食べてないのに太る

肥満は、消費カロリーよりも摂取カロリーの方が多いために起こる現象です。自分ではそれほど食べているつもりがないのに太っている、あるいはやせない、という人もいます。

アメリカで行われた肥満者に対する食事調査では、明らかに食べ過ぎている人は全体の約3割で、普通の人と変わらないような食事をしている人は約4割、そして残りの3割は、普通の人よりも少ない食事量だった、という結果もあります。

これは一回の食事では確かに標準、あるいはそれ以下なのに、間食をたびたびしていた、という場合もありますし、摂取カロリーは低くても、消費カロリーはさらにそれより低い、という場合もあります。

また、食事量は昔と変わらないのに年齢とともにだんだんと太ってきた、という人もいます。これは年齢とともに基礎代謝が減少していき、身体がカロリーを消費しにくくなったために、結果的にカロリーオーバーの状態になったためです。

摂取と消費の相対的な関係によって太る、やせるは決まります。ダイエットを始めて摂取カロリーを少なくしていけば、最初はやせるものの、身体が消費してくれるカロリーもいずれはそれに伴って段々と減少していくようになります。

あまり食べないように心がけている人でも体重が落ちないのは、その食事量に身体が慣れて基礎代謝が低くなったために、摂取と消費が同じくらいになって、結果的にやせにくい体質になってしまった、ということが一因にあります。

肥満は遺伝する

アメリカのマイヤー博士の調査によると、父も母も太っているとその子供の80%は太っているという結果となっています。

そして母親だけが太っている場合では60%、父親だけが太っている場合では40%の確立で子供も太っています。

これによると肥満とは遺伝という要素がかなり影響していることが分かります。母親が太っている場合の方が子供の太る確率が高いのは、食生活で母親の影響を受けやすいためと言われています。

一般の家庭では食事の面倒をみるのは母親ですから、母親の食の好みや生活パターンをそのまま受け継いでしまうことが多いからです。

太り方による肥満のタイプ

肥満には2種類あり、「内臓脂肪型肥満」「皮下脂肪型肥満」です。

内臓脂肪型肥満とは、お腹の内臓の中に脂肪が入り込んだタイプで、男性に多く見られます。見た目は下半身に比べて上半身が太っているため、「りんご型肥満」とも呼ばれます。

皮下脂肪型肥満とは、皮膚のすぐ下に脂肪がつくタイプで、この場合、内臓の中にはあまり脂肪はついていません。女性に多く見られるタイプで、ヘソより下のお腹、お尻から太ももにかけて脂肪が多く、上半身に比べて下半身が太っているため、「洋ナシ型肥満」と呼ばれます。

病気を併発する可能性が高いのは内臓型の方ですが、内臓型は脂肪がつきやすい反面、落ちやすいという特徴も持っています。生活習慣を変化させれば内臓の脂肪を減少させていくことは可能です。

脂肪細胞の観点から見た太り方

脂肪細胞には、中に中性脂肪を溜め込んでエネルギー貯蔵庫のような役割をする「白色脂肪細胞」と、体温の保持をする「褐色脂肪細胞」があのます。肥満に関係するのは前者の白色脂肪細胞の方で、その数は成人で250億から300億個あります。

内蔵型・皮下型という分け方ではなく、脂肪細胞の観点からも肥満は2種類に分類されます。1つは脂肪細胞の数が多い「過形成性肥満」と、もう1つは脂肪細胞の数は普通の人は変わらないのに、細胞のサイズが大きい「肥大性肥満」です。
肥大性肥満は中高年に多く存在するタイプです。

また、脂肪細胞の数が多い上に更にサイズも大きくなる場合があり、これは「連合性肥満」と呼ばれ、極めて高度の肥満者はほとんどがこのタイプになります。

脂肪細胞が主に形成される時期は一生のうちに3回あり、最初は妊娠の末期3ヶ月の時期、つまりまだ胎児の状態で母親のお腹の中にいる時期です。そして次は生後1年あまりの時期、最後は思春期の時です。この過程で形成された脂肪細胞はほぼそのまま数が固定されます。

脂肪細胞の数が多いタイプの肥満は体重を落としにくいとも言われますが、気長にじっくりとやっていくことでダイエットは十分可能です。

夜食症候群

朝はぎりぎりまで寝ていて、食事をする時間もなく慌てて家を出て会社へ行き、昼は時間に追われて急いで食べる。仕事が終わってほっとしてアルコールを飲みながら、やっとゆっくりまともに食べられる、というのは極めてありがちな社会人の生活パターンです。

アメリカのスタンカード教授は、日中はほとんど食べないで夜にまとめて食べる人たちを「夜食症候群」と名づけています。

これは夜間の大食・不眠・朝の食欲不振を三大症状としており、若い女性に圧倒的に多い症状だということです。


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ファスティン

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