伊犁那拉提草原四日遊(11日〜14日)

  目的地に着くまで4時間ぐらい?とガイドに聞いたところ10時間という答えが返ってきた。目的地を確認するために地図を取り出す。 目的地は賽里木湖(セリム湖)、伊寧(イーニン)、那拉提(ナラティ)・・・ウルムチから約500km、カザフスタンの国境に近い。
《1日目》
  6:30ホテルを出る、タクシーで市庁府前へ、7:30まで待てとのこと、近くのネットバーでインスタントラーメンをすする。天気は晴れ。 市庁府前でバスに乗ったのは8人であった。その後約40分走り続け、ある町で25人を乗せる。この団体は企業の社内旅行 の皆さんであった。さすが3泊4日の旅行ともなると地元の人も参加してくるのだなと感じる。揃ったところで一路、目的地へ。
  バスの中でいきなり自己紹介をさせられる、今回のツアーには、わざわざ日本からのお客さんがいるということで。 蘇州大学の留学生で、試験が終わったので来ました。よろしく!と挨拶をする。その後、賑やかな歌声が車内にひろがる。 車は西へ高速道路をひたすら走り続けた。
  この高速道路はグルバントングーダ砂漠の南端を東西に貫いている。左手に天山山脈が連なるこのルートは天山北路である、 行けども行けども荒地の同じ光景が果てしなく続く。途中、昼食のためレストランに立ち寄る。(食事代10元)
  最初の目的地「賽里木湖(セリム湖)」へ到着したのは17時過ぎ、17時といっても、まだ、陽は高い。湖畔でひとときを過ごす、クリスタルブルーの湖は静かに美しい、なだらかな山すそと草原、羊、山羊、牛、馬が草を食んでいる。 美しい雄大な大自然の風景なのだが、足元に注意しなくては、なにしろ糞が多い、いずれ大地に戻るのであろうが、足元注意の歩行であった。
  標高2000mにあるセリム湖から、ホテルまで下りの道は、砂埃の舞い立つ工事中の悪路であった。 近辺に住んでいる方々や家畜たちの苦労がしのばれる。いつごろ工事は完了するのであろうか?
  夕方(夜10時頃)ホテルへ、ホテルは町はずれの道路沿いの民族村風の建物であった。ビールと白酒で酔っ払い、3人部屋の ベッドに倒れこむ。
《2日目》
  なぜか体がだるい、昨日の白酒がまだ残っている。少し元気のない朝であった。車は国境の町コルガスへ、そこで朝食、レストラン に入り抓飯をいただく。
  この旅行で一番多く食べたご飯が、この抓飯(ズワーファン)であった。焼き飯ふうなのであるが、この地方イスラム民族 の伝統的な料理である。抓は「つまむ」の意味があるが、もともとは大皿から手で抓んで食べるようである。骨付き羊肉、ニンジン、たまねぎを 炒め味付けし、その後ご飯を加え炒めたものである。ニンジンの赤が目立つチャーハン、干した杏や干し葡萄を加えたりするそうである。
  国境(国門)へいける、と言うので手を挙げたが、4人のみで、私は外れてしまった。ガイドにさんざん食い下がったが、だめであった。 コルガスで半日ボケーと過ごし、伊寧へ、伊寧でショッピング、伊寧大橋見た後、宿泊地「那拉提」へ。この伊寧から那拉提 への約4時間に及ぶドライブ、国道218の風景は、片や河と草原、片や岩山と対称的な風景であった。夜はホテル近くの屋台でナン、羊の串焼き3本とビールをいただく。
《3日目》
  那拉提で一日過ごす。午前中は馬に乗り草原の山へ登る。往復2時間の馬の背は少し堪えた。午後は空中草原なる牧場へ、 那拉提とは現地の言葉で「太陽のある」と言う意味らしい。
  言い伝えによると、かってジンギスカンが西へ軍を動かしたとき、ある軍が伊寧へ向かって天山山脈へ分け入った。時はまだ春浅い、 軍は山中で風雪にみまわれ、飢餓と寒さで軍の疲弊は甚だしいものであった。連峰を越えた時、思いがけず目の前に緑溢れる草原と清らかな川の流れがあらわれた。 ちょうどその時雲が割れ夕日が真っ赤に草原と泉を染めた。それを見た人々は、那拉提(太陽がある)と叫んだ。 この那拉提草原は世界四大草原の一つで高山植物の貴重な保護区となっている。(AAAAA級景区)
  その後、また宿泊地伊寧へ引き返す。伊寧での宿は少し郊外、昆明から来られた夫婦と3人でタクシーに乗り食事をしに繁華街へ。
《4日目》
  一路、ウルムチへ、来たときのルートと同じ道をひたすら東ウルムチへ。