Top Page 文書館 No.036 No.034
自分の住んでる山口県には、「七つの家」という、全国的にも有名な心霊スポットがある。 その場所は7つの家が並んで建っているところで、昔、その中のある一軒で夫が妻を殺すという殺人事件が起きた。 夫は妻の死体を見つからないように山に埋めたが、しばらくして・・まずその家で妻の幽霊が出るようになり、その霊をたびたび目撃するようになった夫は正気を失い、隣接する家の住人を次々と皆殺しにしていったという。 以来、そこには幽霊が出るという噂が立ち、地元住民なら誰でも知っている有名な場所となった。 その地元住民である、ある男性。彼はその日、友達二人と夜の店で遊んでいた。だが、そのうち盛り上がって「あの心霊スポットに行ってみよう!」ということになった。怖いもの見たさで3人で車に乗り込み、例の家に向かった。 ※2000年頃の話です。今では草がおおい茂って道路も隠れているような状態らしいです。 現地につくと、噂通りそこには何軒もの廃屋(はいおく)が並んでいた。やっと車一台が通れるような細い道に車を頭から突っ込み、一番奥にある廃屋のすぐ近くに車を停めた。 「ここが例の家か〜・・。。怖いから、ライトつけとこう。」と運転役の男が言った。ライトをつけっぱなしで車に乗ったまましげしげと家を眺める。 がっ!その時、車に一番近い家の扉が突然「ギィィィ〜」っと開いたのだ。一斉に三人の視線がその扉に集まる。ここは廃屋のはずなのに!誰も住んでいるはずはないのに! 息を飲んで見つめていると、扉の中から二つの人影が出てきた!幽霊だ!!噂は本当だったのだ! 「うわああああーーーっっっ!!!」三人同時にすさまじい悲鳴が上がった。 「早(は)よう、発車せえやーーーっっ!!」一人が叫んだ。運転席にいる男が慌ててバックで出ようとするが、彼も気が動転していて車の操作がうまくいかない。 ションベンちびりそうになってる3人は車の中でパニック状態だ。だが二つの霊体は車にどんどん近づいてくる。 恐怖のどん底の中で、霊の顔がはっきりと見えた。その見えた顔は・・!・・ツッパったヤンキーたちの顔だった。 別に幽霊でも何でもなかった。2人のヤンキーが家の中から出て来ただけだった。 「すいませ〜ん、驚かしちゃって〜。ちょっと僕たち、探検に来てただけなんですよぉ〜。」と、ヤンキーたちは声をかけてきた。 「い・・いやぁ・・そうなんですか。。実は僕たちも探検に来てただけで・・。」とお互い挨拶して、3人もホッとしたようだ。相手が人間と分かると、さっきまでビビリあげていた自分たちが急に恥ずかしくなってきた。 しばらくヤンキーたちと幽霊談義や世間話をして3人は帰路へ着いた。しかしなかなか礼儀正しいヤンキーたちであった。 怖いもの見たさでここへ来た3人だったが、恐怖を堪能するという目的だけはちゃんと果たせたようだ。ちょっと意味は違ったが。しかし、あのヤンキーたちも、よく夜中にあの家に入ったものだ。その度胸は尊敬に値する。 |