3食の代表的な献立

自由もプライバシーも全くない刑務所生活では、食べることは非常に大きな楽しみの1つとなります。豪華な食事というわけではありませが、適当なものが出されるというわけでもありません。以下のリストはその代表的なパターンです。

(1)
朝・・ 麦飯 味噌汁 サバの缶詰 ふりかけ
昼・・ 麦飯 野菜炒め(魚肉ソーセージ入り) かき玉汁 漬物
夜・・ 麦飯 しらたきソテー 筑前煮 ウグイス豆


(2)
朝・・ 麦飯 味噌汁 豆腐 桜漬け
昼・・ 麦飯 味噌汁 八宝菜 おでん
夜・・ 麦飯 スープ 餃子 がんも煮付け 味付け山菜


(3)
朝・・ 麦飯 味噌汁 こうなご佃煮 青カッパ漬け
昼・・ 麦飯 スープ ハンバーグ 野菜サラダ りんご
夜・・
麦飯 味噌汁 焼き魚 大根おろし ほうれん草のゴマあえ


(4)
朝・・ 麦飯 味噌汁 納豆 たくあん
昼・・ 麦飯 スープ カツカレー サラダ 牛乳
夜・・ たぬきうどん ちくわテンプラ かきあげ わかめの酢の物


(5)
朝・・ 麦飯 味噌汁 サンマの缶詰 かぶ漬け
昼・・ 麦飯 スープ 豚ニラ炒め 中華サラダ 白菜漬け
夜・・ パン ジャムバター クリームシチュー 煮豆 春雨サラダ フルーツポンチ


(6)
朝・・ 麦飯 味噌汁 生タマゴ 海苔 しば漬け
昼・・ 麦飯 スープ チキンカツ ひじきの煮物 サラダ
夜・・ 麦飯 味噌汁 煮魚 酢の物 かぼちゃサラダ


(7)
朝・・ 麦飯 味噌汁 カツオの缶詰 ふりかけ キャベツ漬け
昼・・ ラーメン おでん サラダ 青菜ひたし 柿
夜・・ きつねそば テンプラ盛り合わせ 野菜の煮物 ヨーグルト


(8)
朝・・ 麦飯 味噌汁 赤貝佃煮 海苔 ツボ漬け
昼・・ パン ジャム ぜんざい ハムエッグ サラダ みかん
夜・・ 麦飯 酢豚 中華サラダ タマゴスープ コーヒー牛乳


1日の摂取カロリーと栄養量は法務大臣の訓令で定められており、成人男子であれば1日当たり2200から2600kcalとなっています。

栄養管理士らによって作られた1500あまりの献立カードを元に、給食担当職員がカロリーと栄養量を計算して10日サイクルで献立を考えます。1日30品目を基準に10日分の献立を考えるのも大変な作業です。

刑務所内での主食は麦飯で、麦3:米7の比率で炊かれます。麦は食物繊維も多く、血糖値を下げると言われていますので、糖尿病気味だった受刑者が出所のころには健康体になっていた、ということもあるようです。

それぞれの食事は刑務所内で、料理担当の受刑者によって作られます。プロではありませんので、うまいまずいは当然あります。

嫌いなものの食べ残しは許されますが、受刑者同士でおかずの交換をしたり、残したものを舎房に持って帰るなどの行為は禁止されています。これをやると懲罰の対象となります。

また、季節の暦に応じた食べ物も支給されます。正月ならばおせち料理、バレンタインにはチョコレート、3月には雛(ひな)あられ、5月には柏(かしわ)餅、彼岸にはぼたもち、土用の日にはうなぎ、9月には月見だんご、クリスマスにはケーキなどです。

甘いものは滅多に食べられない

刑務所内では支給される食べ物以外は一切食べることが出来ません。特に甘いものを食べる機会は0ではないものの、その頻度は一般人に比べると極端に少なく、受刑者たちは甘いものに飢えていると言われます。

刑務所内では、食事は全員同じものを食べますが、受刑者のランクによって食事以外に、お菓子やジュースなどが支給されることがあります。

刑務所内では、それぞれの受刑者に対してランク付けを行います。優良な受刑者であるか不良であるかということですが、これは1類から5類までの5段階に分かれます。一番下のランクは5です。

毎年4月と9月に評価が決まりますが、その主な採点基準となっているのは、日常生活の態度、工場内での勤務態度、同僚と仲良くしているか、刑務官に対する礼儀や言葉使い、訓練を真面目に受けているか、感想文やレポートなどの提出はきちんと行っているか、などです。

受刑者たちはランクが上がってくるに従って、ある程度の優遇措置を受けることが出来ます。その際、一番人気がある措置が「お菓子が食べられる」ということであり、これは模範囚と言われる3類以上の受刑者のみが受けることが出来ます。

一番下の5類の者ですと、甘いものは年間の行事の時くらいしか食べられません。

3類以上の受刑者の特典として、1回300円から500円の予算で刑務所側がお菓子の詰め合わせを用意し、講堂に3類以上の受刑者を集め、お菓子を食べながらDVDを見るという行事があります。たびたびお菓子が食べられるのは、優良な受刑者のみなのです。

お菓子はポテトチップスやチョコレート、あんドーナツ、キャラメル、ゼリー、せんべい、缶コーヒーやジュース、夏ならアイスクリームなどです。また、お菓子の費用は、それぞれの受刑者たちが工場で働いた作業報奨金からの引き落しとなります。タダではありません。

作業報奨金とは工場内で作業した、いわゆる給料のようなものですが、月に1万円もありません。だいたい平均して月4000円程度です。

規則正しい生活

刑務所内では時間の管理に厳しく、規則正しい生活が義務付けられています。朝6時30分の起床の後にはすぐに布団をたたみます。たたみ方も決められています。刑務官が「点検ヨーイ」と叫ぶと、それぞれの舎房内では所定の位置に並び、「気をつけ」の号令で全員が座布団の上に正座します。

正座して待っていると、それぞれの舎房に刑務官がやって来て「番号」と言われると、端から順に番号をかけます。人数の確認が終わったら点検終了ですが、起床から点検終了まで私語は一切禁止です。

朝と夕方には下着だけになって身体の点検を受けます。余計なものを身に付けていないかチェックするわけですが、裸にして身体を調べるのは、同じ房内の者からリンチを受けていないかチェックする意味もあります。

朝食が終わって刑務所内にある工場にそれぞれ列を組んで出発し、7時40分から16時40分まで作業します。作業終了後、それぞれの舎房に帰ります。そしてまた点検、そして夕食。19時になると仮就寝といって布団を敷いて横になってもよいことになっています。21時の消灯で1日が終わります。

消灯といっても真っ暗にはならず、夜中の刑務官の見回りの際に、房内が確認出来るほどの明るさは保たれています。雑居房にいる者ですと、24時間誰かと一緒におり、24時間監視されていることになり、全く気が休まることがありません。

風呂も毎日入れるわけではなく、冬で週2回、夏で週3回、制限時間は15分で大風呂に団体で入ります。風呂の中にも刑務官が立って監視しており、風呂の内部には、「15・10・5」と書かれた掲示板があってこれが残り時間に合わせて点灯し、時間を知らせるようになっています。

刑務所内の生活では何をするにも刑務官の許可が必要です。トイレに行きたくなっても勝手に行くことは出来ず「お願いします。」と手をあげて許可をもらいます。作業中に必要なものを取りに行く時も同様で、常に許可がないと動けません。

新聞は刑務所内に置いてあるものの、収容されている暴力団関係者を刺激させないという意味から暴力団関係の記事などは黒く塗りつぶして読めないようにしてあり、その他読ませることが不適当と判断した記事も塗りつぶされています。ラジオのニュースも一度録音して不適当な部分をカットしたものが放送されるようになっています。

刑務所内では食に限らず生活全てにおいて、規制され監視され、自由のない生活となります。


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