正当派ダイエット
世の中には、何十年も前から「○○でやせる」といったダイエット商品が現れては消え、消えた頃には別のダイエット法が現れるという歴史の繰り返しでした。
このことを考えると、全ての人に適応し、完全に世の中に定着するダイエット法などは存在しないことが分かります。「適応」とは身体そのものもそうですが、精神的にもどれだけの期間続けられるかという精神的なものも含まれます。
世の中にまだダイエット商品というものが何もなかった時代、やせるのであれば「食べるものを少なくして運動する」という方法しかありませんでしたし、この方法が現代でも一番正論のダイエットであるといえます。
基本となる理念は上記のように「摂取カロリーよりも消費カロリーの方を多くする」ということに尽きます。
その際、一番重要となるのは「食事」で、その次に「運動」と「行動修正療法」となります。
「行動修正療法」とは長い間にしみついた生活習慣を、心の鍛練を通して修正していこうというもので、ヘビースモーカーやアルコール依存症の治療などに使われるものです。
要するに「太った要因となった習慣を変える」ということで、食事の量にしても、初めて小食にした時には、もの足りずに苦痛に感じるものの、その状態に慣れてしまえば、それを苦痛とは感じなくなるということです。
また、食事と運動に関してですが、身体に与える影響は「食事が8割・運動が2割」という説もあります。
実際「食欲を抑える」「運動を続ける」というこの2点は、精神的な負担は同じくらいに感じますが、現実は食事の影響が非常に大きいといえます。
体重に多くの影響を及ぼすものは確かに食事の方ですが、運動を抜きにしては健康的なダイエットとは言えませんし、また食事のみのコントロールよりも運動をセットにした方が明らかに効果は早く現れます。
運動は不可欠
運動には、走ったり泳いだりテニスをしたり・・などの全身を動かす動的運動と、ウエイトトレーニングなどのように特定の筋肉だけに刺激を与える静的運動があります。
双方共に「体形を変える」という面においては効果があるものの、ダイエットの効果が早く現れやすいのは前者の動的運動の方になります。
動的運動とは「有酸素運動」と言われ、息が上がるレベルで、ある程度の時間行う運動のことです。代表的なものはエアロビクスやジョギングなどです。
人間が運動を始めると、最初にエネルギー源となるのは血液中の糖分や、筋肉の中に蓄えられているグリコーゲン(糖質)です。これらが少なくなってくるとその次に脂肪が使われ始めます。
そしてその際には大量の酸素を必要とします。逆にウエイトトレーニングなどのように、筋肉が特に酸素を消費しない運動を無酸素運動といいます。
脂肪が燃焼を始めるのは、運動開始から20分を経過してからだと言われます。つまり20分以下で運動を終了してしまっては、あまり効果は期待出来ないということになります。
また、50mダッシュのように一気に終わってしまう運動では、終わった後に確かにハァハァと息が上がるものの、脂肪の燃焼という効果に限ってはあまりありません。
もちろん、何も運動しないよりははるかにいいことなのですが、脂肪対策であれば、30分以上続けられるレベルの運動が最適ということになります。
ダイエットの本来の意味とは体脂肪を減少させることであって、その付随として体重減少があるものです。体重が変わらなくても運動を続けているのならば、体脂肪は減っているかも知れません。
単に体重だけを基準にせず、体脂肪計で測定した結果が以前よりも良くなっていればダイエットは進んでいるのです。