ウエイトトレーニングにおける超回復
トレーニングを行うと疲労が残りますが、疲労は時間と共に回復していきます。休息によって疲れが取れてくるのはごく普通のことですが、人間は休息によってトレーニング前の体力に戻るだけでなく、ある一定の期間は以前よりも高いレベルまで運動能力が高まっている期間があります。
これは身体が受けたストレスに適応しようとするためで、「超回復」と呼ばれる反応です。
図のように、運動を始めた時点から疲労が始まり、運動を終えた時点で運動能力は最低となります。休息により、そこからだんだんと回復していき、運動能力は以前と同じレベルに達します。
その後更に運動能力は上昇を続け(超回復)、ある程度のところまでいったら再び下降して運動前のレベルに落ち着きます。
この超回復の時期にトレーニングを行えば、以前よりも高いレベルのトレーニングが可能になり、より強い抵抗をかけることが出来ます。反対に疲労が残っている状態でトレーニングを行うと、それは前回よりも低いレベルのトレーニングしか行えない場合が多くなります。
また、休息期間が長過ぎても、トレーニングで現状維持をするだけの状態となり、筋力の向上という効果は得られなくなってしまいます。
超回復が訪れる期間は、比較的運動量が少ない初心者においては48時間から72時間と言われています。したがって、2~3日に一回というトレーニングのペースが効果的ということになります。
よりハードに行う中級者や上級者においては2日から4日の休息が必要となってきます。
しかしこれらはあくまでも一般論であって、超回復の時期は個人や状況によってかなり差が出てきます。年齢やトレーニングのハードさ、仕事での疲れなどが絡みあってきますから、実際に自分の超回復の時期は自分で探していかなければなりません。
体感として、常に自分の身体と気分の変化に注目します。超回復の時期には筋肉の痛みやコワバリがなくなり、張りが戻り、大きくなったように感じます。また、筋肉自体が次の刺激を求めて、トレーニングをやろう、という気分になってきます。その時期が自分の超回復の時期となります。