20世紀初頭、ウィリアム・リードやマーシャル・ガードナーが唱えた地球空洞説は、「地球は厚さ1300kmの地殻だけで構成され、地球の内部はがらんどうである。」という説である。

この説を信じている人は現代では、まずいない。だがこの地球空洞説が、多くの人々に信じられている時代があったことは事実である。以下が、この説の主な内容である。



北極と南極には巨大な穴が開いており、ここが地底世界の入り口になっている。

そして地底の中には、「地底の太陽」がその中心に輝いている。よく極地で見られるオーロラは、この地底の太陽の光が、入り口である穴から漏れて地上の大気に反映したものである。

地底世界の気候は温暖で、地上と同じような生物が存在している。ヤンセン親子が出会った巨人族は、その生態系の中でも万物を支配している存在に当たる。

この世界では地上で絶滅してしまったマンモスがいまだに生息しており、以前、シベリアの永久凍土でマンモスの死体が大量に発見されたことがあったが、あれは地底のマンモスが穴から地上にさまよい出てしまい、そこで凍死したものである。(マンモスが温暖、または熱帯の生物であるというのは現在では通説になりつつある。)

そして地上の海と地底の海はつながっており、ヤンセン親子の船のように、この穴(水のトンネル)を通って地底世界へ到達することが出来る。

ただし、この穴は高い氷の壁に囲まれており、なおかついつも濃い霧がかかっているから簡単に発見することは出来ない。

だが、この氷壁の切れ目から入ることが出来れば、極めてスムーズに地底の海へと入ることが出来る。また、アメリカ空軍のバード少将のように空中から入ることも十分可能である。


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