2000年1月、ヨーロッパの各地で氷の固まりが落下してくるという現象が相次いだ。
氷と言ってもヒョウなどの小さなものではなく、バスケットボールくらいの大きさで、重さが4kgか5kgかあろうかというほどの大きなものだ。
この月、イギリス・イタリアなどでもこういった現象が発生し、特にスペインでは一ヶ月の間に18個もの巨大な氷が降ってきており、中には車を直撃したものもある。
氷は発見次第回収されて調査されたが、成分は氷以外の何者でもなかったという。また、航空機からはがれ落ちたものではないかという説が浮上してきたが、航空機が全く飛んでいない地方にも落下しており、また同じような事故が突然頻繁に起こるとも考えにくい。結局原因は不明のままだった。
また、過去のこういった現象を調べてみると、古くはローマ帝国のカール大帝の時代に横1.8m、縦4.5m、厚さ3.3mという巨大な氷のかたまりが落下してきたと記録に残されている。
1950年、11月にはイギリスの農場に直径1mもの氷がいくつも落ち、ヒツジを直撃してヒツジの首が切断されるという事件が起きた。
1951年、1月には西ドイツで、屋根の上で作業をしていた大工が、上空から落ちてきた長さ1.8m、直径15cmの、槍のような形をした氷に身体を突き抜かれて死亡した。
氷の落下現象は飛行機の発明以前から起こっており、また異臭を放つ氷や色のついた氷など、とても航空機の外壁に付着したものがはがれ落ちたとは思えないような氷も多々あり、この巨大な氷の生成原因は謎のままである。