平成16年7月15日、16日 国境の街「丹東」にて
  錦江山公園へ登る。山というよりは小高い丘であるが、市内が一望に見渡せそうである。 ホテルから歩いていける距離である。銀杏並木の通りを北へ。入場料10元を払う。 山門をくぐる。山門は中国風の跳ね上がった屋根を持った、華やかな色使いの 門である。かって同じ所には、日本式の鳥居があったそうである。
  頂上まで一気に登り 三層の錦江亭へ上がる。錦江亭より市内を望む。天候は晴れであるが、霞んで視界が悪し、 かすかに鴨緑江が見える程度であった。この山は公園として市民の憩いの場となってい るようであった。私の知っている人は、新義州から鴨緑江を渡りこの公園へ遠足に来た のであろう。次は抗美援朝紀念館へ行こう。
  一旦駅前広場に戻り3番のバスに乗る、体育館前のバス停で下り、紀念塔をめざす。 入場料30元を払う。数十段の階段を上がった所に「中国人民志願軍の愛国主義、国際主義と 革命英雄主義精神は永遠に光を放つであろう」江沢民(1993年7月15日)の碑が 掲げられていた。
  この紀念館は朝鮮戦争の歴史を語る施設である。中国側から見たもので 1次〜5次の戦い、停戦までの資料・写真が展示されている。一見の価値はある。じっくり 見ていくと楽に2時間は必要である。
  売店で絵葉書を買う。絵葉書には「鴨緑江辺英雄城市・・・安東」とあった。(かって丹東は 安東と言われていた。)朝鮮戦争で中国は勝つには勝ったが、多大な犠牲を強いられた ものであった。この丹東から多くの人々が志願兵として従軍した。一般的な中国人は、 鴨緑江と言うと「鴨緑江を越えて」と朝鮮戦争の時、多くの志願兵が河を渡り命をささげ、 国が高揚した時代を思い出すようである。
  食後、ホテルの隣の長距離バスのターミナル駅を覗く、瀋陽、大連方面、風凰山、 虎山方面のバスもある。キップの販売員へ「風凰山へ行きたいが、どのくらい時間がか かる?、今日中に帰って来れるか?」と尋ねる・・・無理とのこと、虎山はどうかと聞 くと・・・片道40分ぐらいで大丈夫とのことであった。よし、虎山の長城へ行こう。 4元を払ってキップを買いマイクロバスに乗り込んだ。
  バスは数箇所でお客を乗せ鴨緑江を右に見て郊外へ進んでいった。長城 付近で下車。30元を払って城内へ、キップには「中国明万里長城東端起点−虎山」 と記してあった。全てレンガ造りの階段は1歩1歩、きつい登りである。一番上まで上がる。 眺めは良い。河が合流している、左手は鴨緑江、その向こうは朝鮮である。行かなかった けれど長城の歴史博物館もある。歴史博物館は甘粛省の嘉峪関、北京の八達リン、山海関 とここ丹東虎山の4箇所しかないそうである。帰りは乗合タクシー5元で戻る。
  朝8時ホテルを出て隣のバスターミナルへ、風城行きのキップ(8元)を買う。バスは昨日 と同じように幾つかの停留所で人を乗せ郊外へ、昨日は若いお兄さん車掌であったが、今回は ランニングに半ズボンの少し太めのおっさんであった。
  1時間半過ぎた頃、特徴のある山が目に入ってきた。鋭い峰々が連なっている。風凰山であろう。 外を見ていると風凰山山門のような所をすぎていった。500m過ぎたあたりで下ろしてもらう。
  入山料を支払うところは、標高400mぐらいであろうか、山門よりオートバイに牽引された オープンカーで一気に上がる。入山のキップを買おうとしているところに、ガイド嬢が声を かけてきた「要不要導遊?」調べた本(地球の歩き方)では、ガイドを雇ったほうが良い と書いてあった。ガイドのメーニューは、小循環(50元)、中循環(80元)、大循環(120元) 超大循環(??元)であった。中循環をお願いする。入山料42元(保険料2元込み)を支払い ガイドと二人連れで山登りを開始する。
  この山は安徽省の黄山を小さくしたような山で、変化に冨み 厳しい山であった。ガイドブックや案内が余り整備されていなく、初めての者にはガイドがなければ 困るであろう。
  登山は小雨の中、峰からの展望は全くなかったが、彼女と中国語会話を交わしながらの 約2時間は楽しいものであった。名前は「徐陽」チャーミングな子であった。平均的には1日1回、 繁忙期は2回登るそうである。今はシーズンオフ、登る人はわずかである。下山はかわいいロープウェー で下る。紫陽観の前で一緒に写真をとる。登山口で握手を交わし別れる。
  登山口でオートバイのお兄さんに声を掛けられる「麓の山門まで10元」とのこと、歩いて下りるというと、追いかけてきて5元となった。 下山後、タクシーで風城の街へ、丁度12時であった。人がごった返している、 1件の店に入り、小包子ひと籠とビールを注文する。帰途は風城駅前からバスに乗る。 丹東へ着いた時は大粒の雨であった。朝出せなかった絵葉書を出しに郵便局へ行く。