No.27身体を3才若返らせた、ある実験


年齢は一方的に積み重なっていくもので、減少することはまずありません。老化現象にしても、年々老いていくことは避けられない運命です。若返ったと言っても、それは気分的なもので、肉体的・生理的に若返ることは不可能です。

しかし、この常識をくつがえすような実験が1979年に、ハーバード大学で行われました。厳密に管理された実験で、本当に肉体的に若返ることが証明されたのですから、当時、大変な衝撃を巻き起こしました。

その実験とは・・・、「田舎にある施設を作って、そこに健康な75才以上の老人を集めて5日間過ごさせる」、というものでした。
施設の中には20年前のラジオが流れ、雑誌も20年前のものが用意され、そして服さえも当時の服を着てもらい、参加者たちは20年前に戻ったつもりで生活します。


1979年の20年前といえば、1959年です。つまり、1959年のヒットソングを聞きながら当時の雑誌を読み、会話も全て現在進行形で行い、あたかも今が1959年であるかのような生活をするのてす。

そしてその結果、驚くべきことに老人たちの肉体は3才程度若返ったのです。たった3才、と思ってはいけません。薬でも出来ないようなことを引き起こしたのですから。

具体的に言うと、まず容貌において、実験前と実験後の写真を比べると、誰が見ても明らかに実験後の方が若く見えました。

そして身体的なものを厳密に計測してみると、関節を動かすことの出来る範囲が広がり、運動能力の向上が見られました。指の長さもわずかに伸び、体重や肩幅、座高なども増加していました。これは老化すると分泌されない成長ホルモンが分泌したためだと言われています。その他にも、遠かった耳が聞こえるようになったり、視力が向上したり記憶力にも向上がみられました。

たった5日間、こうした環境で生活するだけで本当に身体が若返るとは、驚きと言うほかはありません。心が昔に戻れば、身体もそれにつれて戻ろうとする、ということでしょうか。