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No.109 異星人に誘拐され、身体を検査されたヒル夫妻



1961年9月19日。その夜ヒル夫妻は、カナダで休暇を楽しんだ後、車でポーツマスの自宅へと向かっていた。その途中でハンプシャー州のランカスターにさしかかった時、奥さんであるベティ・ヒルが、夜空に明るく輝く「点」を見つけた。その「点」は何か妙に明るいし、明らかに他の星と違っていたのは、その「点」は動いていたことだった。

「あれは何?」
「人工衛星か何かじゃないか?」

そのような会話をしながら車を走らせていると、その間にもその明るい物体はみるみるうちにヒル夫妻の車に近づいてきた。そして地上から30mくらいの地点まで降りてきてそこで静止したのだ。


ここまで近づけば、それが何かは分かる。さっきまで光っていたその物体は、円形の飛行物体だった。外側には二列に並んだ窓が見える。だが翼もなければ動力機関のようなものも見当たらない。しかし何より恐ろしかったのは、その窓から五つか六つの異様な形の人影のようなものが見えたことだ。

ヒル夫妻も最初は車を止めて観察していたものの、急に怖くなってすぐに車を発進させ、猛スピードで逃げ始めた。しかし車を発進させてまもなく、車の後ろの方から「ビーッ」という音が聞こえ始め、その瞬間から2人とも急に脱力感と眠気に襲われ、そのまま意識を失ってしまった。


そして再び「ビーッ」という音で目が覚めた時、2人は何事もなかったかのように車の中にいた。車自体もちゃんと道路を走っている。だが、さっきまで走っていた道路とは明らかに違う。標識を見ると、さっきまでいた地点から50〜60kmも離れた地点を走っていた。

2人とも、どうやってここまで来たのか記憶がない。やっと家にたどり着いた時には予定の時間を2時間もオーバーしていた。


しかし後になってから気づいたのだが、夫であるバーニー・ヒルの靴のかかとは、まるで何時間も歩いたかのように擦(す)り減っていた。また、奥さんであるベティ・ヒルの服は誰かと争ったかのようにあちこちが裂けていた。そして車のトランクには、何かキラキラと光るものがたくさんついていた。

身体にはこれといった怪我はなかったが、この日を境に、夫婦は毎晩のように嫌な夢や怖い夢を見るようになってしまった。しかしたかが夢とはいえ、悪夢で毎晩目が覚めるような日々が続いてくると、だんだんと神経的にまいってしまい、ヒル夫妻は精神分析を行ってもらうことにした。


2人は、ベンジャミン・サイモン博士という人物に、これまでの経緯と今の状況を打ち明け、相談にのってもらうことにした。2人から相談を受けた博士は、ヒル夫妻を逆行催眠にかけてみることにした。不安に感じている空白の2時間を思い出させようというのだ。

催眠状態によって2人が語ったところによると、その2時間の間、やはり彼らは宇宙人に誘拐されていたことがわかった。2人の証言によると、この宇宙人はどれも小柄な体型をしており、頭に髪の毛はなかった。顔の横には耳と思われる穴があいており、鼻や口はあるのかないのか分からない感じであった。

ただ目だけが異様に大きくて顔の端まで伸びており、それは明らかに人間とは違った生き物だったという。


そんな彼らが、夫妻を車から引っ張り出し、宇宙船の中に連れこんだ。その後あれこれと夫妻の身体を調べ始めたのだ。目に光を当てて覗(のぞ)きこんだり耳の中を覗いたり、口を開けて歯を調べたり、髪の毛を引きぬいたりした。

奥さんのベティの方は靴と服を脱がされ、テーブルの上に寝かされて身体を調べられた。一通り検査が終わると彼らは夫妻に天体図のようなものを見せ、記憶を消して再び車に乗せた。

2人が見せてもらったという天体図を、催眠中に書かせてみると、それはまだ未発見か、別の位置にあるとされていた星座の様子が正確に書かれており、この図が想像によって書かれたものではないということが証明された。



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