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No.157 人体発火現象2


何の原因もないのに、人間の身体から突然炎が出て、燃え上がる現象を人体発火現象と言う。その炎も、普通ではあり得ないほどの超高温であり、自然界に存在する人類の未知の炎とも言われている。

人体発火によってそのまま焼死してしまった人も数多く、こうした例は、約500年前から世界各地で報告されおり、その数は数百件とも言われている。

中には他人の目の前で突然、腹から青白い炎を噴(ふ)き上げて、そのまま燃え尽きてしまったという場合もあり、何人もの目撃者がいる時もある。人体発火の特徴として、長時間燃え続けるよりも短時間のうちに燃え尽きる場合の方が圧倒的に多く、また、本人が寝ている間に発火するというケースが非常に多いという。


▼ダンスの最中

1930年代のイギリス・ロンドンの繁華街ソホーの、あるクラブで、19歳の女性メイベル・アンドルーズは、彼氏と一緒にダンスを踊っていた。

その時突然、踊っているメイベルの胸と背中から突然原因不明の炎が噴(ふ)き出した。周りには多くの人がいたので、周囲は大騒ぎとなった。何人もの人が駆けより、火を消そうと必死になってやってみたが火は消えず、発火から数分後にはメイベルは無残にも黒焦げの焼死体となった。

一緒に踊っていた彼氏のウィリアム・クリフォードは「確かに彼女の体内から火が噴き上がったのを見ました。」と、恐怖にかられた顔で証言した。後の調査でも、メイベルの発火の原因は解明出来なかった。

また、1938年、同じくイギリスで、同様の事件が起こった。エセックス州チェルムズフォードのダンスホールで、22歳の女性フィリス・ニューカムが、やはりダンスの最中に突然、原因不明の炎が身体から噴き出し、そのまま焼死している。


▼車の中で

1990年3月1日の午後、アメリカ・サウスカロライナ州の町・グリーンビルズの291号線で、一台の車がもうもうと煙を上げて停車しているのを走行中のドライバーが発見した。煙はボンネットからではなく、車内から出ていた。

間もなく通りかかった車が次々と停車し、多くの野次馬が集まってきた。一人のドライバーがこの車のドアを開けようと、手を近づけたがあまりの熱気にすぐに手を引っ込めた。

車内はすごい煙が立ち込めており、中の様子はほとんど見えない。警察と消防に通報し、到着を待っていた時、その車が突然発進した。

野次馬たちもびっくりして、思わず車から離れた。煙を上げている車は数百メートル走っていったん停まり、再び発進して道路をジグザグに走った後、また停まったこの時点では、まだドライバーは生きていたようだった。

消防隊が到着するとすぐに車に化学消火剤を噴きつけた。煙もおさまり、火も消えたようだ。ドアを開けるとその車のドライバーが運転席に座ったまま焼死していた。焼死していたのはサイモン・ウッディという45歳の男性だった。

車を調査した結果、車内のプラスチック製の部分はあちこちが溶けており、フロントガラスは車内に向かって、へこむように歪(ゆが)んでいた。

ガソリンに引火した場合であれば、車全体が燃え上がるのが普通であるが、この火災は車の前座席だけに集中していた。サイモン自体が発火元であり、彼だけが燃えたとしか考えられないような状況だった。

電気関係のトラブルやガソリンが引火した可能性、可燃性物質を車内に持ち込んでいたのではないか、など様々な可能性について検証がなされたが、結局発火の原因は不明だった。死亡したサイモンは1時間前まで友人たちとしゃべっており、自殺の可能性などはまずないという。


▼ジョン・アービング・ベントレイ

焼け残ったベントレイ氏の片脚。歩行補助器、便器、
バスタブが確認出来る。

骨まで灰になり、床が焼け落ちるほどの高温が発生
したにしては、焼け落ちた範囲が狭(せま)過ぎるという、
不自然な火災。
1966年12月5日、アメリカ・ペンシルバニア州コーダースポートで、ガス会社の社員が、ガスのメーターを見るためにあるビルを訪れた。

ガス会社の社員が建物の中に入ると、何か油を燃やしたような、異様な臭(にお)いが立ち込めており、薄い青色の煙が漂っていた。

不審に思って進んで行くと、煙も臭いも、ある一室から出ているようだった。その部屋に住んでいたのは、ジョン・アービング・ベントレイ氏(93)である。ベントレイ氏は現役時代は医者であったが、高齢のためにすでに医師を引退し、ここで老後の生活を送っていた。

社員は、火事でも起こしているのではないかと心配になり、ドア越しに「ベントレイさん!」と声をかけたが返事はない。彼は思い切ってドアを開け、部屋の中に入ってみた。

煙はこの部屋のバスルームから出ているようだった。バスルームを覗(のぞ)き込んだ社員は悲鳴を上げた。

そこにはヒザから下だけの、人間の脚が一本ころがっていた。周囲は狭(せま)い範囲ながらも焼け焦げており、床が焼け落ちていて、約75cm × 120cmほどの穴が開(あ)いていた。

脚の付近にはベントレイ氏が使っていた歩行補助器が倒れており、開(あ)いた穴からは、下の地下室が見えた。後の調査で地下室からは燃え残ったヒザの関節が発見されており、灰は約2メートルの範囲に渡って散らばっていた。

それ以外には骨の燃え残りなどがなく、他の骨は完全に灰となっていた。


すぐに警察と消防が呼ばれ、調査が始められた。
奇妙だった点は、人間の身体が、骨まで灰になるほどの超高温で焼かれていたことである。

火葬用の焼却炉が、790度から1300度くらいで遺体を焼くと言われているが、それでも骨は残る。人体を3000度の高温で12時間焼いたとしても、骨は粉々になりながらも燃え尽きることはないと言われている。

ならばそれ以上の高温がここで発生したことになるが、それにしては燃焼範囲があまりにも狭く、周りも溶けたりなどはしていない。何より、そこに倒れている歩行補助器のゴム製のキャップでさえ溶けずに残っていた。人間だけが超高温で焼かれていたのだ。



この事件に関して、当時推測された真相は、タバコの火の不始末による焼死ということだった。

普段からタバコを吸うベントレイ氏は、服や部屋のあちこちによく焦げ跡を作っており、この時も不注意で火種を服に落としてしまい、それを消そうとしてバスルームに行ったものの、そこで気を失ってそのまま焼死してしまったのではないかという推論が出された。

大半の人がそれで納得し、事件は解決したかのようにも思われた。

しかしジャーナリストのラリー・アーノルド氏は、この推測を真っ向から否定し、後に独自の調査を踏まえた意見を雑誌に掲載している。

不自然だったのは、ベントレイ氏のパイプが、いつものスタンドにきちんと置かれていたことである。慌てて火を消そうとする者がそのような片付けをするとは思えないのだ。また、歩行補助器がなければ歩けない人物が、服に火が落ちた時、風呂場に行って水をかけようと考えるだろうか。まずは服を脱ごうとするのが普通である。

何よりもタバコの火が原因で、骨まで灰になるような高温の火災になるはずがない。ベントレイ氏は、超高温の未知なる炎に焼き尽くされたとしか考えられないのである。
 


▼ヘレン・コンウェイ夫人

1964年11月8日、午前8時45分ごろ、アメリカ・ペンシルバニア州で、「建物から煙が出ている」と通報を受けた、アッパー・ダービー消防署の隊員が駆けつけ、火元らしき部屋を開けると、写真のような遺体が残されていた。

犠牲者はこの部屋に住むヘレン・コンウェイ夫人で、両脚は燃え残っていたものの、上半身は黒焦げになって焼け落ちていた。

他に燃えていたものは、夫人が座っていたと思われるイスぐらいで、他の家具にはほとんど損傷がなかった。
 


▼エディス・ミドルトン夫人

1958年1月29日、イギリス・ロンドンの西部に位置するビリコムで発見された、エディス・ミドルトン夫人の遺体。

前日の15時ごろまでは何ら変わった様子もなく、同じアパートに住む友人と会話している。そして翌日には変わり果てた姿となっていた。

上半身を暖炉に突っ込んだような体勢となっており、脚から上は完全に灰となって焼失していた。これも他の事件と同様、骨まで灰になるほどの高温で焼かれていた。

この事件も、室内への延焼はなく、夫人のみが燃えていた。



▼ベアトリス・オグズキー夫人

1979年11月23日にアメリカ・イリノイ州ポーリングブルックで発見された、ベアトリス・オグズキー夫人(49)の遺体で、燃え残ったのは白い靴下を穿(は)いていた、ヒザから下の部分だけだった。

焼け跡から、椅子に座った状態で焼死したものと思われる。この事件も他と同様、室内が火事になったわけでもなく、人間だけが激しく燃えている。

人体発火現象では、ヒザから下だけが燃え残っている場合が極めて多い。 

▼アニー・ゲートルード・ウェッブ

1980年2月2日、イギリス・ウェールズのアニー・ゲートルード・ウェッブの遺体。

テーブルの下にストッキングを穿いたままの、ふくらはぎから下の脚と、右手首だけが燃え残っていた。

他の部分は完全に消失しており、やはり燃えた範囲は極めて限定的で、部屋が火災になることもなかった。



▼発火寸前・ケイ・フレッチャー

1996年1月、アメリカに住むケイ・フレッチャーは、台所で食事の仕度をしている最中、自分の首の付け根の辺りに何か違和感を感じ始めた。何か変・・と思っていると、やがてその部分はどんどん熱くなっていき、あっと思う間もなく、今度は煙の臭(にお)いがし始めた。

「身体が燃えてる!」

びっくりしたケイは、自分の首筋を必死にこすったり叩いたりしてみたが、煙は止まらない。やがて外で雪かきをしていた夫がたまたま台所へ帰って来たが、その時には台所は煙で充満していた。

「私の身体が燃えてる! 早く火を消して!」

ケイは台所に入って来た夫に向かって叫んだ。見るとケイの首筋から煙がもうもうと上がっている。びっくりした夫はケイに駆けより、ケイの首筋を同じようにこすったり叩いたりし始めた。

料理の途中で油がかかって引火でもしたのかと思ったが、煙が出ているだけで火がついているわけではない。着ているセーターをすぐに脱がすと、煙はケイの首筋の肌から直接噴き出しているのがはっきりと見えた。

何をすればいいのか分からない2人は、ただうろたえるだけだったが、幸いにもしばらくすると煙は止まった。煙が止まった後も、ケイの首筋は15分くらい熱いままだった。

窓を開け、台所に充満した煙を追い出すと、やっと2人は落ちついた。着ていたセーターを見てみたが、セーターの方には特に焦げ跡などはついていなかった。 

▼発火寸前・エリザベス・K・ノリス

1980年5月、アメリカのエリザベス・K・ノリスは、台所のテーブルに座り、新聞に載っていたクロスワードパズルをやっていた。夫もまた同じくテーブルについて、2人でくつろいでいた。

その時突然、エリザベスの左腕から煙が立ち昇り始めた。

衣服に火がついたと思ったエリザベスは「燃えてる!」と叫んですぐに流しに走って行き、水をかけたが、出ているのは煙だけで、火がついている様子はない。

この時エリザベスは口の中で、灰のような味がしたという。

びっくりした夫も、自分のくわえていたパイプから火種が落ちて妻の腕を焦がしてしまったのではないかと思い、パイプを確認したが、火は消えていたし、パイプは妻からはずいぶんと遠いところにあった。

訳がわからないまま、しばらくして煙はおさまった。

そしてその12日後、再び同じ現象が起きた。エリザベスのブラウスの袖の中から突然、煙が立ち昇り始め、エリザベスはまたもやあの時と同様、口の中で灰のような味を感じた。

この時は数秒で煙はおさまり、特に火傷を負ったということもなかった。両方とも、煙の原因は分からずじまいで、人体そのものから煙が出始めたとしか考えられなかった。

 

▼家のあちこちから

1983年には、アルゼンチンのロザリオ市郊外で、人間だけではなく家のあちこちから炎が上がるという事件が起こっている。

ロドルフォ・ロペス氏の家で、ある日夫人が洗濯物を干していると、やけに焦げくさい臭いがする。辺りを見まわすと、今干したばかりのズボンに火がついていた。びっくりした夫人はすぐに水をかけて火を消した。

火のついた原因に心当たりはなかったが、それほど大したことでもなかったので、この時はあまり気にしなかったが、それから半年の間、この家では発火現象が頻繁(ひんぱん)に起こるようになった。

毎日のように壁や家具、衣類から突然、ポッと火が上がる。火はしばらく燃え続けた後、自然に消える。しかし燃えるのはいつも限られた範囲だけで、周りに燃え移って大火事になるというようなことはなかった。

ハンドバッグに入れていた夫人の財布が燃えてもハンドバッグ自体は何ともなかったり、パンが燃えても、それを包んでいた袋は燃えなかったりと、奇妙な燃え方をする。


ある日のこと、この時は結構な火事となってしまい、ロペス一家の人たちは消防を呼んだ。消防隊が駆けつけると、すでに火は消えていたが、あちこちが焦げ跡だらけとなっており、周囲には焦げた臭いが立ち込めていた。

消防隊が事情を聞いていると、突然マットレスや壁など、3か所から同時に火の手が上がった。庭にある物置小屋もメラメラと燃え始めた。幸い消防隊がいたのですぐに消火活動に入れたが、集まっていた近所の人たちも含めて大騒ぎとなった。

ロペス一家は、こういった発火現象を半年の間、我慢して暮らしていたが、ついに耐え切れずによそへ引っ越していってしまった。 

▼下着が燃える・メラニー・トンプソン

発火したパンティを手にするメラニー・トンプソン
イギリス・ランカシャー地方のヒンドリーの街。この地に住む、メラニー・トンプソンは、あるスーパーマーケットでレジ係をしていた。1997年8月、メラニーはこの日も普段と同じようにレジを打っていたが、ある時、突然股間(こかん)に痛みが走った。

「痛っ!何これ?」

股間が痛いだけではなく熱い。何とか今、打っているお客だけは我慢してレジを終わらせ、続きを同僚の社員に頼んでメラニーはすぐにトイレに走った。

トイレでスカートを脱ぐと、煙が出てきた。パンティを見ると、自分の股間の部分がぶすぶすと焼け焦げて煙を上げている。

メラニーはすぐにパンティを脱ぎ、水をかけた。じゅっと音がして火は消えた。勤務の途中で帰るわけにもいかず、この日はこのまま仕事を続け、家に帰って股の部分を見てみると、約7cmの軽い火傷(やけど)が出来ていた。スカートの方を見てみたが、こちらは全く焦げた跡などはついていなかった。

メラニーは、パンティの製造元である「マークス&スペンサー社」にこのことを伝え、自分の穿(は)いていたパンティを調査してもらったが、何ら異常は発見されなかった。

マークス&スペンサー社側は、「何らかの薬品がパンティに触れて、化学反応を起こして発火したのではないか。」と説明を行ったが、スカートの下に穿いていたものだけに薬品がついて発火するなどということはあり得ない。

それにあの時には付近に火もなかったし、この説明ではメラニーも納得出来ない。メラニーは「絶対に私の不注意で発火したものではありません。」と主張し、結局発火の原因は不明のままだったが、マークス&スペンサー社はメラニーにお見舞いとして商品券を送った。 

▼下着が燃える・ジェニファー・マクブライド

ジェニファー・マクブライドと、問題のパンティ。 
1998年10月、アメリカ・フロリダ州のマイアミで、弁護士事務所に勤務しているジェニファー・マクブライド(39)は、事務所でパソコン操作をしている時、何か焦げるような臭いを感じた。

コンピュータの配線が加熱し過ぎて焦げているのかと思い、立ちあがってモニタの後ろを見ようとした瞬間、腰のあたり全体に激しい痛みと熱さを感じた。

びっくりした瞬間、今度は自分のスカートの中から煙が上がっていることに気づいた。

すぐにトイレにかけ込み、パンティを脱ぐと明らかに燃えており、繊維が焦げていた。急いで水をかけて火を消した。


幸い火傷の方は大したことはなく、事なきを得たようである。 

▼下着が燃える・エイミー・ヴォルカ

1997年11月、アメリカのニューヨークで、図書館に勤務していた19歳の女性・エイミー・ヴォルカは、いつものように本棚を整理していた時、突然お尻に激しい痛みを感じた。何かが刺さったのかと一瞬思ったが、その直後、今度は自分のスカートの中から煙が立ち昇っていることに気づいた。

びっくりした彼女は走って従業員休憩室に飛び込み、スカートを脱ぐと更に煙が舞い、自分のパンティが燃えていることに気づいた。

慌ててパンティを脱いでよく見ると、お尻の部分が焼け焦げ、煙を上げながら火がくすぶっている。急いで彼女は、流しにパンティを持っていって水をかけるとじゅっと音がして火は消えた。

彼女の場合、火傷は結構ひどく、1週間以上もお尻が痛くてイスに座れない生活をしなければならないほどだった。自分に過失のない自然発火だと思った彼女は下着メーカーに対して抗議を行ったが、調査してもらっても発火原因は不明のままで、賠償問題に関してはうやむやとなってしまった。 

人体発火現象の原因として推測されているものが、空中に大量に漂っていた電子が、何かの理由で人体に入り込み、発火させるという「電磁波説」や、大量のアルコールを飲んだために発火したという説、リンによる発火という説、ある一定の電圧が体内に発生し、発火するという説、あるいは地球という大地が持つ未知のエネルギーによって発火するという説など、推測はされているものの、結論は出ていない。




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