身体の中で一番不潔な部分
身体の中で一番汚い部分と言えば、大半の人が肛門を思い浮かべます。異性の肛門が好きという人は結構いますが、同性の肛門が好きという人はあまりいません。
普通の人であれば、排泄器官には気を使って極力綺麗にしようと努めます。ウオシュレットでないと我慢出来ない人、ウオシュレットがない時には肛門周辺が擦り切れて血が出るまで拭かないと納得出来ない人などは清潔感の表われと言えます。
ですが、一番ないがしろにされて気を使われない部分といえばやはり足の裏ということになります。
ある医師が細菌の付着の調査をしたことがあって、その時に病院の職員たちに1cm四方の滅菌したガーゼを身体の各部分に着けてもらい、その状態でそれぞれの勤務についてもらって8時間後、仕事が終わった時にそれぞれのガーゼに付着した細菌を調べてみたことがありました。
その結果、肩と腕の部分が最も少なく、これを基準の1とした場合、足の指の間についていた細菌はその140倍だったという結果もあります。
また、夏になると特に足のニオイが気になります。仕事後の飲み会が座敷だった場合、靴を脱いでテーブルにつくと、ツ~ンとすごいニオイを放つ人がいます。
男同士だったらまだしも、女性で強烈な足のニオイを放っていたらシャレになりません。
足は1日中、靴下やストッキングに覆(おお)われ、汗もかき、アカも出ます。高温多湿の条件でニオイが出るのも無理はありません。
また、高温多湿を好む微生物が活発に動き、アカなどの老廃物の腐敗スピードを促進させます。足のニオイは一種の腐敗臭とも言えます。
足を常に清潔にしてこまめに洗うことが理想的ですが、仕事中にそんなことはいちいちやっていられません。ですが、活性炭入りの靴底を靴に入れるだけでもかなりのニオイ削減になります。
また、どうしても気になる人は薄めた酢に足を浸すとニオイを抑えることが出来ます。更に、風呂掃除などに使われるカビ取り用の洗剤で足を洗うという方法も有効です。
しかしカビ取り用の洗剤は強い殺菌力がありますから、皮膚の弱い人はこの方法はお勧め出来ません。
服装のことであれば注意してくれる人がいるかも知れませんが(ズボンのチャックが全開であるとか)、足のニオイについてはその人を傷つけまいとして黙っているのが普通の人の感覚です。ですから自分では感じなくても他人には臭(にお)うという場合、本人は気づきません。
自分では大丈夫とは思っていても、靴を脱ぐ場面があると分かっている日には途中で靴下を変えたり、消臭機能のある靴底を新しいものに換えておくなど、気を使う方が懸命です。