として取り組みます。これは人間が無理なく続けられる期間として最適との考えから、それ以上の期間はすすめていません。

そして目標の体重ダウンは5%を目安にしています。体重を落とすのであれば、三ヶ月で5%というのが、健康を維持しながら美しくやせるための理想的なペースであるからです。

そしてそれ以上に落としたい人は、いったん三ヶ月という期間を終了して普通の生活をしばらく続けてから、また三ヶ月のダイエットに挑戦するようにします。

食事の前にキャベツ

このダイエット法の核となる部分です。食事の前に6分の1に切ったキャベツを食べます。最初に二つに切って、それを三等分に切ります。そのあと、キャベツはざく切りにします。

基本的に生のまま何もつけずに食べますが、それでは味けないという人はノンオイルのドレッシングや塩コショウ、しょうゆ、味噌ダレ、レモン汁などをかけます。一気に食べるのではなく、10分くらいかけて食べることが理想です。

千切りにすると食べやすいために、すぐに飲み込むようになりますので、あえてざく切りにして、よく噛んで食べるようにします。

噛むことと時間をかけて食べることにより満腹中枢を刺激し、この後の食事を抑えることが出来ます。キャベツをよく噛むことによって得られる満腹感は1時間程度続きます。

キャベツに含まれる身体に役立つ要素

 食物繊維
キャベツには大量の食物繊維が含まれており、便秘の解消も手助けしてくれます。不溶性食物繊維も含まれているため、満腹感も長続きします。

 カルシウム
カルシウムは、骨や歯をつくる要素で骨粗しょう症の予防になります。また、イライラを抑える働きもあります。

 ビタミンU
ビタミンUは、キャベジンとも言われるアミノ酸の一種で、胃腸薬の成分にもなっています。胃の中の弱ってきた粘膜を作り直す作用があります。

 ビタミンC
毎回食前にキャベツを食べることによって、一日に必要なビタミンCを十分摂(と)ることが出来ます。ビタミンCは、シミやソバカスを防いでくれるという効能があり、女性の肌にとって大切な要素です。

 ビタミンK
ビタミンKには骨を丈夫にするという力があります。また、怪我をして出血してしまった時、その血を固めるという作用もあります。ビタミンKは、キャベツの中でも外側の、濃い緑色の葉の部分に多く含まれています。

 カリウム
カリウムは筋肉のエネルギー代謝を助ける働きがあります。腸の動きも腸の筋肉のおかげですから、消化を促進し、便秘を防ぐという作用の一因ともなっています。

食前に食べる野菜はもちろん他の野菜でも構いませんが、これがキャベツであるのは、教授が「野菜をどれだけ食べれば満腹と感じるのか」学生たちに協力をしてもらい、レタス、キュウリ、トマトなど、色々な野菜で試した結果、キャベツが最適であると判断したからです。

このキャベツ6分の1に代わるものとしては、
・レタス1個
・キュウリ3本
・ダイコン4分の1本
・ほうれん草1束
・トマト2個
・にんじん3分2本

などがあります。キャベツの代わりにこれらの野菜に置き換えても問題ありません。

本来の食事

そしてキャベツの後に、本来の食事となるわけですが、主食である炭水化物(ご飯・パン・麺類)は控えめに、女性であればご飯なら一日で茶碗二杯、男性なら一日で茶碗三杯を基準にします。

理想的なのは、炭水化物は朝と昼だけにしておいて、夕食ではキャベツを食べた後には炭水化物を食べないということです。

特に夕食が20時以降になった場合は、食べたもののエネルギーが消費されにくく、主食の炭水化物は脂肪として蓄積されやすくなるので、遅い食事の時ほど炭水化物を控えることが賢明です。

また、全てにおいて食べるものを控えるのではなく、ダイエットを意識していても必ず摂取しなければならないものがタンパク質です。これは一日に最低70グラムはとるようにしましょう。

タンパク質は筋肉の原料となるものであり、脂肪と一緒に筋肉まで落ちてしまうと体型が崩れたり虚弱になったり不健康な身体になってしまいます。筋肉を維持するためにもタンパク質は必ず必要な要素です。

タンパク質70グラムの代表的な組み合わせとして、次の五種類が上げられます。これを一日に振り分けて食べます。

(乳製品)・牛乳200ml
(卵)・・・卵1個
(植物性)・豆腐半丁
(魚類)・・魚80グラム
(肉)・・・肉80グラム

もちろん、毎日同じものでは飽きてしまいますので、主食・タンパク質それぞれの代わりになるものは以下のようになります。

食前1回分(毎回の食前に)この中から一つを選んで食べます。
・キャベツ6分の1
・レタス1個
・キュウリ3本
・ダイコン4分の1本
・ほうれん草1束
・トマト2個
・にんじん3分2本

主食(一日分)
一日分の主食は、女性であればご飯は茶碗二杯、男性なら茶碗三杯が基準です。

ご飯茶碗一杯(120グラム)に相当するもの

そば1玉
パスタ2分の1人前
食パン1枚
ロールパン2個
そうめん1束
うどん1玉

ご飯を食べないのであれば、例えば男性だったら一日分はそばなら3つまでOKということになります。

タンパク質(一日分)
(乳製品)・牛乳200ml・・代わりとして「ヨーグルト200g + チーズ1個半」など
(卵)・・・卵1個・・代わりとして「うずらの卵5つ」
(植物性)・豆腐半丁・・代わりとして「枝豆100g + 納豆1パック」
(魚類)・・魚80グラム・・代わりとして「魚肉ソーセージ1本 + かまぼこ3分の1 + ちくわ2本」
(肉)・・・肉80グラム・・代わりとして「ハム7枚 + ベーコン5枚」

食間のおやつ

どうしてもお腹がすいたら、果物を食べます。基準は、一日に握りこぶし大のものを2つまでです。

バナナ・ミカン・イチゴ・ラズベリー・オレンジ・リンゴ・ナシ・イチジク・ビワ・すもも・柿・キウイ・ザクロ・ぶどう

などの中から2つまで。

油と砂糖は控える

テフロン加工のフライパンを使うなどして油は極力少なくし、砂糖は全面的にカットする気持ちを持ちましょう。

砂糖を摂取すると、血糖値が上昇し、インスリンという血糖値を下げるホルモンが増加し、細胞内にブドウ糖を取り込むことによって太る原因となるからです。

砂糖の代わりに人口甘味料であるアスパルテームを使うようにします。人口甘味料はカロリーがゼロで、血糖値にも影響を与えません。安全性も確認されていますので、安心して使えると思います。

それからマヨネーズは、カロリー半分のものを選び、これも量に注意して使います。

夕食の時のアルコールに関しては、ビールなら500ml缶2本までで、ウイスキーならグラス2杯まで、日本酒・焼酎であれば2合までを基準とします。

運動に関して

食後30分くらいを目安として軽い運動を勧めています。食後は血糖値があがっているので、身体を動かすことにより、血糖値の上昇を抑え、身体に脂肪が溜まることを防いでくれます。

このダイエット法のお勧めの運動として

▼畳一枚を水拭きする。
雑巾で畳を拭くだけでも運動になります。

▼その場で足踏みをする。
5分やればだいたい500歩くらい歩いたことになります。

▼風呂でぜい肉をつまんで揺らしてみる
お湯の中に入り、腹のぜい肉をつまんでブルブルと揺らしたり、ひねったりマッサージしたりします。時間はだいたい10分くらいです。これを行うと、脂肪細胞の中に含まれている油分が抜けやすくなり、代わりの水分が入ってくると言われています。そしてこのぜい肉の運動を1週間続けていると、その水分も抜け、若干腹も引っ込んできます。

ある男性が毎日実行した結果、5日目でベルトの穴が一つ縮まったという結果もあります。
ただし、脂肪細胞の数が減るわけではありません。わずかに細胞の大きさが縮むためにわずかにお腹のサイズが減少するだけです。

▼歩く
これも足踏みと同じく食後30分くらいをメドにして行います。もちろん、足踏みよりは強度の強い運動となりますが、あまり無理をしないように、脈拍を基準とします。

一般的な人であれば脈拍は1分間に110くらい、65歳以上の人であれば、100くらいになるペースを保って30分くらい歩きます。ただ1分間も脈を測るのは面倒な作業になりますので、20秒ほど測ってそれを基準にすると良いかもしれません。

1分間に110ということは、20秒なら36回くらいとなります。歩いている途中に自動販売機があったからといって途中でジュースを飲むようなことをせず、飲むのであれば水を飲むように心がけます。

生活のサイクルを規則正しく

仕事をしていれば、一概に何時に起きて何時に寝るのが理想です、ということは言えませんが、毎日同じような時間に起きて、同じような時間に食事をすることがダイエットにも健康にも理想的なことです。

そして食後の運動も習慣化し、毎日同じような生活パターンを送ることです。しかし、仕事の後の飲み会など、同僚に誘われることは会社員としては当たり前のことであって、これらを全部断っていてはカドが立ちます。

その辺りは適当に間隔を開けて付き合い、1週間に一回程度であれば好きなものを食べてまた翌日からダイエットを始めれば何ら支障はありません。

完全を目指すとかなりのストレスとなりますから、ケースバイケースで対応していきましょう。


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キャベツダイエットの本

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