2000年3月20日作成

スペシャル企画
「東京魔人幼稚園御遊戯帖」
第2話
これは、一癖も二癖もある真神幼稚園の園児たちの物語である。

天野「さ、犬神さん。お茶をどうぞ」
犬神「そろそろ行き先ぐらい教えたらどうだ?」
天野「うふふ、それは着いてのお楽しみですわ」
犬神「やれやれ。遠足に最適の場所を知ってるから、と君に任せたのが間違いだったな」
天野「あら、それはどういう意味かしら?行ってから判断してほしいですわ」
犬神「俺は歩いて行ける場所が良かったんだ。次の駅で降りるぞ」
マリア「まあまあ、犬神園長。せっかくだし下見をしてからでもいいじゃないですか。それに園児たちも楽しみにしてますわ」
犬神「誰がバスを運転すると思ってるんだ。ったく、歩きゃいいんだよ」
天野「そう言わずに、はい。早起きして作ったの、あ〜ん」
犬神「おい、もう弁当食うのか?下見場所で食うんだろ」
天野「いいじゃない。まだ沢山あるし、はいあ〜んして」
マリア(なんなのこの女?犬神園長の知り合いみたいだけど、いちゃいちゃ見せつけてくれるじゃない!)
犬神「ところでマリア先生。なぜ緋勇を連れてきた?」
マリア「そ、それは園児を代表して意見を聞くためですわ・・・」
犬神「ふっ。そういうことにしておこう。間違いはおこすなよ」
マリア「はい、ひ〜ちゃん。ジュース飲む?」
緋勇「ありがとう。マリアせんせい!!」
マリア「ほら、あわてないで。ゆっくり飲みなさい。あらあら、こぼしちゃって。ふきふきしましょうね」
緋勇「ん、ん〜。おいしいよ。はい、せんせい!」
マリア「わたしに?いいのよ全部飲んで」
天野(この女何者?せっかくの犬神さんとのデートに園児まで連れてついてきて。なんとか目的地までにまかなければ!!)
犬神「俺は寝る。着いたら起こしてくれ」
天野「ちょっといいかしら?マリアさんでしたわね」
マリア「何かしら?ひ〜ちゃん、ちょっと待っててね」
緋勇「は〜い!いってらっしゃ〜い」
犬神「ぐお〜ぐお〜」
緋勇「えんちょうせんせい、おっきないびき〜」
裏密「ひ〜ちゃ〜んん〜〜」
緋勇「あれ?ミサちゃん。どうしてここに?」
裏密「ひ〜ちゃんを〜、魔の手から〜救うため〜〜」
緋勇「まのて〜?なあにそれ?」
裏密「もうすぐ〜駅でとまるから〜おりましょう〜〜」
緋勇「え?でも・・・」
裏密「いいから〜〜」
・・・・・
天野「ごめんなさいね。私一人じゃ持ちきれなくて」
マリア「い、いいえ。でもこんなにビールを沢山、多すぎない?」
天野「ほほほ、足りないくらいよ。あ、私化粧室に行ってきますので、持っててくれます?」
マリア「え、ええ。でも急い・・・」
アナウンス「まもなくドアが閉まりま〜す」
天野「ダッシュッッ!!」
マリア「あ、あのアマ!!」
天野「ちっ(小声)間に合ってよかったですわね」
マリア「ぜえはあ、ぜえはあ。そ、そうですわね」
天野・マリア「おほほほほほほ・・・」
・・・・
緋勇「あ、でんしゃいっちゃったよ」
裏密「うふ〜ふふふ〜。わた〜しの作ったお弁当〜食べて〜」
犬神「お前たち、勝手な行動をするなと日頃言ってるだろう」
裏密「あ〜れ〜、ばれちゃった〜〜」
犬神「まあいい、帰るぞ」
裏密「遠足の下〜見は〜?」
犬神「遠足なんて裏の小山で十分だ。さっさと乗れ」
緋勇「は〜〜い!!」
・・・・
天野「なんで・・・」
マリア「・・・誰もいないの?」
プファ〜〜ンン!!ガタンゴトン、ガタンゴトン。
春爛漫 ビール片手に 女二人旅 かな
おわり。

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