80〜90年代には、たくさんのライトウェイトカーが存在しました。
現代のマシンは、安全基準をクリアする為、当時のマシンと比較すると
かなりの重量増を余儀なくされています。
「速く走る・気持ちよく走る」という上で、車重が軽いということは
大きなアドバンテージとなります。
このレースカーは、見覚えがある人もいるかもしれませんが、
2003年に製作し、もてぎJOY耐で、総合2位に入賞した CIVIC EF3 です。
エンジンは、V−TEC ではなく、あえて懐かしの名機ZCで挑みました。
馬力は150馬力弱くらいだったでしょうか。車両重量は780kgに設定して製作しました。
EK9やインテR、ランエボやインプレッサなど、いまどきのハイパワーな車を抑えて
入賞できた要因は、車重の軽さにつきると思います。
レース用に軽量化されたランエボで重量は、1180kgぐらいで、パワーが350〜400馬力くらいだそうです。
約400kgの重量差は、大きいですよ。
車重が軽いということは、少ないパワーでも元気良く加速し、鋭いコーナリングをします。
と同時に、燃費の向上や、タイヤに優しいなど、メリットがたくさんあります。
「速さ」=「パワー」ではなく、トータルバランスが重要であることを、このレースでアピールできたと思います。
後日お披露目する EF-3の2号車は、さらに軽量で760kgまで絞込みました。
楽しく走るための3大要素、超軽量&高剛性&バランスなのだ!と最近つくづく思うのでした。
そこで・・・
私が選んだベース車両は、ほんの数年前までは現役だったCIVIC EG6
当時はレースでもストリートでも、やっぱりこれしかないっしょ!って名車でした。
この素材に今の技術を投入して再び輝かせることは出来ないか、
当時のマシンにしかない、今のマシンにはない、操るすばらしさ、楽しさを
今のドライバーに伝えていくことができないだろうか?
現在は、効率やコストを重視するあまり、忘れられてしまったこと、使われなくなってしまった技術などを
惜しみなく投入して、ひとつの作品として、このマシンを仕上げたいと考えています。
考えついたら、即座に行動。(その気になったら早いよ)もうこんな状態に!
今回は軽量化に重点を置くため、ロールゲージの使用はやめ、
スポット溶接、リベット、ベンディング(板金)でこだわって製作する事に決めました。
ロールゲージなしで、剛性でる?なんて思われるかも知れないけど、実はすばらしい方法があるんです。
それが、今はあまり使わなくなってる技術だから、影に隠れているけれど・・・それこそがベンディングです。
ニッポンには、昔からそうした技術が、いっぱいある事を文献から知りました。
60年以上前の戦闘機を作る技術は、現代のように高価で軽量な素材のない中で、
軽量かつ高剛性を実現する為に、最小限で最大限の効果を生む技術を
当時の技術者達が知恵を絞った究極ではないか?と考えました。
まあそういうことで、ベンディング用の金型もいちから、製作する事に。
凝りすぎたかも???いやいや <楽しくなければダメダメ>
これから暑い夏が始まるけど技術向上の為、鉄板と格闘してみます。鉄は硬いけど、柔軟性もあるんだよ。
テーマは超軽量&高剛性&バランス 思いきりやってみまーす。
次回につづく by藤田ピョン