Top Page  心霊現象の小部屋  No.45  No.43


No.44 一夏の経験

上田和夫さんは、友達と一緒に三泊四日の沖縄旅行に出かけた。旅の目的は特になかったが、しいていえばナンパというところである。なかなかルックスのいい上田さんは、初日はかなりの率でナンパに成功し、楽しい一日を過ごすことが出来た。

だが二日目は全然だった。声をかけても全く相手にされない。それどころか、彼氏のいる女の子に声をかけ、逆にボコボコに殴られる始末だった。もう、ほとんど諦めかけてホテルに帰って酒を飲んでいたのだが、他に特にすることもない。

また懲りずに夜の繁華街へとナンパに繰り出して行った。だが、やっぱりダメ。いい加減疲れて、道からちょっとはずれた石で出来た小屋によりかかって、座って休んだ。


ちょっと座ってるつもりが、酒がまわってきたのだろうか・・いつの間にかそのまま寝てしまった。どれくらい経ったが分からないが、上田さんは、誰かに肩を揺さぶられて目を覚ました。

寝ぼけた目で見てみると、そこには髪の長い二十歳くらいの美人が上田さんの横に座っていた。このコが起こしてくれたのだ。これはラッキー。そう思って上田さんはすぐに話しかけ、話も盛り上がって、すぐに後ろの小屋の中へ連れこんだ。

連れこんだら、だいたいやることは決まっている。服を脱がせてやるだけやって、そのまま小屋の中で寝てしまった。


次の日目が覚めると、隣で寝ているはずの昨日の美女がいない。
「先に黙って帰ったのかな? まぁ、いいか。やることはやったし。」
などと思いながら上田さんが小屋から出てみると、すぐ目の前に線香と花を持った老婆が立っていた。

「あんた、うちの墓の中で何やってるんだ!」

なぜかいきなり怒られてしまった。なんと昨日の晩、上田さんが一晩過ごしたのは、小屋ではなく墓だったのだ。沖縄ではこのように、あたかも小屋のような大きな墓を建てることがあるということで、こういった立派な墓があちこちに存在しているという。

「と、いうことは、昨日の晩会った女というのは・・?」
上田さんは昨日の体験を思い出してゾッとした。

だが更に驚いたのは、沖縄から帰る間際に空港で写した写真の中に、あの晩の美女が写っていたことだった。そっと上田さんに寄り添うように彼女は写真の中にいたのだった。霊にとっても一夏の経験だったのだろうか。