あなたは永久に肥満から解放される

医学博士である L.メルヴィン・エルチング博士とセイモア・アイゼンバーグ博士の共同執筆によるダイエット法で、原題は「YOU CAN BE FAT-FREE FOREVER」。

その歴史は古く、1974年(昭和49年)に出版され、アメリカで大ブームとなりました。日本語訳も出版され、こちらも大々的に宣伝されて大ブームを巻き起こしました。

日本で発売された本は、赤い表紙でB5版で厚さ3.9cm、重さ1.5kgという巨大な本でした。当時の価格で確か8000円か1万円くらいの金額だったと思います。


「1日にコップ8杯の水を飲む」という方法を核とし、食べて良いものがリストとなって表記されています。

成功者は何千人もの数にのぼり、肥満大国アメリカで重度の肥満患者が20kgや30kgの減量は当たり前、70kgや80kgの減量に成功した人も数多くいます。

そして彼らの大半はその後のプログラムを守ることによってリバウンドもほとんどなく、やせた体型を維持しているというのです。

ウエストが30cm以上減ったという人も数多く、彼らは「食に対する精神的負担はかなり軽かった。このようなことでこんなにやせられるとは思わなかった。」と多くの人が感想を述べています。


もちろん、全員が同じようなスピードで減量出来たわけではありませんが、博士たちの経験から言えば、

「一年間、体重の増減を記録したことのある人であれば分かると思いますが、増減は決して一週間でいくら、などと規則正しく変化していくものではありません。

体重は増えたい時に増え、減りたい時に減るのです。一週間や一ヶ月などという時間の概念は、人間が便利だから使っているだけであって、身体はそれに従う必要はないのです。」と言っています。

博士たちの病院を肥満治療で訪れた人でも、80日で3.5kgの減量だった人もいれば、7週間で32kgの減量だった人、18週間で45kgの減量だった人もいます。人の身体はそれぞれがバラバラであり、決してみんなが同じペースで落ちるわけはないのです。

しかしこの食事計画を完全に守ればダイエットに失敗する人はいない、とも言っています。

▼減量プラン

具体的には以下のような食事を毎日続け、しかもそれを100%完全に実行する、ということが条件です。

もちろん、実生活では付き合いもあって何日も自分の思うとおりの食事が続けられるわけではありませんが、ハメをはずした翌日からは再びこの食事パターンに戻す、ということです。

 必ず毎日食べるもの(量は1日分)
1.240ccの水をコップ8杯。朝から、遅くとも19時までには飲み終えること。
2.干したプラムを3個または干したアンズ3個または干しブドウ大さじ3杯
3.グレープフルーツ1/2個または8cm切りのメロンまたはオレンジ1個またはみかん2個またはイヨカン1個またはハッサク1個。
4.大きな生のにんじん1個。
5.セロリ2本またはキュウリ2本
6.リンゴ1個またはナシ1個

※1から6を毎日必ず食べるようにします。

野菜は代替(だいたい)しても可能ですが、食べてよい野菜は、上記のセロリ、にんじん、キュウリの他には、長ネギ、玉ねぎ、パセリ、レモン、しいたけ だけです。これ以外の野菜は食べてはいけません。

1と2の水とブドウ関係は、1日のうちで分割して食べます。
空腹を感じた時には、3から6のどれかから食べ始めます。

 必要な時に少量で何回でも食べてよいもの(タンパク質食品)
・牛肉
・生ハム
・豚肉のローストまたは塩コショウで焼いたもの
・鶏肉
・ツナ缶と鮭の缶詰
・刺身
・海産物(エビ、はまぐり、カキ、カニ、)
・フランクフルトソーセージ(これは一週間に3本まで)

※肉は脂身の少ないところを選びます。肉類は焼くかフライパンで炒めるかして料理します。

から揚げ、フライ、てんぷらはいけません。また、くん製の魚や肉はいけません(ベーコン、煮たハムなど)。
かまぼこ、冷凍食品もいけません。

 調味料
全ての調味料がOKです。サラダ油、ゴマ油なども料理に使って結構です。
ただし塩は料理に使うだけで、食べ物に降りかけたりして食べてはいけません。
味噌や醤油も少量を心がけて下さい。

 嗜好品飲料
コーヒー、紅茶、お茶は、8杯の水とは別に欲しいだけ飲んで結構です。
砂糖の入っていない炭酸飲料であれば、240ccを2本まで飲んでもよいです。

砂糖は使わず、人工甘味料を使うようにします。コップ1杯に対して大さじ2杯以上のミルクはいけません。
ココア、ミロ、ジュース、コーラ、缶コーヒーはいけません。

ここに書いてあるものだけが食べるものの全てであり、ここに記載されていないものは身体の中に入れてはいけません。
一番重要なことは水を飲むことです。

維持プラン

上記の食事で、自分の思うところまで体重が落ちたら、それを維持するための第二段階に入ります。
ここまでは「1日かけてこれだけを食べる」という形でしたが、この段階から1日3食という普通の形態に戻ります。少なくとも一ヶ月は続けることが肝要です。
博士たちが示す食事例は以下のような感じです。量と質を参考にして下さい。

 
1.オレンジジュース120ccまたはグレープフルーツ半分
2.ごはん1杯または完全小麦かライ麦のパン1/2個(小さじ半分のマーガリン)
3.ゆで卵1個(目玉焼きの場合は油なしで焼く)
4.コーヒーか紅茶(砂糖なし、ミルクを少々)

 
1.トマトジュース120cc(生トマト240g分 = 中サイズ2個に相当)またはグレープフルーツジュース
2.180g分の肉と魚の組み合わせまたは肉と貝類の組み合わせ
3.緑色か黄色の生野菜60gまたはレタスとトマト
4.コーヒーか紅茶(砂糖なし、ミルクを少々)

 
1.トマトジュース120ccまたは同じカロリーのもの
2.180g分の肉と魚の組み合わせまたは肉と貝類の組み合わせまたは卵2個
3.すまし肉スープ1カップ(塩の入っていないもの)
4.小皿1杯分のサラダ(ドレッシングは低カロリーで)

 デザート
(この中のどれか1つだけ)
メロン1/4個・リンゴ1個・ナシ1個・ブドウ12粒・シチュー状になった果物の缶詰180cc分・イチゴ180cc分・アイスクリーム(小さなカップで)・シャーベット1杯・コーヒーか紅茶(砂糖なし、ミルク少々)

 全般
にんじんとセロリ以外のスナックを食べてはいけません。
白パンやロールはいけません。
水を飲むことをやめてはいけません。240ccのグラスで8杯水を飲むことは生涯の習慣としなければなりません。
塩分は極力少なくして下さい。その代わりに新しく引いたカラシを使うようにして下さい。

コントロールプラン

最初の徹底して体重を落とす段階と、維持するプランである程度日々の体重が落ち着いてきたら、普通の食事に戻す人もいると思います。ですが、人間の身体は日々変化し、多くの人は仕事を持っています。

週末に飲み会は日常的なことですが、ずっとこのダイエットをしてきたならば、以前ほど食べられなくなっている人がほとんどでしょう。

それでも何週間・何ヶ月と生活していれば、また体重が増えたと感じる時があるかも知れません。

博士たちはそのような時のコントロールプランも提示しています。以前ほどのハードなものではありませんが、自分で感じて「マズイ」と思った時には、以下のプランを実行してみましょう。

常に増減を繰り返す体重の微調整のような食事例です。上記と同じく量と質を参考にして下さい。

 
1.ジュースまたは果物1/2カップ
2.卵1個(料理法は制限なし)
3.ベーコン2枚
4.トースト1枚または完全小麦かライ麦パン1/2個

 
1.ジュース1/2カップまたは海産食品のカクテル
2.肉か魚120g
3.サラダ少量
4.果物1/2カップ

 
1.ジュース + 果物または海産食品1/2カップまたはすましスープ1カップ
2.野菜・・グループ1とグループ2の野菜を1/2カップずつ
3.肉か魚を120gから180g
4.果物1/2カップ


※上記の野菜「グループ1とグループ2」、ジュースの種類

 グループ1
アスパラガス・はつかだいこん・キュウリ・キャベツ・ほうれん草・かぼちゃ・カリフラワー・レタス・トマト・セロリ・きのこ・オランダ辛子・緑色辛子

 グループ2
ナス・エンドウ・いんげん・おくら・玉ねぎ・にんじん・かぼちゃ・かぶら

 果物とジュース
リンゴ・グレープフルーツ・オレンジ・イチゴ・アプリコット・レモン・オレンジジュース・みかん・バナナ・ライム・ナシ・パイナップル・桃・メロン・すいか・さくらんぼ・プラム

質問

博士たちが治療を行った、6000人以上の肥満患者の人たちからよく受けた質問です。それぞれの下の行が、博士たちの返答です。

少量の食物とは。
空腹を満足させるだけの量です。一度食べて、それで満足出来ない場合はもう少し食べて下さい。少量とは人によって違いがある量です。

野菜の種類が限定されているのは。
このプランに載っていない野菜は炭水化物が豊富であり、あなたにはそれが必要ないからです。または、あまり噛むことがない野菜だからです。にんじんとセロリは炭水化物に富んでいますが、噛むという点で非常に良い食べ物です。それによってあなたの口を満足させることが出来ます。

減量プランに卵とパンが入っていないのは。
卵はどういう料理をしても、それを噛むことがほとんどないからです。また、コレステロールが高いということも理由の一つです。同じことがチーズにも言えます。

パンは主食となるものですが、減量プランには入っていません。しかし、維持とコントロールプランには入っています。パンは炭水化物に富んでいて、太ってしまった原因の一つと考えられます。したがって摂るべきではないと考えます。

私は水を十分に飲んでいると思うのですが、水の量はだいたいでよろしいですか。
絶対にいけません。240ccで8杯の水は必ず飲むようにして下さい。

レバーは食べてもよいのですか。
食べても良いです。ただし、油で揚げたりしてはいけません。また、パンと一緒に食べるのもいけません。

これまで色々な減量を試してきて体重もかなりの幅で増減してきました。このプランは私を助けてくれるのでしょうか。
時間だけが答えを出すでしょう。ただ、このプラン通りに行って失敗した人はいませんでした。成功した人の報告は何千と来ています。私たちに言えることはそれだけです。

便秘に関しては。
このプランに従えば、これまでとは違う便の習慣になるかも知れません。出にくくなったということは、これまでより食事の間隔があいたり、入ってくる食べ物の量が減ったからであり、この新しい習慣に腸が適応するために時間がかかります。また、あなたが排泄すべき残り物を出すようなものを食べていないということも原因の一つです。

あまり何日も出ないときは下剤を使用しますが、2日から4日くらい出ない人はかなりの数おり、一般に言われていることとは違って、これぐらいのことは何の害にもなりません。

料理に塩を使っても良いということですが、なぜ食卓塩は駄目なのですか。
塩を禁じているわけではなく、塩分は食べ物の中に含まれている量と料理に味付けとして使った量だけで十分だからです。あなたがテーブルに塩を用意していて、食べる前にふりかける行為は塩分過多となります。

肉類で、牛肉を食べないようにすればもっと早く減量出来ますか。
確かに肉類の中で、牛肉を食べる人と、鶏と魚を食べる人とでは鶏と魚を食べる人の方が減量のスピードは早いように思います。その食品の持つカロリーの差です。しかしあなたが毎日同じものを食べなければならない、というストレスの方が気になります。急がないで、食べ物に幅を持たせて下さい。

水を飲み過ぎるということはありませんか。
いいえ、腎臓、肺、心臓が健康であれば、飲んだ分は尿となって排出されます。

1日1回しか食べなければ、もっと早くやせられますか。
いいえ。実際にはタンパク質食品を、1日にまんべんなく振り分けて摂る方が減量はもっともよく起こるということを私たちは経験で見てきています。また、1日中お腹をすかしていたから夜に一気に食べてもよいだろうという自己弁護もよくありません。

このプランに載っている野菜を他のものと置き換えることは出来ますか。
いいえ。このプランは非常に具体的なものです。私たちは何年にも渡ってそれぞれの食べ物の効果を証明してきました。決して他のもので代用するということはしないで下さい。もし、このリストの中でどうしても食べられないものがある時には、リストに載っている別のものを食べて下さい。

いったん正常な体重になれば、また何でも食べられると言われましたが、何でも食べてまた太らないのでしょうか。
あなたは何でも食べることが出来るようになりますが、以前と同じ食べ方をするわけではありません。身体の新陳代謝が正常になれば食べ物を正常な仕方で処理するようになります。あなたも食べ物を正常な仕方で扱うようになっているでしょう。

減量に魔法のやり方というものは存在しません。ただ、一生懸命やるだけです。それはあなたの人生の中で最も難しい仕事となるでしょう。しかしいったん正常な体重に落としてそれを維持出来れば、それはあなたの人生の中で最も素晴らしい仕事だったということが分かるでしょう。


Top Page  ダイエット情報室  No.15

1食400kcalの栄養食を宅配

このページの先頭へ