Top Page  心霊現象の小部屋  No.30  No.28


No.29 墓の中で目を覚ましたローザ

1950年9月、イタリアのカメリノ大学で、心理学の教授であるストッポリーニ博士はオカルト関係の講義をしていた。講義の一環で、ある学生に催眠術をかけたところ、その学生は予想以上に強い催眠状態におちいり、何かの霊が憑依し、霊媒の役割を演じ始めた。

他の出席者たちも大変に驚いたが、催眠術をかけられた学生は普段の本人の声とは全く違う声でしゃべり始めた。

「私の名前はローザ・スパドーニといいます。私はカメリノから3kmほど離れたカステル=ライモンドの墓地に埋葬されました。私が皆さんに言いたいことは、私と同じようなことが起こらないように皆さんにも十分注意して欲しいのです。

私は死亡診断書が発行されてから二日後に昏睡状態のまま生き埋めにされました。まだ生きているのに死んだとみなされて柩(ひつぎ)に入れられて埋められたのです。」

ここまでしゃべったところでその学生は意識を失って倒れてしまい、教室内は騒然となった。


翌日博士はカメリノの市民病院で、確かにローザ・スパドーニという女性が1939年9月4日に亡くなっていることを確認出来た。そしてその二日後にカステル=ライモンドの墓地に埋葬されていることも。
あの時に霊が言ったことは本当だったのだ。

1950年9月13日、ストッポリーニ博士は、3人のイタリア政府の役人と墓堀り人、病理学者、カメラマンを伴ってローザ・スパドーニの墓を開けてみることにした。

墓は掘り起こされ、博士みずからが柩のフタが開ける。

中に入っていた骸骨は、顔が左を向いていた。右腕は上の方にきており、指の骨が口とノドのあたりに食い込んでいる。ヒザはまるで柩のフタを押し上げようとしたかのように上に向かって立っていた。

フタの内側には何本もの引っかき傷がついており、この中でローザがいかに苦しんでいたかを物語っていた。

同行した人間たちも、この事実を認めざるを得ない状況の死体であった。まぎれもなく生きたまま埋められ、誰にも気づかれることなく土の中でもがき苦しみながらローザは死んだのである。



Top Page  心霊現象の小部屋  No.30  No.28