Top Page 心霊現象の小部屋 No.104 No.102
事故を起こしたのは、客車であるメトロリンクと、ユニオン・パシフィック鉄道の貨物列車である。 事故の原因は、客車であるメトロリンクの運転士ロバート・サンチェスが、携帯電話のメールに熱中するあまり、赤信号を見落としたためではないかと推測された。 この事故で運転士ロバート・サンチェスは死亡し、また、乗客も24人が死亡し、合計25人が死亡するという大惨事となった。 事件は、事故直後からテレビで大々的に報道されたが、テレビに映し出される映像を見ていた、視聴者の一人であるアンドレア・カッツさん（女性）は猛烈な不安に襲われた。 彼女の婚約者であるチャック・ペッツさんが、この列車に乗っていたことを知っていたからだ。 現場では懸命の救助作業が続いていたが、アンドレアさんに出来ることは、チャックさんの無事を祈ることぐらいしかない。 不安と心配に押しつぶされそうな時間が過ぎていき、時間が21時を過ぎた頃、アンドレアさんの携帯が鳴った。着信表示を見ると、チャックさんからだった。 「彼は生きている！」 これまでの不安は吹き飛び、ほっとしてすぐに電話に出てみた。だが、応答ボタンを押した途端、電話は切れてしまった。 再び不安がアンドレアさんを襲う。しばらく待っているとまたチャックさんからかかってきた。電話に出るとまた切れた。 これと同じことが何回も何回も繰り返された。 彼は声の出せない状態になっているのではないかと考えたアンドレアさんは、現地の救助隊にもこの電話のことを伝えた。 救助隊を通じて電話の発信場所を調べてもらうと、チャックさんは先頭車両にいることが判明した。一番損傷のひどい車両である。 救助活動が始まって何時間も経過していたが、その間もチャックさんからの電話はアンドレアさんに何回もかかってきた。しかし相変わらず電話に出ると切れる。 そして日付が変わって翌日の午前3時、ついに救助隊はチャックさんを発見した。だがチャックさんは、すでに遺体となっていた。 救助が間に合わずに、ついに死亡してしまったのかと思われたが、そうではなかった。 付近の状況や遺体の損傷具合から見て、チャックさんが即死であったことは間違いなく、死後数時間経過していることも明らかだった。 にも関わらず、事故の後、チャックさんの携帯から、アンドレアさんとチャックさんの家族に、何時間にも渡って合計35回もの電話がかけられていた。 問題のチャックさんの携帯の捜索も行われたが、携帯は現場のどこにも見当たらなかった。 かかってきた35回もの電話は、チャックさんが死亡した後にかけられたことは、ほぼ間違いなく、この一件は、死者からかかってきた電話ということで様々な本で紹介された。 すでに死亡している人から電話がかかってくるという事例は、世界中でいくつも報告されており、このチャックさんの事件だけが特別というものでもない。 アメリカの超心理学者D・スコット・ロゴは、死者からかかってきた電話や、その電話で死んだ本人と会話したという数々の事例を集め、1980年に「死者からの電話」というタイトルで本を出版している。 この本によれば、死者からの電話にはいくつかの特徴があるという。 チャックさんのように、電話に出ると切れるという事例もあるが、最も代表的な特徴は、着信音であるという。携帯に入っていないはずの、聞いたこともないような音か音楽が流れてくることが多い。 そして電話に出ると相手は 「私が誰だか分る？」 と聞いてくる。この言葉も死者からの電話の代表的な特徴とされている。 また、こう聞かれた時点で、電話を受けた相手は、相手が死んでいるということを知らないケースがほとんどである。あの世に旅立つ前に、自分の存在を示しておきたいのか、相手が自分のことを覚えているかどうか確認したいのか、自分の名前を言って欲しいらしい。 入れた覚えのない着信音が聞こえ、電話に出ると「私が誰だか分る？」と聞かれる二つのことくらいであれば、今日にでも誰かが体験するかも知れない。 Top Page 心霊現象の小部屋 No.104 No.102 |
